「Part7が終わらない。いつも10問以上塗り絵になる」
「単語も文法もやったのに、リーディングだけ伸びない」
先に結論をまとめて書いちゃいますね。
- リーディングは低くて当たり前(受験者平均でLより58点低い)。原因を特定した分だけ動く
- 伸びない原因は5つ。まず「時間無制限判定法」でスピード不足か読解力不足かを切り分ける
- 対策の順番はPart5 → Part6 → Part7。土台の文法・語彙が全パートに効くから
- 勉強法は単語→文法→精読→再読・音読→スピードの順。スピードを最初に求めると崩れる
- テクニックより先に「読める」を作る。読めれば解けます。解く練習で読めるようにはなりません
この記事は、リーディング対策の全体戦略をまとめた記事です。各Partの具体的な解き方(Part5の出題パターン・Part7の設問7タイプなど)は専用記事に分けてあります。まずこの記事で「何をどの順でやるか」を決めて、各Partの記事に進んでください。
筆者のTOEICスコアは975点(リスニング495点・リーディング480点)です。独学・留学経験なしで、100人以上を指導した経験をもとに解説します。

TOEICリーディングの基本情報【平均はリスニングより58点低い】
まずは前提を短く確認します。リーディングセクションは75分・100問で、3つのパートに分かれています。
| パート | 形式 | 問題数 | 攻略記事 |
| Part5 | 短文穴埋め(文法・語彙) | 30問 | Part5対策【出題パターン】 |
| Part6 | 長文穴埋め(文挿入あり) | 16問 | Part6対策【文挿入問題】 |
| Part7 | 長文読解(1つの文書29問+複数の文書25問) | 54問(最多) | Part7対策【設問7タイプ】 |
単純計算で、1問にかけられるのは1分未満。しかもリスニングと違って音声が進行を管理してくれないので、75分の使い方はすべて自分の責任になります。リーディングは、自分から読まない限り1ミリも進まないセクションです。
「リーディングが低い」のは普通のこと
IIBCが公表している2025年度のデータでは、公開テストの平均点はリスニング337点・リーディング279点。同じ受験者が受けて、Rのほうが58点低いのが標準です。
理由ははっきりしています。リーディングは語彙のレベルが高く、時間制限が厳しいからです。Part7の54問を最後まで解き切れる受験者のほうが少数派で、「塗り絵」(残り問題を適当にマークすること)が当たり前に起きています。
だから、R低迷は「英語力がない」の証明ではありません。
全員が苦しんでいる場所で、原因を特定して順番どおりに潰した人から抜け出していく——リーディングはそういうセクションです。
なお、総合スコアを最短で上げたいなら先にリスニングから伸ばすのが定石です(平均が58点高い=同じ努力で先に返ってくるため)。リスニング側の全体戦略は「TOEICリスニング対策を975点が完全解説【聞き取れない原因の診断・スコア別レベル・順番・Part別攻略】」にまとめています。
伸びない原因は5つ【時間無制限判定法で切り分ける】
リーディング対策で一番もったいないのは、原因を特定せずに「とにかく多読」「とにかく模試」と量に走ることです。原因が違えば、やるべき練習がまったく違います。
まず「時間無制限判定法」で自分の位置を知る
やり方は簡単です。一度時間内で解いたリーディング100問を、後日、時間を測らずにもう一度解いてみてください。
| 時間無制限だと | あなたの課題 |
| スコアが大きく上がる(目安+50点超) | 「スピード」の問題。読めば分かるのに間に合っていない。原因③⑤ |
| ほとんど変わらない | 「読解力」の問題。時間があっても読めていない。原因①②④ |
時間がない日は簡易版で構いません。Part7のシングルパッセージ2〜3文書だけを「時間を計って解く→翌日、無制限で解き直す」。見るポイントは同じです。
※2回目は内容を覚えている分だけスコアが上がります。見るべきは「時間切れで塗り絵にした問題・手をつけられなかった問題が、時間をかければ解けたか」です。そこが取れていればスピードの問題です。
