- 受験のため
- 英語力を伸ばすため
など、さまざまな目的でTOEICを勉強したいと考えている高校生は多いのではないでしょうか。
高校生でも、十分TOEIC対策はできます。
むしろ、英語ができる今この瞬間にTOEICの勉強を始めるべきです。
大学生や社会人になると、意識していない限り英語に触れる機会は減ります。
そのため、どんどん英語力が落ちていきます。
ただし、英語力が高い高校生でも、何も考えずやみくもにTOEIC対策を行ってしまうとスコアはなかなか伸びません。
スコアをぐんぐん伸ばすには、勉強の順番が大切です。
ということで今回は、TOEICを初めて受ける高校生向けに、TOEICの勉強法を解説します!
筆者のTOEICスコアは975点(リスニング495、リーディング480)です!
高校生がTOEICを受験するメリット
まずは高校生がTOEICを受験するメリットを整理します。
根本的な英語力が伸びる
まず、TOEIC対策をすることで根本的な英語力が伸びます。
具体的には以下の力が身につきます。
- 語彙力
- 英文法力
- 速読力
- 精読力
- リスニング力
- 情報処理能力
- 情報を関連づける能力
志望校のレベルによってはそうでない可能性もありますが、TOEICで求められる能力は一般的には大学受験よりも高いです。
したがって、TOEICの勉強をしておけば、自ずと大学受験において英語でライバルと差をつけられます。
共通テスト対策になる
TOEICには、共通テストのリスニング・リーディングのような情報を組み合わせる問題が多数出題されます。
しかも、TOEICは以下の4点から、難易度が共通テストより高いです。
- リスニングは全て一度読み
- リスニングの試験時間は45分間と長丁場(共テは30分間)
- リーディングは問題量の割に試験時間が短すぎる(普通は解き終わらない)
- リスニング・リーディングともに問題文が長い
そのため、TOEIC対策は「負荷をかけた共通テスト対策」とみなすことができます。
したがって、TOEIC対策をすることで自ずと共通テストでも高得点を取れる実力が身につきます。
ちなみに、共通テストとTOEICスコアの換算は以下の通りです。
共通テストの点数(得点率) | TOEICスコア |
20点(1割) | 200点 |
40点(2割) | 200点 |
60点(3割) | 200点〜250点 |
80点(4割) | 300点 |
100点(5割) | 300点〜400点 |
120点(6割)(共テ平均点) | 400点〜500点(大学1年生IP平均点) |
140点(7割) | 450点〜550点 |
160点(8割) | 500点〜550点 |
180点(9割) | 550点〜600点 |
200点(10割) | 600点〜700点 |
英語力を客観的に測定できる
TOEICは5点刻み、10〜990点でスコアがつけられます。
スコアによって客観的な英語力がわかるので、今後の勉強方法や目標設定に役立てられるでしょう。
大学受験で利用できる
TOEICは一部の大学受験で利用できます。
「TOEIC Program 大学入学試験における活用状況【2022年度】」によると、TOEIC L&Rを受験で活用している大学は236校あります。
具体的な活用例は以下の通りです。(執筆時点の情報)
大学 | 活用方法 | 基準スコア |
北海道大学工学部 総合型 フロンティア入試 | 出願資格、加点 | 550,600 |
東京海洋大学海洋資源環境学部 | 出願資格 | 400 |
青山学院大学地球社会共生学部 学校推薦型 | 出願資格 | 550 |
立命館大学文学部 総合型 | 出願資格、判定優遇・合否参考 | 550 |
将来の就職活動や転職活動で役立つ
日本における就職・転職活動では、TOEICが幅広く活用されています。
TOEIC活用状況と求められるスコア
実際、上図から、新卒採用でTOEICスコアを「要件にしている」「参考にしている」「新たに要件・参考とする可能性がある」と回答した企業が半数以上を占めることがわかります。
また、60%以上の企業が、中途採用においてTOEICスコアを「要件にしている」「参考にしている」「新たに要件・参考とする可能性がある」と回答しています。
就職でTOEICを活用するために、大学2〜3年生になってからTOEICの対策を始める方は多いです。
しかし、大学2〜3年生からTOEICの対策を始めるのは、はっきり言って遅いです。
英語力は受験時より落ちていることもあり、勉強しても思うように成績が伸びずに目標スコアを取れない方がたくさんいます。
TOEICスコアの有効期限は2年なので、残念ながら高校生で取得したTOEICのスコアは大学3〜4年に始まる就職活動では利用できません。
しかし、高校生の段階からコツコツとTOEICの勉強を継続していれば、将来就職で使えるTOEICスコアを手に入れやすくなります。
高校生がTOEICを受験するデメリット
高校生がTOEICを受験するデメリットは2つあります。
- 参考書を購入する必要がある
- 受験費用がかかる(公開テスト:7,810円、IPテスト:4,230円)
①について、TOEICを対策するならTOEIC特化の参考書が必要です。
大学受験の参考書だと、TOEICとは問題形式や単語などが全くと言っていいほど異なるため、学習効率がガクッと落ちるからです。
しかも、TOEICの参考書は1冊1冊が結構なお値段です。
市販のTOEIC参考書・問題集で必要なモノを揃えようと思ったら、最低でも9,000円くらいは必要です。
また、受験費用もかかります。
一般申し込みの公開テストでは7,810円、一部の学校や団体で開催されている団体受験のIPテストでは4,230円ほどかかります。
TOEICを初めて受ける高校生がまずやるべきこと
さて、ここからはTOEICを初めて受ける高校生がまずやるべきことを解説します!
