なぜやるか
Lesson 7 で学んだ can / may / must / should は助動詞の基本です。Lesson 8 では、TOEICで実際に出題される慣用的な助動詞表現を学びます。
had better(〜した方がよい)や used to(かつて〜した)は、Lesson 7 の表現とは形が異なるため、初めて見ると戸惑う人が多いです。また「should have Vpp(〜すべきだったのに)」など、過去の出来事を後悔・推察する表現はPart5・Part6で出題されます。
このLesson 8を終えると、had better / used to / would rather などの慣用表現と、should have / must have Vpp などの「過去への推測」表現を正確に使えるようになります。
本編
① had better と ought to
| 表現 | 意味 | 形 |
|---|---|---|
| had better + 原形 | 〜した方がよい(しないと問題が起きる) | had better V原形 |
| had better not + 原形 | 〜しない方がよい | had better not V原形 |
| ought to + 原形 | 〜すべきだ(= should) | ought to V原形 |
You had better submit the report before the deadline.
(締め切り前に報告書を提出した方がよいです)
You had better not be late for the client meeting.
(クライアントとの会議に遅刻しない方がよいです)
注意: had better は「〜した方がよい(しないと困ったことになる)」という警告のニュアンスです。should より強い表現です。
② used to と be used to
この2つは形が似ていますが意味がまったく異なります。
| 表現 | 意味 | 形 |
|---|---|---|
| used to + 原形 | かつては〜した(今はそうではない) | used to V原形 |
| be used to + Ving | 〜することに慣れている | be used to Ving |
Our company used to hold quarterly in-person meetings.
(当社はかつて四半期ごとに対面会議を開いていました)→ 今は違う
The new manager is used to handling overseas clients.
(新しいマネージャーは海外クライアントの対応に慣れています)
テンのポイント: used to の後ろは動詞の原形、be used to の後ろは Ving です。この区別がPart5で問われます。
③ would rather
| 表現 | 意味 |
|---|---|
| would rather + 原形 | むしろ〜したい |
| would rather + 原形 + than + 原形 | 〜するよりもむしろ〜したい |
| would rather not + 原形 | むしろ〜したくない |
I would rather discuss this issue in person than by email.
(メールよりも直接この問題を話し合いたいです)
④ 過去の出来事を後悔・推察する表現
「助動詞 + have + 過去分詞(Vpp)」の形で、過去の出来事に対する推測や後悔を表します。
| 表現 | 意味 |
|---|---|
| should have Vpp | 〜すべきだったのに(しなかった)→ 後悔 |
| should not have Vpp | 〜すべきではなかったのに(してしまった)→ 後悔 |
| must have Vpp | 〜したに違いない → 過去への確信的推測 |
| may have Vpp | 〜したかもしれない → 過去への推測 |
| cannot have Vpp | 〜したはずがない → 過去への否定的推測 |
例文(オリジナル)
We should have confirmed the delivery date in advance.
(事前に納品日を確認すべきだったのに)→ 確認しなかった後悔
The email notification must have been sent to the wrong address.
(メール通知は間違ったアドレスに送られたに違いありません)→ 過去への推測
He cannot have forgotten the meeting. He confirmed it yesterday.
(彼が会議を忘れたはずがありません。昨日確認したのですから)→ 否定的推測
⑤ 慣用表現まとめ
| 表現 | 意味 |
|---|---|
| had better V | 〜した方がよい(警告) |
| ought to V | 〜すべきだ(= should) |
| used to V | かつては〜した |
| be used to Ving | 〜に慣れている |
| would rather V | むしろ〜したい |
| should have Vpp | 〜すべきだったのに(後悔) |
| must have Vpp | 〜したに違いない(推測) |
| may have Vpp | 〜したかもしれない(推測) |
| cannot have Vpp | 〜したはずがない(推測) |
やり方
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| 1 | 本編①〜⑤を通して読む |
| 2 | used to V と be used to Ving の違いを声に出して説明できるか確認する |
| 3 | 確認問題を解く(解説も必ず読む) |
| 4 | 間違えた問題だけもう一度解く |
「助動詞 + have + Vpp」の形は、Lesson 6で学んだ現在完了の形(have + Vpp)が助動詞と組み合わさったものです。過去に対する話だと意識しましょう。
確認問題(10問)
Section A:基本確認(5問)
Q1. 空所に入る適切な語を選んでください。
“You _____ leave your laptop unattended in a public place.”