同じ「Rが低い」でも、この2つは別の病気です。スピードの問題なのに単語帳を増やしても伸びませんし、読解力の問題なのに速読の練習をしても空回りします。最初に必ず切り分けてください。
原因①:単語を「訳せる」だけで「使えない」
「単語帳はやったのに読めない」という方は、単語力の中身を疑ってください。TOEICのリーディングで必要なのは、日本語訳が言えることではありません。
- 使い方:be eligible for(〜の対象である)の後ろに何が続くか、が瞬時に浮かぶか
- 同義語:本文のcomplimentary(無料の)が選択肢ではfreeに化ける、というつながりが見えるか(Part7は本文と選択肢でほぼ必ず言い換えられます)
- 品詞の展開:attend(動詞)とattendance(名詞)を同じものとして処理できるか
訳語の暗記で止まっている単語は、読解の場面では戦力になりません。対処は勉強法の章で説明します。
原因②:文法を「暗記」で済ませている
文法はPart5・6の問題を解くためだけのものではなく、英文を英語のまま理解するための土台です。
そして文法が伸びない人の多くは、理解ではなく暗記で済ませています。丸暗記した文は応用が利かないので、形が少し変わった瞬間に読めなくなります。「なぜこの形になるのか」を人に説明できるか——これが理解と暗記の分かれ目です。
原因③:チャンク(かたまり)で読めていない
「ゆっくりなら読めるのに、速く読めない」の正体はほぼこれです。
Nice to meet you. を一瞬で理解できるのは、1語ずつ読んでいないからです。かたまり(チャンク)として頭に入っているから速い。
同じように、Should you have any questions(ご質問があれば)や no later than Friday(金曜までに)をかたまりで処理できる人は速く読め、1語ずつ拾っている人は遅い。速読の正体は「目を速く動かすこと」ではなく「かたまりのストックを増やすこと」です。
原因④:文書の「構造」を知らない
TOEICの文書は、構造を型にはめられます。冒頭で目的・概要が示され、後半に行くほど詳細になる。段落があれば、各段落の1文目にその段落の要約が来る。
この構造を知らずに全文を同じ濃度で読むと、時間がいくらあっても足りません。構造を知っている人は、設問に応じて「どこを濃く読むか」を選べます。
原因⑤:形式と時間配分に慣れていない
75分で100問という制約の中では、解く順番・各Partへの配分・捨てる判断そのものが得点力です。実力があっても配分を間違えるだけで数十点を落とす——100人以上を指導してきて、何度も見てきた光景です。
最低限の目安だけここに置いておきます。
| パート | 推奨時間 | ペースの目安 |
| Part5(30問) | 7〜13分 | 悩んだら即マークして次へ |
| Part6(16問) | 8〜15分 | 文挿入は後回しでもよい |
| Part7(54問) | 47〜57分 | 10問ごとに時計を確認 |
スコア帯別の詳しい配分・解く順番・見切りの基準は「TOEICのおすすめ時間配分を975点が解説【Part5/6/7別・時間足りない対策・解く順番・IPテスト】」にまとめてあります。「Part5遅い型/語彙不足型/Part7で止まる型」の3タイプ診断もあるので、スピード不足だった方はセットで読んでください。
対策の全体像【Part5 → Part6 → Part7 の順で進める】
原因の切り分けができたら、次は攻める順番です。リーディングは、Part7からやってはいけません。
| 段階 | やること | 理由 |
| ① Part5 | 文法・語彙の土台を作りながら30問を解けるようにする | ここで作った土台が全パートに効く |
| ② Part6 | 文脈をまたぐ問題(文挿入など)に慣れる | Part5とPart7の橋渡し |
| ③ Part7 | 精読→再読で54問に立ち向かう読解力を作る | 最難関。土台なしで挑むと挫折する |
なぜPart5が先なのか
理由は2つあります。
1つ目は、Part5の中身(文法・語彙)が、Part6・7を読む力の土台そのものだからです。Part7が読めない原因の大半は、実はPart5レベルの語彙と文法の穴です。
