Day 1:英語ってどういう言葉? ― 日本語との決定的な違い
なぜやるか
英語を勉強しようとして参考書を開くと、いきなり「名詞」「動詞」「文型」などの専門用語が出てきます。でも、そもそも「英語ってどういう仕組みの言葉なのか」を知らないまま文法を勉強しても、すべてが暗記になってしまい、すぐに忘れます。
実は英語と日本語にはたった1つの決定的な違いがあって、この違いさえわかれば、これから90日間の学習がすべて「なるほど、だからそうなるのか」と腑に落ちるようになります。
逆にこの違いを理解しないまま進むと、どんなに勉強しても「単語は知ってるのに文が読めない」「文法問題の解説を読んでもピンとこない」という状態がずっと続きます。
今日はその「たった1つの違い」を理解することだけに集中してください。覚えることは1つだけです。
本編
英語と日本語の決定的な違い:「語順」
まず、日本語の話をします。
日本語は語順が自由な言葉です。試しに「私は本を読む」という文を並べ替えてみてください。
- 「私は 本を 読む」
- 「本を 私は 読む」
- 「読む、私は 本を」
全部意味が通じますよね。なぜ通じるかというと、日本語には「は」「を」「が」「に」などの助詞(てにをは)があるからです。「本を」と言えば、順番がどこにあっても「本が読む対象だ」とわかります。
ところが、英語にはこの助詞がありません。「は」「を」「が」にあたる言葉が存在しないのです。
では英語はどうやって「誰が何をしたか」を伝えるのか?
答え:単語を置く位置で意味を決める。
これが英語と日本語の決定的な違いです。英語は「どこに置くか」がすべてです。
英語の語順ルール
英語の語順は常にこうです:
「誰が」→「どうする」→「何を」
この順番は絶対に崩せません。どんな英文でも、どんなに長い英文でも、この順番が土台になっています。
例文で確認しましょう。
例文1:I read a book.
| 位置 | 英語 | 日本語 | 役割 |
|---|---|---|---|
| 最初 | I | 私は | 誰が |
| 真ん中 | read | 読む | どうする |
| 最後 | a book | 本を | 何を |
→ 「私は本を読む」
日本語では「私は本を読む」のように「本を」が動詞の前に来ますよね。でも英語では「読む(read)」の後ろに「本を(a book)」が来ます。ここが日本語と逆です。
では、もし “A book read I.” と書いたらどうなるか?英語のルールでは「最初に来た単語=誰が」なので、「本が私を読んだ」という意味不明な文になってしまいます。これが「語順を間違えると意味が変わる」ということです。
例文2:She drinks coffee.
| 位置 | 英語 | 日本語 | 役割 |
|---|---|---|---|
| 最初 | She | 彼女は | 誰が |
| 真ん中 | drinks | 飲む | どうする |
| 最後 | coffee | コーヒーを | 何を |
→ 「彼女はコーヒーを飲む」
ここで1つ気づいてほしいことがあります。drinkではなくdrinksと、末尾にsがついていますよね。
これは英語の大事なルールです。「誰が」の部分がI・You以外の1人(または1つ)のとき、「どうする」の部分にsがつきます。
- I drink coffee.(Iのときはそのまま)
- You drink coffee.(Youのときもそのまま)
- She drinks coffee.(She=I/You以外の1人 → sがつく)
- Tom drinks coffee.(Tom=I/You以外の1人 → sがつく)
- We drink coffee.(We=2人以上 → sはつかない)
- They drink coffee.(They=2人以上 → sはつかない)
まとめると:
– I, You, 2人以上 → sはつかない
– それ以外の1人(1つ) → sがつく
なぜsがつくのか、理由を覚える必要はありません。「I/You/複数以外のときはsがつく」と体で覚えてください。
例文3:Tom studies English.
