なぜやるか

TOEICのPart5・Part6では、仮定法(if 節で現実ではない状況を仮定する表現)が出題されます。

例えば「If the company _____ more staff, the project would be completed on time.」では、had(仮定法過去の形)が入ります。「もし〜なら(実際にはそうでない)」という仮定法の意味を理解していないと、通常の過去形と混同してしまいます。

このLesson 25を終えると、仮定法過去(現在の事実に反する仮定)・仮定法過去完了(過去の事実に反する仮定)の形と使い方が正確にわかるようになります。

本編

① 仮定法とは

仮定法は「現実ではない(あるいは実現する可能性が低い)状況を仮定する」表現です。

直説法(事実を述べる)との違い:

種類意味
直説法If + 現在形, 現在形/未来形現実の条件If you work hard, you will succeed.
仮定法If + 過去形, would / could など + V現実ではない仮定If you worked harder, you would succeed.

② 仮定法過去(現在の事実に反する仮定)

現在の事実に反する」状況を仮定するとき、if 節の動詞を過去形にします。

部分
if 節(条件)If + 主語 + 動詞の過去形(be動詞は were)
主節(結果)主語 + would / could / might + 動詞の原形

重要: be動詞は主語に関わらず were を使います(was は口語では使われることもありますが、試験では were が標準です)。

③ 仮定法過去完了(過去の事実に反する仮定)

過去の事実に反する」状況を仮定するとき、if 節の動詞を過去完了形(had + 過去分詞)にします。

部分
if 節(条件)If + 主語 + had + 過去分詞
主節(結果)主語 + would / could / might + have + 過去分詞

④ 仮定法過去 vs 仮定法過去完了の使い分け

種類いつのことを仮定?if 節の動詞主節の動詞
仮定法過去現在の事実に反する仮定過去形(be = were)would / could + V原形
仮定法過去完了過去の事実に反する仮定had + 過去分詞would / could + have + 過去分詞

⑤ without / but for を使った仮定法

if 節を使わず、without(〜がなければ)but for(〜がなければ) で仮定法の意味を表すこともできます。

やり方

ステップ内容
1本編①〜⑤を通して読む
2仮定法過去と仮定法過去完了の「if 節の形」の違いを確認する
3確認問題を解く(解説も必ず読む)
4間違えた問題だけもう一度解く

確認問題(10問)

Section A:基本確認(5問)

Q1. 空所に入る適切な語を選んでください。

Q2. 空所に入る適切な語を選んでください。

Q3. 空所に入る適切な語を選んでください。

Q4. 空所に入る適切な語を選んでください。

Q5. 空所に入る適切な語を選んでください。

Section B:TOEIC Part5形式(5問)

Q6. If the head office _____ the merger earlier, the combined company would currently be in a much stronger position.
(もし本社が合併をもっと早く承認していたなら、合併した会社は現在はるかに強い立場にあるでしょう。)

Q7. _____ the technical issues with the system, the team would have been able to launch the product on schedule.
(システムの技術的な問題がなければ、チームは予定通りに製品を発売できたでしょう。)

Q8. If Mr. Lopez _____ the annual review process, he would have noticed the discrepancy in the financial records sooner.
(もしロペスさんが年次審査プロセスを担当していたなら、財務記録の不一致をもっと早く気づいたでしょう。)

Q9. The client _____ a different vendor if our team had not responded to their inquiry within 24 hours.
(もし私たちのチームが24時間以内に問い合わせに対応していなければ、クライアントは別のベンダーを選んでいたでしょう。)

Q10. If the company _____ more flexible work policies in place, employee satisfaction scores would be significantly higher.
(もしその会社がより柔軟な就業方針を整えているなら、従業員満足度スコアは大幅に高くなるでしょう。)

解答・解説

Section A

Q1. 正解:(C) had

「If the company _____ a larger budget, it could attract」→ 主節に could + 動詞の原形 があるので仮定法過去の形です。仮定法過去の if 節は「動詞の過去形」→ had が正解です(実際には予算が大きくない)。

  • (A) has → 現在形。直説法の条件文(現実の条件)の形になります
  • (B) will have → 未来の形。仮定法では使いません
  • (D) have had → 「have had」は現在完了形。「had + 過去分詞」(仮定法過去完了)とは異なる形です

Q2. 正解:(A) were

「If I _____ the project manager, I would restructure」→ 主節に would + 動詞の原形 があるので仮定法過去の形です。be動詞の仮定法過去は主語に関わらず were を使います。

  • (B) am → 現在形の be 動詞。直説法の形です
  • (C) was being → 過去進行形。仮定法の be 動詞は were です
  • (D) will be → 未来の形。仮定法では使いません

Q3. 正解:(D) had shipped

「If the supplier _____ the order last week, we would have met the deadline」→ 主節に would have + 過去分詞 があるので仮定法過去完了の形です。仮定法過去完了の if 節は「had + 過去分詞」→ had shipped が正解です(実際には先週出荷されなかった)。

  • (A) shipped → 過去形。仮定法過去完了では「had + 過去分詞」の形が必要です
  • (B) would ship → 仮定法過去完了では if 節に would は使いません
  • (C) ships → 現在形。直説法の形です