2つ目は、1問が短く、演習の回転が速いからです。Part7の1セットを解く時間でPart5は10問回せます。原因②で書いた「理由を言えるまで理解する」練習は、短い問題でこそ成立します。
逆にPart7から始めると、読めない長文を前に「単語も文法も構造も全部足りない」状態で戦うことになり、何が原因で間違えたのかすら特定できません。
受験日を先に決めて、現在地を測る
リスニングの記事でも同じことを書きましたが、対策を始める前に2つ決めてください。受験日(2〜3ヶ月先に申し込む)と、現在のスコアです。
いまのRが250なのか350なのかで、やるべきことは変わります(後述のスコア帯別の章で使います)。
なので、スコアがわからない場合は先にスコアを測ってください。
スコアを把握する方法はいくつかあります。
- TOEICを実際に受験する(1日潰れる&スコアがわかるまで時間がかかるのでおすすめしない)
- TOEICの模試を解く(めちゃくちゃ疲れる&〇〇〇点というスコアではなく、〇〇〇点〜□□□点と幅のあるスコアしか診断できない)
- アプリを使う(楽だから推奨)
この中でも特におすすめなのがアプリの利用です。なぜかというと、無料で使えるものもありますし、何より圧倒的に楽でかつ精度も高いからです。
リーディング勉強法は5ステップ【スピードは最後】
ここが本丸です。順番を間違えると努力が空回りするので、スピードを求めるのは一番最後だと先に覚えておいてください。
| 順 | ステップ | やること | 対応する原因 |
| 1 | 単語 | 音声つきで、使い方・同義語ごと覚える | ① |
| 2 | 文法 | 正解の理由を言えるまで理解する | ② |
| 3 | 精読 | 1文ずつ構造とチャンクを確認して読む | ③④ |
| 4 | 再読・音読 | 精読した英文を繰り返し読む | ③④ |
| 5 | スピード仕上げ | 時間を計って解く・多読 | ⑤ |
ステップ1:単語は「音声つき・使い方ごと」覚える
単語帳は銀フレ(500点まで)→金フレの順。覚えるときのルールは2つです。
- 音声を必ず使う(リスニングにもそのまま効きます)
- 1週間に同じ単語へ何度も触れる。「1日20語を完璧に」より「毎日100語をざっと」のほうが定着します
フレーズごと覚える金フレ・銀フレの作りは、原因①で書いた「使い方ごと覚える」に合っています。使い方の詳細は「金のフレーズの使い方」「銀フレのレベルと使い方」にまとめています。
ステップ2:文法は「理由を言えるまで」
問題を解いたら、正解した問題も含めて「なぜこの選択肢なのか」を自分の言葉で説明してみてください。説明できなければ、それは勘です。
解説を読んで、自分の理由付けと一致しているかを確認する。ズレていたら文法書に戻る。この往復が「暗記の文法」を「使える文法」に変えます。
ステップ3:精読【読解力はここで決まる】
精読とは、英文を1文ずつ、ごまかさずに読むことです。チェックするのは主に4つ。
- 文構造:主語と動詞はどれか。修飾はどこにかかるか
- チャンク:意味のかたまりごとにスラッシュを入れる
- 言い換え:設問の正解が、本文のどの表現の言い換えかを確認する
- 不正解の理由:選ばなかった(選んでしまった)選択肢が、なぜ間違いなのかを説明できるか
1文だけ実演します(この記事のオリジナル例文です)。
Please note that the workshop originally scheduled for May 10 has been moved to May 24 due to a scheduling conflict.①文構造:主語は the workshop(originally scheduled for May 10 は後ろから修飾)、動詞は has been moved。
②チャンク:Please note that / the workshop (originally scheduled for May 10) / has been moved to May 24 / due to a scheduling conflict.
