なぜやるか
TOEICのPart5・Part6では、文の前か後ろに分詞のカタマリが付く形(分詞構文)が頻出です。
例えば「_____ all the documents, the manager signed the contract.」の空所には Reviewing(分詞)が入ります。これは「全ての書類を確認した後、マネージャーは契約書にサインした」という意味の分詞構文です。
また、Part7のビジネス文書(メール・記事・お知らせ)でも分詞構文が多く使われているため、正確に意味を読み取れることが高得点のカギになります。
このLesson 18を終えると、分詞構文の基本構造と6つの意味パターン(時・原因・条件・譲歩・付帯状況・結果)が読み取れるようになります。
本編
① 分詞構文とは
分詞構文は、接続詞を使わずに「〜しながら」「〜したあとで」「〜なので」などの意味を表す形です。Ving(現在分詞)または Vpp(過去分詞)で始まる語句が文の前か後ろに付きます。
| 種類 | 形 |
|---|---|
| Ving で始まる | Reviewing the data, the team found several errors. |
| Vpp で始まる | Written clearly, the report was easy to understand. |
元の文(接続詞あり): After she reviewed the data, the team found several errors.
分詞構文: Reviewing the data, the team found several errors.
(データを確認したあとで、チームはいくつかの誤りを見つけました)
② 分詞構文の作り方
接続詞と動詞を分詞に変える手順は次の通りです。
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| 1 | 接続詞(when / because / if / after など)を省略する |
| 2 | 主語が主文と同じなら省略する |
| 3 | 動詞を Ving(能動)または Vpp(受動)に変える |
元の文: Because he had no time, he canceled the meeting.
分詞構文: Having no time, he canceled the meeting.
(時間がなかったので、彼は会議をキャンセルしました)
③ 6つの意味パターン
分詞構文は文脈に応じて以下の意味を表します。
| 意味 | 対応する接続詞 | 例 |
|---|---|---|
| ① 時(〜するとき / 〜した後で) | when / after | Entering the office, she greeted everyone. |
| ② 原因・理由(〜なので) | because / since | Not knowing the answer, he stayed silent. |
| ③ 条件(もし〜なら) | if | Taken regularly, this supplement is effective. |
| ④ 譲歩(〜だけれども) | though / although | Feeling tired, she finished the report. |
| ⑤ 付帯状況(〜しながら) | while / as | Smiling, the manager thanked the team. |
| ⑥ 結果(その結果〜) | and | He worked hard, earning a promotion. |
テンのポイント: TOEICでは「意味を問う問題」よりも「分詞構文の形を正しく選ぶ問題」の方が多いです。まず構文の形(Ving / Vpp で文が始まる)を認識することが最優先です。
④ 分詞構文の位置(前置と後置)
分詞構文は文の前にも後ろにも置けます。どちらの場合も意味の読み方は同じです。
| 位置 | 例 |
|---|---|
| 文頭(前置) | Having received the approval, the team started work. |
| 文末(後置) | The team started work, having received the approval. |
Reviewing the proposal carefully, the manager approved it.
(提案書を注意深く確認した後、マネージャーはそれを承認しました)
⑤ 否定の分詞構文(Not + Ving)
分詞構文を否定する場合は、Not を分詞の前に置きます。
Not receiving any response, she sent a follow-up email.
(何も返事がなかったので、彼女はフォローアップメールを送りました)
Not satisfied with the results, the client requested a revision.
(結果に満足せず、クライアントは修正を求めました)
やり方
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| 1 | 本編①〜⑤を通して読む |
| 2 | 6つの意味パターンを確認する(全て覚えなくてもOK。まず「形の認識」を優先) |
| 3 | 確認問題を解く(解説も必ず読む) |
| 4 | 間違えた問題だけもう一度解く |
分詞構文は「文頭に Ving または Vpp が来ている」と気づくことが最初のステップです。
確認問題(10問)
Section A:基本確認(5問)
Q1. 空所に入る適切な語を選んでください。
“_____ the quarterly results, the board decided to increase the marketing budget.”
(四半期の結果を確認した後、取締役会はマーケティング予算を増やすことを決定しました。)
(A) Reviewed (B) Reviewing (C) Reviews (D) Review
Q2. 空所に入る適切な語を選んでください。
“_____ carefully, the data showed a clear upward trend in customer satisfaction.”
