このページでは、TOEIC300点〜400点の勉強法を解説します。
TOEIC300点を取れているということは、中学レベルの英語の基礎が徐々に身についてきています。
ここからやるべきことは、英語の基礎をさらに固めつつ、少しずつTOEIC対策に入っていくことです。
おすすめの参考書
TOEIC300点〜400点に上げる段階でおすすめしている参考書は6つです。
ターゲット中学英単語1800がおすすめな理由
- 英文を読む/聞くために必須の中学レベルの基本単語がまとまっているから
- 「出る順」で英単語を覚えられて、最速で英文を読める&聞けるようになるから
- theやI、toといった超基本の英単語から載っていて、初心者でも使いやすいから
銀のフレーズがおすすめな理由
- TOEICに超頻出の英単語だけが載っていて暗記効率が抜群に高いから
大岩のいちばんはじめの英文法がおすすめな理由
- わかりやすいから
- 1冊でTOEICに必要な英文法基礎の大部分が詰まっているから
- 問いかけや「〜だよね」という口調のおかげで読み進めやすいから
英語長文レベル別問題集3 標準編がおすすめな理由
- 問題を解く感覚を身につけられるから
- 程よい難易度・長さの長文問題で英語を読むことに対する抵抗感を無くせるから
- 音声付きでリスニング対策もできるから
初心者特急 パート1・2がおすすめな理由
- 問題の特徴や解き方が詳しく解説されているから
- 本番より易しいレベルの問題で挫折することなくPart1・2を解く力を着実に身につけられるから
文法問題はじめの400問がおすすめな理由
- 問題の特徴や解き方が詳しく解説されているから
- 本番より易しいレベルから問題を解いて、挫折することなくPart5を解く力を着実に身につけられるから
- 問題量が多くPart5で重要な「演習経験」をたくさん積めるから
勉強法
ここからはTOEIC300点〜300点に上げるための勉強法を解説します。
①中学レベルの英単語を覚える
まずやるべきことは中学レベルの英単語を覚えることです。中学レベルの英単語はどの英文にも頻出です。中学レベルの英単語がわからない状態でレベルの高い英単語を覚えたところで、英文は読めないし聞けません。
おすすめの英単語帳は、先ほど紹介した「ターゲット中学英単語1800」です
英単語の効率的な覚え方は以下の通りです。
- 1日100単語を英単語→意味の順で3〜5回反復する
- テストする
- テストで8〜10割正答できれば合格で次の100単語へ、7割以下であれば翌日も同じ100単語を反復
まず、英単語を効率的に覚えるには「反復」がとにかく重要です。英単語を何度も何度も繰り返し目にすることで、だんだんと英単語が記憶に定着していきます。
TOEIC初心者がやりがちな単語暗記法が「1日10単語ずつ覚えていく」という方法です。この覚え方が絶対に間違っているわけではありません。しかし、「効率」という観点で考えるとおすすめしません。なぜかというと、人は忘れる生き物だからです。
その日は10単語を覚えられたとしても、翌日には覚えた英単語の大部分を忘れてしまいます。
ですから、英単語を覚えるときは必ず「反復」を意識しましょう。これを意識するだけで驚くほど英単語が覚えやすくなります。
では具体的に1日にどれくらいの英単語を反復するのかというと、目安は100単語です。100単語を1サイクルとして、毎日3〜5回以上、英単語→意味の順でスピーディーに目を通していきましょう。
「100単語もやるの!?」と驚いたかもしれません。というか、驚かない方が不思議です。
もし不安なら、20単語や30単語というように少ない単語数でサイクルを回してもOKです。そして「単語って簡単に覚えられるじゃん!」と思えるようになったら、徐々に単語数を増やしていきましょう。
さて、3〜5回以上サイクルを回したら、テストしましょう。
ランダムなページを開いて、見開きに含まれている単語のうち8〜10割正答できたら合格です。翌日からは次の100単語でサイクルを回しましょう。