③言い換え:設問ではこの文が “The workshop has been rescheduled.” と言い換えられます。moved → rescheduled の変換に気づけるかが問われます。
④不正解の理由:たとえば “The workshop was canceled.” は、日程が動いただけで中止ではないので切れます。
ノートにやることは、この4つをすべての文に対して行うだけです。時間はかかります。Part7の1文書に30分かかっても構いません。ここで「完全に読めた」英文を作ることが、次のステップの前提になります。
なお本番で1文ずつ精読する時間はありません。精読は練習でだけやるトレーニングです。
ステップ4:再読・音読【精読した英文を資産に変える】
精読した英文は、読みっぱなしにせず繰り返し読んでください。同じ英文を5〜10回。声に出せる環境なら、音声に合わせた音読がベストです。
「同じ英文を繰り返して意味があるの?」と思うかもしれません。あります。理由は3つ。
- 1回目に時間がかかった構造・チャンクが、2回目以降は一瞬で処理できるようになる。この「一瞬で処理できるかたまり」のストックが、そのまま読解スピードです
- TOEICの文書は表現の使い回しが多いので、再読した英文の表現が次の初見の文書でも出てきます
- 意味の分からない英文を100回読んでも効果はありませんが、精読済みの英文の再読は1回ごとに処理が速くなります。順番が大事なのはこのためです
声に出せる環境なら、英文を見ながら音声と同時に読む(オーバーラッピング)→慣れたら音声より0.5秒遅れて追いかける(シャドーイング)の順で。英語の語順のまま理解する回路ができて返り読みが消えます。
やり方はリスニング対策の記事で説明したものと同じで、完全に兼用できます。
ステップ5:スピード仕上げ【時間を計る・多読】
ステップ4までで「読める」が育ったら、最後に時間を計って解く練習に切り替えます。10問ごとに時計を確認するルーティンを作ると、本番での配分感覚が身につきます。
余力があれば多読(たくさん読む)も有効ですが、やり方は「分からない単語だけ調べる」方式で。全部調べると挫折し、全部放置すると語彙が増えません。
素材は公式問題集が最優先です。解き終わった問題集は「終わった教材」ではなく、精読→再読の素材として3周使えます。周回のやり方は「TOEIC公式問題集の使い方を975点が解説|Part別の復習法と周回の間隔」に。
ちなみに「TOEICは100点上げるのに200〜300時間」という通説がありますが、これは1985年の古い研究がもとで実態より長めです。詳しくは「TOEICに必要な勉強時間は?スコア別の必要期間と最短で伸ばすコツを975点が解説」で説明しています。
Part別の攻略ポイント【入口だけ・詳細は専用記事へ】
各Partの解き方は専用記事に譲りますが、「何が勝負なのか」だけここで掴んでください。
Part5(短文穴埋め・30問):語順で解ける問題を落とさない
最も多い品詞問題は、選択肢と空所の前後を見れば大半は全文を読まずに解けます。ただし語彙問題は意味の確認が必須で、「文法的に合う」だけで即マークすると引っかかります。
この見極めを含めた出題パターン別の解き方は次の記事で。
→ TOEIC Part5対策を975点が完全解説【出題パターン・解き方のコツ・時間配分・勉強法】
→ 無料で試すなら:Part5 練習問題 解説付き【完全無料200問】
Part6(長文穴埋め・16問):文脈をまたぐ問題が主役
問われる文法・語彙の大半はPart5と同じ知識が土台になります。差がつくのは、空所のある文だけでは解けない問題(時制・代名詞・文挿入)。
前後の文まで読む習慣がない人がここで失点します。
→ TOEIC Part6対策を975点が完全解説【文挿入問題の解き方も】
→ 無料で試すなら:Part6 練習問題解説付き【完全無料80問】
Part7(長文読解・54問):設問のタイプで戦い方を変える
リーディングの半分以上を占める最難関です。設問は7タイプに分かれ、タイプごとに「どこをどう読むか」が変わります。全文を読むか・探しにいくかの使い分けも含めて、専用記事で詳しく解説しています。
→ TOEIC Part7対策を975点が2.3万字で完全解説【設問7タイプ・時間配分・解き方のコツ】
→ 無料で試すなら:Part7 練習問題解説付き【完全無料90問】
リーディング スコア帯別のレベルと、いまやるべきこと一覧
現在のリーディングスコア帯ごとに、「そのスコアがどんなレベルなのか」と「何をやるか」をまとめました。