| 位置 | 英語 | 日本語 | 役割 |
|---|---|---|---|
| 最初 | Tom | トムは | 誰が |
| 真ん中 | studies | 勉強する | どうする |
| 最後 | English | 英語を | 何を |
→ 「トムは英語を勉強する」
studyにsがつくとstudiesになります。語尾がyで終わる単語は、yをiに変えてesをつけます。ただし、このルールは今覚える必要はありません。「studyはstudiesになるんだな」くらいでOKです。
例文4:The company sells products.
| 位置 | 英語 | 日本語 | 役割 |
|---|---|---|---|
| 最初 | The company | その会社は | 誰が |
| 真ん中 | sells | 売る | どうする |
| 最後 | products | 商品を | 何を |
→ 「その会社は商品を売っている」
「誰が」の位置には人だけでなく、会社や組織なども入ります。The companyは「1つの会社」なので、sellにsがついてsellsになっています。
例文5:We need time.
| 位置 | 英語 | 日本語 | 役割 |
|---|---|---|---|
| 最初 | We | 私たちは | 誰が |
| 真ん中 | need | 必要とする | どうする |
| 最後 | time | 時間を | 何を |
→ 「私たちは時間が必要だ」
Weは「私たち(2人以上)」なので、needにsはつきません。
例文6:They make products.
| 位置 | 英語 | 日本語 | 役割 |
|---|---|---|---|
| 最初 | They | 彼らは | 誰が |
| 真ん中 | make | 作る | どうする |
| 最後 | products | 商品を | 何を |
→ 「彼らは商品を作っている」
Theyも複数なのでsはつきません。
ここまでのまとめ:
| ルール | 内容 |
|---|---|
| 語順 | 英語は「誰が→どうする→何を」の順番。絶対に変わらない |
| sのルール | 「誰が」がI/You/複数以外の1人のとき、「どうする」にsがつく |
この2つだけです。今日覚えるのはこれだけ。
「どうする」がないパターンもある
ここまでは「読む」「飲む」「売る」のように、動作がある文を見てきました。
でも、「私は学生です」のように、動作がなくて「何であるか」を言いたいときもありますよね。
そんなときに使うのが am / is / are です。
例文7:I am a student.
| 位置 | 英語 | 日本語 | 役割 |
|---|---|---|---|
| 最初 | I | 私は | 誰が |
| 真ん中 | am | = | イコール |
| 最後 | a student | 学生 | 何であるか |
→ 「私は学生です」
am / is / are は「=(イコール)」の役割をしています。
I am a student. は「I = student(私=学生)」ということです。
例文8:She is a manager.
→ She = manager(彼女=マネージャー)
例文9:They are employees.
→ They = employees(彼ら=従業員)
例文10:The report is important.
→ The report = important(その報告書=重要)
この例文は少し違いますね。「何であるか」ではなく「どんな状態か」を表しています。am / is / are の後ろには「何であるか」だけでなく「どんな状態か」も来ます。
- 「何であるか」の例:I am a student.(学生である)
- 「どんな状態か」の例:I am busy.(忙しい)、The report is important.(重要だ)
am / is / are の使い分け
さっきの「sのルール」と似ています。「誰が」の部分で決まります。
| 「誰が」 | 使うもの | 例文 |
|---|---|---|
| I | am | I am a student. |
| He / She / 1人の名前 / 1つのもの | is | She is a manager. / The report is important. |
| You / We / They / 2人以上 | are | We are a team. / They are busy. |
覚え方:「Iだけam、1人ならis、それ以外はare」
動作の文とam/is/areの文を並べて比較すると:
| 文の種類 | 例 | 「どうする」の部分 |
|---|---|---|
| 動作がある文 | She drinks coffee. | drinks(動作を表す) |
| 動作がない文 | She is a manager. | is(=イコールを表す) |
英語の文は、この2パターンのどちらかです。どんなに複雑に見える英文でも、必ずこの2パターンのどちらかに分類できます。
今日の全体まとめ
| # | ポイント | 内容 |
|---|---|---|
| 1 | 英語と日本語の違い | 英語は語順で意味が決まる。助詞(てにをは)がない |
| 2 | 語順のルール | 「誰が→どうする→何を」。この順番は絶対 |
| 3 | sのルール | 「誰が」がI/You/複数以外の1人のとき、「どうする」にsがつく |
| 4 | am/is/areの役割 | 「=(イコール)」。動作がないときに使う |
| 5 | am/is/areの使い分け | Iだけam、1人ならis、それ以外はare |
| 6 | 英語の文は2パターン | 動作がある文(She drinks)か、イコールの文(She is) |
確認問題(10問)
【問題1〜5】次の英文を「誰が / どうする / 何を」に分けて、日本語に訳してください
Q1. I like music.