Q4. 正解:(B) would have been

「The project _____ completed on time if the team had received」→ if 節に had received(過去完了形)があるので仮定法過去完了の形です。主節は「would / could + have + 過去分詞」→ would have been が正解です。

  • (A) will be → 未来形。仮定法過去完了の主節には使いません
  • (C) has been → 現在完了形。仮定法過去完了の主節の形ではありません
  • (D) would be → 仮定法過去の主節の形。if 節が過去完了(had received)なので仮定法過去完了(would have been)が必要です

Q5. 正解:(C) could not

「Without the extra funding, the startup _____ have survived」→ Without(〜がなければ) は仮定法の意味を持ち、「もし追加資金がなければ」という仮定を表しています。「survived できなかったでしょう(過去の仮定)」→ could not have survived(仮定法過去完了の否定形)が正解です。

  • (A) will not → 未来の否定形。仮定法の have + 過去分詞とは組み合わせられません(「will not have survived」は未来完了の否定で文脈に合いません)
  • (B) does not → 現在形の否定。「does not have survived」は文法的に成立しません
  • (D) had not → 「had not have survived」は文法的に成立しません(had not の後ろには過去分詞が来るべきで、have + 過去分詞は続けられません)

Section B

Q6. 正解:(D) had approved

手順① 文の構造を確認します:「If the head office _____ the merger earlier, the combined company would currently be(現在〜であるでしょう)」→ 主節は would + 現在の動詞の形(現在の仮定)ですが、if 節は「earlier(もっと早く)」という過去の仮定を示しています。

手順② 過去の事実に反する仮定 → if 節は「had + 過去分詞」→ (D) had approved が正解です(実際には承認が早くなかった)。

  • (A) approve → 動詞の原形。仮定法の形ではありません
  • (B) will approve → 未来形。仮定法では使いません
  • (C) approves → 現在形。直説法の条件文の形です

文法カテゴリ:仮定法問題(仮定法過去完了・if 節)

Q7. 正解:(A) Without

手順① 文の構造を確認します:「_____ the technical issues, the team would have been able to launch」→ 主節に would have been able(仮定法過去完了)があります。「技術的な問題がなければ(実際には問題があった)」という仮定が必要です。

手順② 「〜がなければ」= without が仮定法の意味を持つ前置詞として使えます → (A) Without が正解です(実際にはシステムに技術的な問題があり、予定通りの発売ができなかった)。

  • (B) Despite → 「〜にもかかわらず」という意味。仮定(〜がなければ)の意味は表しません
  • (C) Although → 「〜だけれども」という意味の接続詞。前置詞ではなく、後ろに節が必要です
  • (D) Because of → 「〜のために(原因)」という意味。仮定(〜がなければ)の逆の意味になります

文法カテゴリ:仮定法問題(without を使った仮定法)

Q8. 正解:(C) had overseen

手順① 文の構造を確認します:「If Mr. Lopez _____ the annual review, he would have noticed the discrepancy sooner」→ 主節に would have noticed(仮定法過去完了)があります。

手順② 仮定法過去完了の if 節 → 「had + 過去分詞」→ (C) had overseen が正解です(実際にはロペスさんが年次審査を担当しなかった)。

  • (A) oversee → 動詞の原形。仮定法の形ではありません
  • (B) would oversee → 仮定法過去完了では if 節に would は使いません
  • (D) oversees → 現在形。直説法の形です

文法カテゴリ:仮定法問題(仮定法過去完了・if 節)

Q9. 正解:(B) would have chosen

手順① 文の構造を確認します:「The client _____ a different vendor if our team had not responded(対応していなければ)」→ if 節に had not responded(過去完了の否定形)があるので仮定法過去完了の形です。

手順② 仮定法過去完了の主節 → 「would + have + 過去分詞」→ (B) would have chosen が正解です(実際にはチームが対応したため、クライアントは別のベンダーを選ばなかった)。

  • (A) would choose → 仮定法過去の主節の形(would + V原形)。if 節が過去完了なので仮定法過去完了(would have chosen)が必要です
  • (C) had chosen → 過去完了形。主節には would + have + 過去分詞の形が必要です
  • (D) chose → 過去形。直説法の形です

文法カテゴリ:仮定法問題(仮定法過去完了・主節)

Q10. 正解:(A) had

手順① 文の構造を確認します:「If the company _____ more flexible work policies in place, employee satisfaction scores would be significantly higher」→ 主節に would be(仮定法過去の主節形)があります。

手順② 仮定法過去の if 節 → 「動詞の過去形」→ have の過去形 had(A) had が正解です(実際には十分に柔軟な就業方針がない)。

  • (B) has had → 現在完了形。仮定法では使いません
  • (C) will have → 未来形。仮定法では使いません
  • (D) having → 動名詞・現在分詞。if 節の動詞として使えません

文法カテゴリ:仮定法問題(仮定法過去・if 節)

正解分布: A×3 / B×2 / C×3 / D×2

※ 正解一覧:Q1:C / Q2:A / Q3:D / Q4:B / Q5:C / Q6:D / Q7:A / Q8:C / Q9:B / Q10:A