今の英語レベルを把握する
TOEICの公式問題集を本番と同様に解いて、「今の自分がTOEICでどれくらいのスコアを取れるのか」を把握しておきましょう。
この作業を通じて、目標スコアの設定や使うべき教材の選定がやり易くなります。
ただ、公式問題集は価格が高いので、なかなか手がでない方も多いと思います。
その場合は、無料で使える「Santaアルク」というアプリを使いましょう。
たった12問のテストを受けるだけでスコア診断ができるので、定期的に自分のスコアを把握するのに非常に役立ちます。
しかも精度が95%と非常に高いので、測定されたスコアの信頼性もバッチリです。
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目標スコアを設定する
今の英語レベルや目的に合わせて、目標スコアを設定しましょう。
TOEIC Program DATA & ANALYSISによると、高校生のTOEIC平均点は以下の通りです。
- IPテスト(団体受験):427点
- 公開テスト(個別受験):508点
よって、まずは公開テストの平均点である500点くらいを目標に勉強するのがおすすめです。
スケジュールを立てる
現在の英語レベルと目標スコアとのギャップを埋めるための学習計画・スケジュールを立てましょう。
スケジュールを立てる手順は以下です。
- 受験日を設定する
- 「何をやるべきか」書き出す
- 優先度をつける
- 優先度の高いものから学習計画に入れていく
最初から完璧なスケジュールを立てる必要はありません。
学習状況や英語力の伸び方を考慮しながら、適宜スケジュールを修正していきましょう。
教材を用意する
TOEIC対策で用意すべき教材は6種類です。
- TOEICPart別対策解説書
- TOEIC特化の英単語帳(学校配布の英単語帳や英検用の英単語帳は×)
- (英文法が苦手な場合)英文法書→学校配布のモノでも○
- リスニング音声・スクリプト
- 文法問題集
- 実践問題集
自分のレベルや伸ばしたい能力を考慮しながら、必要な教材を用意していきましょう。
勉強時間を確保する
- 300日間(10ヶ月)毎日1時間勉強
- 60日間(2ヶ月)毎日5時間勉強
①と②は、勉強時間が「合計300時間」という点では同じです。
しかし、スコアの伸び方は②の方が圧倒的に大きくなります。
「1日何時間勉強しなければならない」という基準はありません。
が、短期間でスコアをアップさせたいなら、毎日2時間以上は勉強時間を確保したいところです。
TOEICを初めて受ける高校生の勉強法
さて、ここからはTOEICを初めて受ける高校生向けに、勉強法を解説します!
TOEIC特有の英単語を覚える
TOEICの英語は「ビジネスシーンを想定した英語」です。
そのため、大学受験とは異なる「TOEIC特有の英単語」が多く登場します。
よって、TOEIC特有の英単語を覚えることがスコアアップのために重要です。
TOEIC特有の英単語を覚えるには、TOEICに特化した英単語帳を使うのが最適です。
また、英単語を覚えるコツが4つあります。
- 発音する
- 反復する(1度に多くの英単語に目を通すことを繰り返す)
- 毎日寝る前に暗記する
- 1冊しっかり覚える
これをやるだけで英単語の暗記効率はグッと向上します。
英文法を勉強する
英文法は、英単語と並んで重要な英語の基礎です。
英文法の理解度が低ければ、リスニングで聞き取りの精度が落ちるので、正答率が下がります。
また、リーディングでは英文を読むスピードと精度が落ちます。
よって、英文法は確実に理解してください。
英文法を学ぶには、基本的には学校配布の教材を使えばOKです。
「学校配布の教材が自分には合わない」と感じている場合は、LINE公式アカウント追加特典の「TOEIC英文法完全攻略」を使うのがおすすめです。
「TOEICに出る英文法だけ」に絞り、余計な解説を一切省いているので、無駄なく効率的に英文法をインプットできます。
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リスニング力を伸ばす
TOEICのリスニング力を伸ばすためにおすすめの練習方法は2つあります。
- オーバーラッピング
- ディクテーション
それぞれ説明しますね。
オーバーラッピング
オーバーラッピングは、スクリプト(音声の書き起こし)を見ながら音声を流し、音声に重ねるように発音する練習法です。
- リスニング音声のスピードに慣れる
- 正しい発音がわかる
といった効果があります。
オーバーラッピングの手順は以下です。
- リスニング教材・素材を選ぶ
- 一度全文を聞いてみる
- スクリプトを確認する
- 音声を聞きながらスクリプトを黙読する
- スクリプトを見ながら音声と同時に発声する
ディクテーション
ディクテーションは、聞こえた音声を書き取る練習法です。