(注意深く分析されると、データは顧客満足度の明確な上昇傾向を示しました。)
(A) Analyzing (B) Analyzes (C) Analyzed (D) Analyze
Q3. 空所に入る適切な語を選んでください。
“_____ ahead of schedule, the project team received praise from the management.”
(予定より早く終了し、プロジェクトチームは経営陣から称賛を受けました。)
(A) Finish (B) Finishes (C) Finished (D) Finishing
Q4. 空所に入る適切な語を選んでください。
“_____ enough time to prepare, the team could not deliver the presentation on time.”
(準備する十分な時間がなかったので、チームはプレゼンテーションを時間通りに行えませんでした。)
(A) Not having (B) Not have (C) Not to have (D) Not had
Q5. 空所に入る適切な語を選んでください。
“She reviewed the report twice, _____ several areas that needed improvement.”
(彼女は報告書を2回確認し、その結果いくつかの改善が必要な箇所を発見しました。)
(A) identify (B) identifying (C) identified (D) identifies
Section B:TOEIC Part5形式(5問)
Q6. _____ the client’s specific needs, the team revised the proposal significantly.
(クライアントの特定のニーズを理解したので、チームは提案書を大幅に修正しました。)
(A) Understand (B) Understood (C) Understanding (D) Understands
Q7. The new software update was released last week, _____ efficiency across all departments.
(新しいソフトウェアのアップデートが先週リリースされ、その結果全部門にわたって効率が向上しました。)
(A) improving (B) improved (C) improves (D) improve
Q8. _____ properly, the new filing system will save the team several hours each week.
(適切に使用されれば、新しいファイリングシステムはチームの毎週数時間を節約するでしょう。)
(A) Using (B) Uses (C) Used (D) Use
Q9. _____ no confirmation from the client, the event coordinator began making alternative arrangements.
(クライアントから確認が得られなかったので、イベントコーディネーターは代替の手配を始めました。)
(A) Not receiving (B) Receives (C) Receiving (D) Received
Q10. The manager signed the final contract, _____ the six-month negotiation process.
(マネージャーは最終契約書にサインし、6ヶ月に及ぶ交渉プロセスを終了しました。)
(A) conclude (B) concluded (C) concludes (D) concluding
解答・解説
Section A
Q1. 正解:(B) Reviewing
文頭に分詞構文が来ています。「(取締役会が)四半期の結果を確認する」→ 能動の関係 → Ving(現在分詞) → Reviewing が正解です。
- (A) Reviewed → Vpp(受動)。「結果が確認された」という受動の意味になります。取締役会が確認する側なので能動(Reviewing)が適切です
- (C) Reviews → 3単現のs 付き動詞。分詞構文の形としては使えません
- (D) Review → 動詞の原形。分詞構文の形としては使えません
Q2. 正解:(C) Analyzed
文頭に分詞構文が来ています。「データが(注意深く)分析された」→ 受動の関係 → Vpp(過去分詞) → Analyzed が正解です(Analyzed carefully = 注意深く分析されると)。
- (A) Analyzing → Ving(能動)。「データが分析している」という能動の意味になり文脈に合いません
- (B) Analyzes → 3単現のs 付き動詞。分詞構文の形としては使えません
- (D) Analyze → 動詞の原形。分詞構文の形としては使えません
Q3. 正解:(D) Finishing
文頭に分詞構文が来ています。「(プロジェクトチームが)予定より早く終了する」→ 能動の関係 → Ving(現在分詞) → Finishing が正解です。
- (A) Finish → 動詞の原形。分詞構文の形としては使えません
- (B) Finishes → 3単現のs 付き動詞。分詞構文の形としては使えません
- (C) Finished → Vpp(受動)。「プロジェクトチームが終了された」という受動の意味になり文脈に合いません
Q4. 正解:(A) Not having
否定の分詞構文は Not + Ving の形です。「十分な時間を持っていなかったので」→ Not having が正解です。
- (B) Not have → Not + 動詞の原形。否定の分詞構文は Not + Ving の形です