まず、自分がこの山のどこにいるかを見てください。
※図中の「平均266点」はこの回(2026年7月12日午後)の平均です。2025年度の年間平均はR279点で、どの回で見るかにより数点前後します。
| 現在のR | レベルの目安 | 集中すること | 主力ステップ |
| 〜250点 | 下位約42%。単語と中学文法に穴が残る段階 | 単語+文法の土台。Part5だけでいい | ステップ1・2 |
| 250〜300点 | 上位約58%(受験者平均のR279はこの帯)。基礎はあるが穴が多い | Part5の完成度を上げつつ、Part7シングルの精読開始 | ステップ2・3 |
| 300〜350点 | 上位約39%。読めるが遅い・Part7が終わらない | 精読→再読のサイクル確立+Part6 | ステップ3・4 |
| 350〜400点 | 上位約23%。主旨は取れる。細部と速度が課題 | Part7マルチプル+時間を計った演習 | ステップ4・5 |
| 400〜450点 | 上位約10%。ほぼ読めている。取りこぼし潰し | 苦手設問タイプの特定+塗り絵ゼロ化 | ステップ5 |
| 450点〜 | 上位約3%。満点圏。Lの450より希少 | 弱点をゼロにする仕上げ | ステップ5 |
※上位%は、IIBCが公表する公開テストのスコア分布(Percentile Rank)から当サイトが算出した目安です(2026年7月12日午後回・受験者14,415人。各帯の下限に最も近いスコア区分〔245/295/345/395/445点〕以上の受験者割合。実施回により数%前後します)。また、この表はリーディング(R)単体のスコアです。
1つ知っておくと気が楽になる事実があります。R445以上は受験者の約3%しかいません(L445以上は約10%)。リーディングの高スコアはそれだけ希少なので、R350で「まだまだだ」と落ち込む必要はまったくありません。既に上位2割です。
なお、大学や企業で受けるIPテストは公開テストより平均が低いため、同じスコアでも順位はぐっと上がります。
今日の60分メニュー【この2つから選ぶ】
表を見て「結局、今日は何をやればいいのか」を迷わないように、代表的な2パターンを組んでおきます。
〈R250まで〉土台を作る60分
- 銀フレを音声つきで100語ざっと回す(20分)
- 文法書を1単元+該当のPart5問題を10問(30分)
- 間違えた問題の「正解の理由」を声に出して説明(10分)
〈R250〜350〉読解力を作る60分
- Part7のシングルパッセージを1文書、時間を気にせず解く(10分)
- 答え合わせ+精読:主語動詞・チャンク・言い換えの確認(25分)
- 同じ文書を再読×5回(音読できる環境なら音読で)(20分)
- 本文で知らなかった単語をリストに追加(5分)
やってはいけないリーディング勉強法6選
100人以上を指導してきて、「頑張っているのに伸びない人」がやりがちなものを挙げます。
①Part7から対策を始める
最難関から始めると、読めない原因(単語か文法か構造か)を特定できないまま消耗します。順番はPart5→6→7です。
②単語帳を完璧にしてから問題に進む
順番が大事とはいえ、「単語帳が終わるまで問題を解かない」は逆効果です。単語は8割で次へ進み、問題演習の中で残りを拾うほうが速い。完璧主義は最大の遠回りです。
③精読なしで問題数だけこなす
読めない状態で何百問解いても、読めるようにはなりません。読めれば解けます。解く練習で読めるようにはなりません。解いた後の精読・再読までがワンセットです。
④テクニックだけで乗り切ろうとする
「全文読まずに解く」系のテクニックは、読める人の時短術としては機能しますが、読めない人の代替にはなりません。土台なしのテクニックは、少しひねられた瞬間に崩れます。
⑤本番で1問に固執する
リーディングは1問に悩んでも音声のように流れていきませんが、その分時間だけが静かに溶けます。パートごとに「見切りの秒数」を決めておき、超えたらマークして次へ(Part別の目安は時間配分の記事で)。悩んだ1問の先に、解けば取れたはずの問題が残っている——これが塗り絵の正体です。
⑥複数の問題集を同時に使う
教材を増やすほど、1冊あたりの周回数が減ります。リスニングの記事でも書きましたが、伸びる人ほど教材が少ない。公式問題集を精読→再読で使い倒すほうが、新しい問題集を買うより確実に効きます。
リーディング対策のおすすめ参考書/教材【課題別にこれだけ】