| 誰が | どうする | 何を |
|---|---|---|
| I | like | music |
| 私は | 好む | 音楽を |
→ 私は音楽が好きだ。
Q2. She writes an email.
| 誰が | どうする | 何を |
|---|---|---|
| She | writes | an email |
| 彼女は | 書く | メールを |
→ 彼女はメールを書く。
※ Sheは1人なのでwriteにsがつく
Q3. We attend the meeting.
| 誰が | どうする | 何を |
|---|---|---|
| We | attend | the meeting |
| 私たちは | 出席する | 会議に |
→ 私たちは会議に出席する。
※ Weは複数なのでattendにsはつかない
Q4. The manager checks the report.
| 誰が | どうする | 何を |
|---|---|---|
| The manager | checks | the report |
| そのマネージャーは | 確認する | 報告書を |
→ そのマネージャーは報告書を確認する。
※ The managerは1人なのでcheckにsがつく
Q5. They sell products.
| 誰が | どうする | 何を |
|---|---|---|
| They | sell | products |
| 彼らは | 売る | 商品を |
→ 彼らは商品を売っている。
※ Theyは複数なのでsellにsはつかない
【問題6〜8】空所にam / is / are のどれを入れますか?
Q6. I ______ a student.
→ am
→ Iだからam。「私は学生です」
Q7. She ______ busy.
→ is
→ Sheは1人だからis。「彼女は忙しい」
Q8. They ______ ready.
→ are
→ Theyは複数だからare。「彼らは準備ができている」
【問題9〜10】次の日本語を英語にしてください。
Q9. 「私たちは英語を勉強する」
→ 誰が?→ We
→ どうする?→ study(Weは複数なのでsはつかない)
→ 何を?→ English
→ We study English.
Q10. 「彼はエンジニアです」
→ 誰が?→ He
→ イコール?→ is(Heは1人なのでis)
→ 何?→ an engineer
→ He is an engineer.
全問のポイント: すべて「誰が→どうする→何を」の語順になっています。間違えた問題があれば、本編を読み直してからもう一度解いてみてください。
単語学習(Day 1)
今日から毎日、英単語を覚えていきます。90日間で約2,400語を覚えます。
「2,400語なんて無理だ」と思いましたか?大丈夫です。1日あたり27語です。しかも初日から27語覚える必要はありません。今日やることは「27個の英単語に目を通す」こと。それだけです。
やり方(毎日同じです):
- 下の単語リストを上から順に見ていきます
- 「英語を見る→日本語の意味を確認する→次へ」。1単語あたり3秒。考え込まず、テンポよく進んでください
- 全単語を1周するのに約1分半です。これを3周してください(約5分)
- 1周目でほとんど覚えられなくて当然です。そもそも初日に覚える必要はありません
- 明日も同じ単語をやります。人間の脳は3回以上出会った情報を「重要だ」と判断して長期記憶に移し始めます。だから1日で覚えようとしないでください。3日間かけて覚えます
やってはいけないこと:
- ノートに書いて覚えようとしない。 書くと1単語30秒かかります。27語で13分。3周で40分。目で見て声に出す方法なら3周で5分です。8倍速いです
- 1語に何分もかけない。 わからなかったら即座に日本語を見て次へ進んでください
- 完璧を目指さない。 27語中5語しか覚えられなくても、それで正常です
Day 1の単語(27語):
今日はまず、英語で最も基本的な単語から始めます。「こんなの知ってるよ」と思う単語もあるかもしれませんが、大事なのは「知っている」ではなく「3秒以内に意味が出てくる」ことです。