(公共の場でノートパソコンをその場に放置しない方がよいです。)
(A) had better not (B) had not better (C) better not had (D) not had better
Q2. 空所に入る適切な語を選んでください。
“Ms. Yamada _____ manage a large team, but now she leads a small project group.”
(山田さんはかつて大きなチームを管理していましたが、今は小さなプロジェクトグループを率いています。)
(A) is used to managing (B) would rather manage (C) had better manage (D) used to manage
Q3. 空所に入る適切な語を選んでください。
“We _____ the client about the delay earlier. They were very upset.”
(私たちは遅延についてもっと早くクライアントに連絡すべきだったのに。先方はとても怒っていました。)
(A) should notify (B) must notify (C) should have notified (D) must have notified
Q4. 空所に入る適切な語を選んでください。
“The project manager is _____ working under tight deadlines.”
(そのプロジェクトマネージャーはタイトな締め切りの中での作業に慣れています。)
(A) used to (B) would rather work under (C) used to working under (D) used to work under
Q5. 空所に入る適切な語を選んでください。
“The invoice _____ sent to the wrong department. No one in our team received it.”
(請求書は間違った部署に送られたに違いありません。チームの誰も受け取っていませんでした。)
(A) should have been (B) must have been (C) may have been (D) cannot have been
Section B:TOEIC Part5形式(5問)
Q6. The new employee _____ dealing with customer complaints, as she worked in a call center for three years.
(新入社員は3年間コールセンターで勤務していたので、顧客クレームへの対応に慣れています。)
(A) used to deal (B) would rather deal (C) is used to dealing (D) had better deal
Q7. Our company _____ provide free shuttle service to the station, but the service was discontinued last year.
(当社はかつて駅まで無料シャトルサービスを提供していましたが、昨年廃止されました。)
(A) is used to providing (B) used to provide (C) had better provide (D) ought to provide
Q8. The team _____ the contract terms more carefully before signing. Several issues arose after the agreement.
(チームは署名前に契約条件をもっと注意深く確認すべきだったのに。合意後にいくつかの問題が生じました。)
(A) should have reviewed (B) should review (C) must review (D) must have reviewed
Q9. You _____ tell the client about the pricing change before the meeting. It would have avoided the confusion.
(会議の前にクライアントに価格変更を伝えた方がよかったのに。混乱を避けられたはずです。)
(A) ought to have told (B) used to tell (C) would rather tell (D) had better tell
Q10. Mr. Park _____ submitted the report already; he mentioned finishing it last night.
(パク氏はすでに報告書を提出したに違いありません。昨夜終わらせたと言っていました。)
(A) cannot have (B) may not have (C) should not have (D) must have
解答・解説
Section A
Q1. 正解:(A) had better not
「〜しない方がよい」= had better not + 動詞の原形の形です。
- (B) had not better → had better の否定は had better not の語順です。had not better という形は誤りです
- (C)(D) → better と had の語順が逆です。had better が正しい語順です
Q2. 正解:(D) used to manage
「かつては〜していた(今は違う)」= used to + 動詞の原形の形です。「now she leads〜(今は率いている)」から、過去とは違うことがわかります。
- (A) is used to managing → 「〜することに慣れている」という意味になり、「かつて〜していた」ではありません
- (B) would rather manage → 「むしろ〜したい」という意味になり、文脈に合いません
- (C) had better manage → 「〜した方がよい(警告)」という意味になり、文脈に合いません
Q3. 正解:(C) should have notified