教材は課題に合わせて選べば少数で足ります。すべて自分で使った上でのレビュー記事があります。
| 課題 | 教材 | 詳細レビュー |
| 単語(〜500点) | 銀のフレーズ | 銀フレだけで十分? |
| 単語(500点〜) | 金のフレーズ | 金フレの使い方 |
| 文法の土台 | 文法特急 | 文法特急はいらない? |
| Part5の演習量 | でる1000問 | でる1000はいらない? |
| 本番形式 | 公式問題集(最新の12) | 公式問題集の使い方 |
※教材表の「500点」は総合スコアです。目安としてR250≒総合550前後、R350≒総合750前後と読み替えてください(当サイトの指導実績からの目安です)。
そのほかの選択肢は「TOEIC参考書・問題集おすすめ20選【975点がおすすめ・王道はこれだけでOK】」に、無料で模試を受ける方法は「TOEIC模試を無料で受ける方法」にまとめています。
Part別の演習量は、アプリで無料でできます
紙の教材の弱点は「Part5だけ100問連続で」のような特定Partの集中演習がやりにくいことです。

そこはイングルート公式の無料TOEICアプリ「演習中毒」で補えます。
Part5・Part6・Part7の講座が入っていて、この記事で解説した順番(Part5→6→7)どおりに進められます。クレジットカードの登録もサブスクもなく、講座は広告動画を見れば解放されます。
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TOEICリーディングに関するよくある質問
Q1. リーディングの平均点は何点ですか?
IIBCが公表している2025年度データでは、公開テストのリーディング平均は279点です。リスニングの平均337点より58点低く、リーディングのほうがスコアが出にくいセクションです。R低迷は珍しいことではありません。
Q2. リーディングだけ極端に低いのですが、異常ですか?
異常ではありません。受験者平均でもRはLより58点低く、100人以上を指導してきた中では、L-R差が100点前後ある方も珍しくありませんでした。ただし差が大きいほど、この記事の診断(時間無制限判定法)で原因を特定する価値があります。スピード不足なら時間配分、読解力不足なら精読からです。
Q3. 時間が足りず、いつも塗り絵になります。どうすればいいですか?
まず時間無制限判定法で「時間があれば解けるのか」を確認してください。解けるならスピードと配分の問題なので、時間配分の専用記事にある3タイプ診断(Part5遅い型/語彙不足型/Part7で止まる型)へ。時間があっても解けないなら、配分より先に精読で読解力を作るのが近道です。
Q4. Part5・6・7はどの順で対策すべきですか?
Part5→Part6→Part7です。Part5の文法・語彙が全パートを読む土台になること、短い問題で演習の回転が速いことが理由です。最難関のPart7から始めると、間違えた原因を特定できないまま消耗します。
Q5. リーディング満点(495点)はどれくらい難しいですか?
公開テストのスコア分布から算出すると、R445以上は受験者の約3%です(L445以上は約10%)。リーディングの満点圏はリスニングよりかなり希少で、その分、R400を超えていれば既に上位1割に入っています。リスニング側の満点対策は「TOEICリスニング満点(495点)の取り方をL満点が解説【何問ミスまでOK?難易度・勉強法】」にまとめています。
Q6. 教材を1つだけ選ぶなら何ですか?
公式問題集の最新刊です。本番と同じETSが制作しており、解いて終わりではなく精読→再読の素材として3周使えます。単語に不安があるなら、先に銀フレ(500点まで)か金フレを足してください。
まとめ
今回は、TOEICリーディング対策の全体像を解説しました。要点をまとめます。
- Rは低くて当たり前(平均でLより58点低い)。落ち込む前に原因を特定する
- 時間無制限判定法でスピード不足か読解力不足かを切り分ける
- 順番はPart5 → Part6 → Part7。Part5の土台がPart6・7の伸びを底上げする
- 勉強法は単語→文法→精読→再読・音読→スピード。読めれば解ける
- 教材は課題別に少数精鋭。同じ英文を使い倒すほうが新しい教材より効く
リーディングは、リスニングより時間はかかりますが、積み上げたものが崩れないセクションです。精読で作った「読める英文」のストックは裏切りません。
まずは今日、時間無制限判定法で自分の原因を確かめるところからどうぞ。