逆に、7割以下の正答率だったら不合格です。翌日も同じ100単語でサイクルを回しましょう。
最後に、注意点というか、反復する前にやってほしいことが1つだけあります。
それは、発音の確認です。英単語のスペルと意味を知っていたとしても、発音がわからなければ聞き取りができません
よって、その英単語を始めてみるときは、音声を聞いて発音を確認しましょう。
また、はじめて英単語を見るときだけでなく、発音がわからないと少しでも感じたときは、すかさず発音を再確認しましょう。発音が曖昧なまま単語学習を続けると、自分で勝手な発音を作り上げてしまうことがあります。そして、それは大抵間違った発音です。間違った発音が定着すると、音声が聞き取れなくなります。
なので、少しでも発音が不明だと感じたら、すぐに音声を聞き直して、発音を確認してください。
②英文法を勉強する
英単語と並行して英文法を勉強しましょう。
英単語をどれだけ覚えても、英文法がわからなければ英文の構造を正しく捉えられないので、英文は読めないし聞けません。
おすすめの英単語帳は、先ほど紹介した「大岩のいちばんはじめの英文法」です
しかし、TOEICにおいては、網羅系の参考書は確実にオーバーワークになります。TOEICでは、深い英文法の知識は問われないからです。
網羅系の参考書だと、1周するのに時間がかかります。よって、読み進める途中で最初に勉強した内容を忘れてしまう可能性が高いです。また、どこが重要でどこが重要なのかが分かりづらいのも難点です。さらに、ページ数が多いので、勉強している途中で「まだこれだけページが残っているのか…」と挫折するリスクも高くなります。
よって、TOEICの勉強をするなら、分厚い参考書は使うのはやめましょう。
大岩のいちばんはじめの英文法の使い方ですが、正直特別なことは何もありません。
通常通り前から順番に読んでいきましょう。合計で3周すれば、英文法の理解がぐっと深まります。
ただし、参考書を読み進める際に意識して欲しいことが2つあります。
- なるべく短期間で読み進めること
- わからない点は一旦読み飛ばしてしまうこと
まず1つ目「なるべく短期間で読み進める」について、短期間で読んだ方が、各項目をリンクさせながら勉強できます。逆に、長い期間をかけて読んでしまうと、前半で学んだ内容を忘れてしまい、後半のページが理解できなくなる可能性があります。そして結局最初から読み直す、みたいなことになって、かえって時間が余分にかかってしまいます。
なので、期間を短く設定して、一気に読み進めてしまうのがおすすめです。可能なら、1日で1周一気に読み切りましょう。1周終わらせることで、「参考書を終わらせる達成感」も味わえます。
次に2つ目「わからない点は一旦読み飛ばす」について、この参考書はとてもわかりやすいですが、それでも理解できない部分が出てくるはずです。経験上、わからない部分が出てきたとき、その場で考えても大体わからないままです。なので、わからない部分は読み飛ばして、次のページからまた読み進めちゃってOKです。次のページを見たり、問題を解いたりすることですんなりわかることもよくあります。
よって、神経質になりすぎることなく、読み進めていきましょう。
③簡単な長文問題を解く
英文法の勉強が終盤に入ったら次の段階です。簡単な長文問題を解きましょう。
おすすめの問題集は、先ほど紹介した「英語長文レベル別問題集3 標準編」です。
問題集の基本の使い方は以下の通りです。
- わからない単語や文法はネット等で調べながら問題を解く
- 丸付け&解答解説を読む
- (できれば全文訳)
- リピーティングorオーバーラッピング
①と②については良いと思います。ただ、③・④についてはわからないと思うので補足します。
③できれば全文訳
全文訳とは、その名の通り英文を訳す勉強方法です。問題文全てを、単語や文法も調べながら自分なりに訳してみてください。
全文訳を行うことで、単語の意味を適切に当てはめられるようになり、文構造を正確に捉えられるようになります。
つまり、全文訳は精読力を鍛えられる勉強法なんです。