- (C) Not to have → Not + to V。分詞構文の否定は Not + Ving の形です(to V ではありません)
- (D) Not had → Not + 過去形。否定の分詞構文は Not + Ving の形です
Q5. 正解:(B) identifying
文末に分詞構文(後置)が来ています。「(彼女が)改善箇所を発見した」→ 能動の関係 → Ving(現在分詞) → identifying が正解です(結果:〜して、その結果〜を発見した)。
- (A) identify → 動詞の原形。分詞構文の形としては使えません
- (C) identified → Vpp(受動)。「改善箇所が発見された」という受動の意味になります。彼女が発見する側なので能動(identifying)が適切です
- (D) identifies → 3単現のs 付き動詞。分詞構文の形としては使えません
Section B
Q6. 正解:(C) Understanding
手順① 文の構造を確認します:空所から「the client’s specific needs」まで、そして「the team revised the proposal」という主文が続いています → 文頭に分詞構文が来ています。
手順② 「(チームが)クライアントのニーズを理解する」→ 能動の関係 → Ving(現在分詞) → (C) Understanding が正解です(原因:〜を理解したので)。
- (A) Understand → 動詞の原形。分詞構文の形としては使えません
- (B) Understood → Vpp(受動)。「チームがニーズを理解された」という受動の意味になり文脈に合いません
- (D) Understands → 3単現のs 付き動詞。分詞構文の形としては使えません
文法カテゴリ:分詞構文問題(Ving・能動・原因)
Q7. 正解:(A) improving
手順① 文の構造を確認します:「The new software update was released last week, _____ efficiency」→ 文末に分詞構文(後置)が来ています。
手順② 「(ソフトウェアが)効率を向上させる」→ 能動の関係(ソフトウェアが効率を improve する)→ Ving(現在分詞) → (A) improving が正解です(結果:リリースされ、その結果効率が向上した)。
- (B) improved → Vpp(受動)。文末に置く場合、「効率が向上させられた(受動)」という意味になりますが、文主語「ソフトウェアアップデート」が能動的に efficiency を improve するため Ving が適切です
- (C) improves → 3単現のs 付き動詞。分詞構文の形としては使えません
- (D) improve → 動詞の原形。分詞構文の形としては使えません
文法カテゴリ:分詞構文問題(Ving・能動・結果)
Q8. 正解:(C) Used
手順① 文の構造を確認します:「_____ properly, the new filing system will save the team」→ 文頭に分詞構文が来ています。
手順② 「ファイリングシステムが(適切に)使用される」→ 受動の関係 → Vpp(過去分詞) → (C) Used が正解です(条件:適切に使用されれば)。
- (A) Using → Ving(能動)。「ファイリングシステムが使用している」という能動の意味になり文脈に合いません
- (B) Uses → 3単現のs 付き動詞。分詞構文の形としては使えません
- (D) Use → 動詞の原形。分詞構文の形としては使えません
文法カテゴリ:分詞構文問題(Vpp・受動・条件)
Q9. 正解:(A) Not receiving
手順① 文の構造を確認します:「_____ no confirmation from the client, the event coordinator began」→ 文頭に否定の分詞構文が来ています。
手順② 「(コーディネーターが)確認を受け取らなかったので」→ 否定の分詞構文 = Not + Ving → (A) Not receiving が正解です(原因:確認が得られなかったので)。
- (B) Receives → 3単現のs 付き動詞。分詞構文の形としては使えません
- (C) Receiving → 否定が必要です。「確認を受け取ったので」という肯定の意味になり文脈と逆になります
- (D) Received → Vpp(受動)。否定の分詞構文は Not + Ving の形が必要です
文法カテゴリ:分詞構文問題(否定 Not Ving・原因)
Q10. 正解:(D) concluding
手順① 文の構造を確認します:「The manager signed the final contract, _____ the negotiation process」→ 文末に分詞構文(後置)が来ています。
手順② 「(マネージャーが)交渉プロセスを終了させる」→ 能動の関係 → Ving(現在分詞) → (D) concluding が正解です(結果:サインして、その結果〜を終了した)。
- (A) conclude → 動詞の原形。分詞構文の形としては使えません
- (B) concluded → Vpp(受動)または過去形。「交渉プロセスが終了された(受動)」という意味になりますが、マネージャーが能動的に conclude するため Ving が適切です
- (C) concludes → 3単現のs 付き動詞。分詞構文の形としては使えません
文法カテゴリ:分詞構文問題(Ving・能動・結果)
正解分布: A×3 / B×2 / C×3 / D×2
※ 正解一覧:Q1:B / Q2:C / Q3:D / Q4:A / Q5:B / Q6:C / Q7:A / Q8:C / Q9:A / Q10:D
※ 分布:A×3(Q4,Q7,Q9)/ B×2(Q1,Q5)/ C×3(Q2,Q6,Q8)/ D×2(Q3,Q10)