| # | 英語 | 意味 | 一言メモ |
|---|---|---|---|
| 1 | the | その | 英語で最も使われる単語。特定のものを指すときに使う |
| 2 | to | 〜へ、〜に | 方向を表す。”go to school”(学校へ行く) |
| 3 | I | 私は | 英語では必ず大文字で書く |
| 4 | a / an | 1つの | 「1つのもの」を表す。次の単語が母音(a,i,u,e,o)で始まるときはan |
| 5 | in | 〜の中に | 空間や期間の「中」を表す。”in the room”(部屋の中に) |
| 6 | and | 〜と、そして | 2つのものをつなげる。”you and I”(あなたと私) |
| 7 | you | あなたは | 1人でも複数人でもyou |
| 8 | is | 〜である | 今日学んだbe動詞の1つ。1人/1つのときに使う |
| 9 | of | 〜の | 所属を表す。”the manager of the team”(チームのマネージャー) |
| 10 | it | それは | 人以外のもの1つを指す |
| 11 | have | 持っている | “I have a pen.”(私はペンを持っている) |
| 12 | for | 〜のために | 目的を表す。”study for the test”(テストのために勉強する) |
| 13 | he | 彼は | 男性1人を指す |
| 14 | she | 彼女は | 女性1人を指す |
| 15 | we | 私たちは | 自分を含む2人以上 |
| 16 | they | 彼らは | 自分を含まない2人以上 |
| 17 | not | 〜ではない | 否定を表す。”I do not know.”(私は知らない) |
| 18 | on | 〜の上に | 何かに接触しているイメージ。”on the desk”(机の上に) |
| 19 | with | 〜と一緒に | “work with Tom”(トムと一緒に働く) |
| 20 | this | これ、この | 近くのものを指す |
| 21 | but | しかし | 前の文と逆のことを言うときに使う |
| 22 | from | 〜から | 起点を表す。”from Tokyo”(東京から) |
| 23 | at | 〜で、〜に | ピンポイントの場所や時間。”at 3 p.m.”(3時に) |
| 24 | like | 好む、〜のような | 動詞で「好む」、前置詞で「〜のような」 |
| 25 | want | 欲しい、〜したい | “I want water.”(水が欲しい) |
| 26 | need | 必要とする | “We need time.”(私たちは時間が必要だ) |
| 27 | make | 作る | “She makes lunch.”(彼女は昼食を作る)← sに注目 |
※ 今日の単語の中に、本編で学んだルールが含まれています
– #8の is → 今日学んだbe動詞(=イコール)
– #27の make → 一言メモに “She makes lunch.” とあります。Sheは1人なのでsがつく
このように、単語と文法は別々のものではなく、つながっています。単語を覚えるときに「あ、これ今日学んだルールだ」と気づけたら、理解が一段深くなります。
やり方(まとめ)
| 順番 | 内容 | 時間 |
|---|---|---|
| ① | 本編を読む。すべての例文を声に出して読む | 30〜40分 |
| ② | 確認問題10問を解く。間違えたら本編を読み直して解き直す | 10〜15分 |
| ③ | 単語27語を3周する | 5〜10分 |
| 合計 | 約50〜65分 |
注意:
– 本編は「読む」だけでなく、例文を声に出して読んでください。 目だけで読むより、口も使った方が記憶に残ります。声が出せない場所なら口パクでもOKです
– 確認問題は7問以上正解できていれば十分です。満点を目指す必要はありません
– 今日の内容を「完璧に覚えた」状態にならなくてもOKです。Day 2以降で何度も触れます
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