全文訳の手順は以下の通りです。
- スマホやパソコンのメモ帳などに訳を打ち込んでいく
- 解答の訳と自分の訳を比較する
- 訳がかけ離れている部分は原因を特定して修正する
④リピーティングorオーバーラッピング
まずリピーティングというのは、「音声をキリの良い場所で停止し、同じ内容を口頭で繰り返す」という練習法です。
リピーティングをする目的は主に2つあります。
- 「英語を聞くこと」に対する抵抗感を無くすこと
- 正しい発音を習得すること
リピーティングの具体的なやり方は以下の通りです。
- 英文の文構造(文型)を確認する
- 和訳を確認する
- 音声を一度通しで聞く
- キリの良いところで音声を止めながら、音声を真似するように発音
- 1つの英文あたり10〜15回を目安に行う
また、リピーティングに慣れてきたら、負荷を上げてオーバーラッピングにも挑戦しましょう。
オーバーラッピングというのは、スクリプト(音声の書き起こし)を見ながら音声に重ねるように発音する練習方法です。
オーバーラッピングを行う目的は主に2つあります。
- 正しい発音を習得すること
- どんどん流れてくる英文のスピードについていけるようになること
オーバーラッピングのやり方は以下の通りです。
- 和訳を確認する
- 音声を一度通しで聞く
- 音声を流し、スクリプト(音声の書き起こし)を見ながら音声に重ねるように発音する
- 1つの英文あたり10〜15回を目安に行う
④TOEIC頻出の英単語を覚える
さて、ここからは徐々にTOEIC対策に入っていきます。
まずは単語です。最初は「中学レベルの英単語を覚えよう」ということでしたが、中学レベルが覚えられたら次は「TOEICに頻出の単語」を覚えてください。
おすすめの英単語帳は、先ほど紹介した「銀のフレーズ」です。
銀のフレーズにはTOEIC超頻出の英単語だけが載っています。よって、銀のフレーズを使えば、TOEICの英文がどんどん読める&聞けるようになります。
ときどき「大学受験用(もしくは英検用)の英単語帳でも良いですか?」と質問が来ますが、僕はやめた方が良いと答えています。なぜかというと、大学受験・英検とTOEICに出る単語の種類が異なるからです。大学受験・英検の英単語帳を使ってしまうと、TOEICには出ない英単語まで覚えることになり学習効率が落ちます。よって、「銀のフレーズ」などTOEIC特化の英単語帳を使ってください。
単語の覚え方は「①中学レベルの英単語を覚える」で説明したのと同様です。
- 1日100単語を英単語→意味の順で3〜5回反復する
- テストする
- テストで8〜10割正答できれば合格で次の100単語へ、7割以下であれば翌日も同じ100単語を反復
また、はじめて英単語を見るときは発音を確認することを忘れないでください。銀のフレーズを使う場合は規定のアプリがあるので、そちらを利用しましょう。
ここからはちょっと話が変わります。銀のフレーズには以下のような補足的な英単語集がついています。(目次参照)
- 設問に出る単語・表現
- パート1重要語50
- 注意すべき日常単語
- 前置詞・接続詞・接続副詞
- 部署・職業・専攻名
- 定型表現100
ただ、全部覚えるのは大変です。よって、以下の3つを覚えることを目指しましょう。
- 設問に出る単語・表現
- パート1重要語50
- 前置詞・接続詞・接続副詞
まず、設問に出る単語・表現については、本当に設問によく出ます。100%出ると言っても過言ではありません。覚えていないと設問の疑問文が理解できないので、ここは必ず覚えてください。25単語しかないのですぐに覚えられると思います。
次にパート1重要語50について、ここを覚えておくとPart1が驚くほど解きやすくなります。
最後に前置詞・接続詞・接続副詞については、英文の流れを把握するために重要です。リーディングにも前置詞や接続詞の知識を問う問題が出てくるので、まとめて覚えてしまいましょう。
⑤Part1・2対策