「〜すべきだったのに(しなかった)」= should have + Vppの形です。「They were very upset.(先方は怒っていた)」から、過去に通知しなかったことへの後悔を表しています。
- (A) should notify → 現在・未来に「通知すべきだ」という意味になり、過去の後悔を表しません
- (D) must have notified → 「通知したに違いない」という過去への推測になり、後悔の意味になりません
Q4. 正解:(C) used to working under
「〜に慣れている」= be used to + Vingの形です。「is _____ working under tight deadlines」→ is + (be used to Ving) の構造で、used to working under が正解です。
- (A) used to → 「かつては〜していた」という過去の習慣の意味になります(後ろは動詞の原形が必要)
- (B) would rather work under → 「むしろ〜したい」という意味になり、文脈に合いません
- (D) used to work under → 「かつてタイトな締め切りで働いていた(今は違う)」という意味になり、文脈に合いません
Q5. 正解:(B) must have been
「〜したに違いない」= must have + Vppの形です。「No one in our team received it.(誰も受け取っていない)」という証拠から確信的に推測しています。
- (A) should have been → 「〜であるべきだったのに(後悔)」という意味になり、証拠からの推測には合いません
- (C) may have been → 「〜だったかもしれない」という弱い推測。誰も受け取っていないという確かな証拠があるため、確信度の高い must have が適切です
- (D) cannot have been → 「〜だったはずがない」という否定的推測になり、文脈と逆になります
Section B
Q6. 正解:(C) is used to dealing
手順① 文の意味を確認します:「3年間コールセンターで働いていたので、クレーム対応に慣れている」→ be used to Ving(〜に慣れている)が必要です。
手順② 主語 “The new employee”(単数)+ is used to Ving → is used to dealing が正解です。
- (A) used to deal → 「かつてクレーム対応をしていた(今は違う)」という意味になり、慣れているという文脈に合いません
- (B) would rather deal → 「むしろクレーム対応をしたい」という意味になり、文脈に合いません
- (D) had better deal → 「クレーム対応をした方がよい(警告)」という意味になり、文脈に合いません
文法カテゴリ:助動詞問題(be used to Ving)
Q7. 正解:(B) used to provide
手順① 文の意味を確認します:「かつてシャトルサービスを提供していた(昨年廃止)」→ used to + 原形(かつては〜した)が必要です。
手順② 過去の習慣(今は違う)= used to provide が正解です。
- (A) is used to providing → 「シャトルサービスの提供に慣れている」という意味になり、かつての習慣を表しません
- (C) had better provide → 「提供した方がよい(警告)」という意味になり、文脈に合いません
- (D) ought to provide → 「提供すべきだ」という義務の意味になり、過去の習慣を表しません
文法カテゴリ:助動詞問題(used to)
Q8. 正解:(A) should have reviewed
手順① 文の意味を確認します:「署名前に確認すべきだったのに(問題が起きた)」→ should have + Vpp(〜すべきだったのに)が必要です。
手順② 過去の後悔(しなかったことへの後悔)= should have reviewed が正解です。
- (B) should review → 現在・未来に「確認すべきだ」という意味になり、過去の後悔を表しません
- (C) must review → 「確認しなければならない(現在)」という義務になり、文脈に合いません
- (D) must have reviewed → 「確認したに違いない(推測)」という意味になり、後悔の文脈に合いません
文法カテゴリ:助動詞問題(should have Vpp)
Q9. 正解:(A) ought to have told
手順① 文の意味を確認します:「会議前に伝えるべきだった(混乱を避けられたはず)」→ 過去の後悔を表す表現が必要です。
手順② 「〜すべきだったのに(しなかった)」= ought to have + Vpp が正解です(= should have told と同じ意味)。
- (B) used to tell → 「かつてよく伝えていた(過去の習慣)」という意味になり、後悔を表しません
- (C) would rather tell → 「むしろ伝えたい(現在の希望)」という意味になり、過去の出来事への言及になりません
- (D) had better tell → 「伝えた方がよい(現在への警告)」という意味になり、過去の後悔を表しません
文法カテゴリ:助動詞問題(ought to have Vpp)
Q10. 正解:(D) must have
手順① 文の意味を確認します:「昨夜終わらせたと言っていた → すでに提出したに違いない」→ 過去への確信的推測 = must have + Vpp が必要です。
手順② 確信的推測(〜したに違いない)= must have が正解です。
- (A) cannot have → 「提出したはずがない(否定的推測)」という意味になり、文脈と逆になります
- (B) may not have → 「提出していないかもしれない(弱い否定的推測)」という意味になり、文脈に合いません
- (C) should not have → 「提出すべきではなかったのに(後悔)」という意味になり、文脈に合いません
文法カテゴリ:助動詞問題(must have Vpp)
正解分布: A×3 / B×2 / C×3 / D×2