TOEICリスニングにはPart1〜Part4まであります。このうち、Part1・2は短文、Part3・4は長文の音声が流れます。
Part3・4の長文音声は、現段階だとかなり難しく感じるはずです。よって、しばらくはPart1・2に絞って対策しましょう。
おすすめの参考書は「初心者特急パート1・2」です。
初心者特急の具体的な使い方は以下の通りです。
- ユニットごとに問題を解いていく(ユニットごとに問題パターンが分かれているため)
- 問題を解いたら復習
復習のやり方はPart1とPart2でそれぞれ異なります。
Part1の復習のやり方
Part1の復習のやり方は以下の通りです。
- わからない単語・表現をチェックする
- 聞き取れない箇所は聞き取れるようになるまで聞き直す
Part1において、聞き取り能力はもちろん大切なんですが、「単語・表現をどれくらい知っているか」が非常に重要です。
よって①を通じて、Part1によく出てくる単語・表現を地道に身につけてください。
Part2の復習のやり方
Part2の復習のやり方は以下の通りです。
- ディクテーション
- 聞き取れない箇所は聞き取れるようになるまで聞き直す
ディクテーションというのは、音声を聞きながら英文・単語を掻き取る練習方法です。
- 正しい発音が身につく
- 聞き取りの集中力が身につく
- 自分が聞き取れない箇所が明確になる
といった効果があります。
ディクテーションの具体的なやり方は以下の通りです。
- 音声を1度聞いて大まかな内容を把握する
- 1回1回音声を止めながら書き取る
- 繰り返し再生して「もう無理」というところまで書き取ったら次の文に
- スクリプトと書き取りを照らし合わせる
- 「書き取りが間違ってた部分」「書き取れなかった部分」は聞き取れるようになるまで聞き直す
※固有名詞(人・会社・街の名前など)は書き取れなくてOKです。
⑥Part5対策
TOEICリーディングにはPart5〜Part7まであります。このうち、Part5は問題が短文で、形式がシンプルで圧倒的に対策しやすいです。
よって、TOEIC400点を目指す段階ではPart5に絞って対策しましょう。
ちなみに、Part5対策をするメリットは、ただ単にPart5の正答率が上がるだけではありません。Part5対策にはこんなメリットもあります。
- 形式が似ているPart6対策にもつながる
- Part5・6の解答スピードが上がって長文のPart7に使える時間が増える
- 英文法の理解が深まる&知識を記憶から引き出しやすくなる
おすすめの参考書は「文法問題 はじめの400問」です。
問題の解き進め方は以下の通りです。
- わからない単語や文法を調べながら解く
- 解答解説を確認する
- 自分なりに訳す(頭の中で訳せばOK)
- 解答の訳と比較して修正する
また、問題を解く順番を工夫して、以下の順番で解くとより効率的に力が身につきます。
- 前置詞or接続詞問題
- 前置詞問題
- 代名詞問題
- 関係代名詞問題
- 品詞問題
- 動詞問題
品詞問題(第1章)や動詞問題(第2章)ではなく、「前置詞or接続詞問題」など(第3章以降)を最初に演習するべき理由は4つあります。
- 比較的簡単で、演習すればすぐに解けるようになるため
- 出題数が多く、大きな得点源になるため(スコアアップを実感しやすい)
- 問題数が少なく「章を終わらせた達成感」を味わいやすいため(モチベアップにつながる)
- 文法理解が深まり英文が読みやすく&聞き取りやすくなるため
まとめ
「TOEIC300点〜400点」でやるべきことは、中学レベルの基礎を固めつつ、徐々にTOEIC対策を始めることです。
おすすめの参考書は6つです。
具体的な勉強法は以下の通りです。
- 中学レベルの英単語を覚える
- 英文法を勉強する
- 簡単な長文問題を解いて英語に慣れる
- TOEIC頻出の英単語を覚える
- Part1・2・5に絞って対策する
ここまでしっかり実践すれば、TOEIC400点レベルには到達できるはずです。450点、なんなら500点を突破するのも不可能ではありません。