- リスニング音声のスピードについていけるようになる
- 音の連結を判別できるようになる
という効果があります。
ディクテーションは以下の手順で進めます。
- 全文を聞く
- 音声を1文ごとに区切って止めながら書き取る(書き取れるまで音声は何度再生し直してもOK)
- 再度全文を聞いて、意味を意識しながら書き取った内容をチェック
- スクリプトを見て間違いがないかチェック
- 間違いがあった場合は聞き取れるようになるまで聞き直す
オーバーラッピング・ディクテーションの教材には、TOEIC公式問題集のPart1・2の問題を使うのがおすすめです。
慣れてきたら、より難易度の高いPart3・4の問題を使いましょう。
TOEIC公式問題集を持っていない場合は、YouTubeで無料で視聴できる「TED」という番組を使うのがおすすめです。
TEDがおすすめな理由は5つあります。
- YouTubeで無料で気軽に視聴できる
- 英語が聞き取りやすい
- 話が面白いから楽しく練習できる
- 英語字幕を表示できる(人気の番組は日本語字幕もある)
- 速度を調整できる
リーディング力を伸ばす
TOEICのリーディング力を伸ばすためにおすすめの練習方法は2つあります。
- 音読
- 多読
それぞれ解説しますね。
音読
音読はその名の通り、声に出して英文を読むことです。
音読するメリットは3つあります。
- 英語を前から理解できるようになる
- 英語のリズムに慣れる
- 知識の抜け漏れを把握できる(スラスラ音読できない部分は知識が抜けている)
音読の教材には、今まで解説してきたのと同様に公式問題集を使うのがおすすめ。
もし公式問題集を持っていないなら、学校配布の長文問題集などを使いましょう。
多読
多読は、とにかくたくさんの英文を読むことです。
多読では、意味を正確に取ること(精読)にこだわらず、なんとなく意味を把握しながらどんどん読み進めていきます。
多読のおすすめの教材は「News in Levels」というWEBサイトです。
「News in Levels」は英語学習者向けのニュースサイトで、同じ内容のニュースをLevel1・Level2・Level3の3つのレベルで読めます。
ニュースのテーマはエクササイズや歴史、スポーツや自然、娯楽などさまざま。ボリュームもそれほど多くないので、毎日の多読のために利用するのがおすすめです。
まずはPart1・2・5・6を対策する
TOEICにはPart1〜7までありますが、Partごとに難易度は大きく変わります。
簡単なのはPart1・2・5・6、難しいのはPart3・4・7です。
まずは簡単なPart1・2・5・6を対策しましょう。
そして、TOEIC600点を安定して取れるようになったら、Part3・4・7の対策を始めるのがおすすめです。
各パートの勉強法については、LINE公式アカウント友達追加で受け取れる「TOEIC勉強法大全」で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。
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実践演習する
TOEICは問題の形式が特殊です。
また、試験時間はリスニング約45分リーディング75分、合計で約120分とかなり長いです。
形式に慣れるため、そして120分間集中できる体力を身につけるために、実践演習を行いましょう。
実践演習が終わったら復習も欠かさず行ってください。
特に、以下の4点を意識しましょう。
- わからない英単語を調べる
- わからない英文法を調べる
- 聞き取れない英文を聞き取れるようになるまで聞き直す
- スラスラ読めない英文をスラスラ読めるようになるまで読み直す
なお、TOEIC600点を超えるまでは、必ずしも全てのパートを復習する必要はありません。
全てのパートを復習する場合、復習すべきところが多すぎて負担が大きくなり、最悪挫折してしまってモチベ低下の原因にもなります。
TOEICを初めて受ける高校生におすすめの参考書・教材
ここからは高校生におすすめのTOEICの参考書・教材を紹介します。
TOEIC 出る単特急 銀のフレーズ
TOEICの定番単語帳です。
書店のTOEICコーナーに行くと、必ずと言っていいほど一番目に入るところに置かれています。
銀フレには、TOEIC頻出の1000単語が掲載されています。
覚えてなきゃやばい重要単語ばかりなので、確実に覚えましょう。
TOEIC勉強法大全
「TOEIC勉強法大全」は私のLINE公式アカウントを友達追加で受け取れる特典の1つです。
TOEICスコアアップに必要な勉強法を、基礎/リスニング/リーディング/Part別/総合という5つのカテゴリーに分けて徹底解説しています。
このほかにも、英文法の教材や英単語語源集・レベル別英単語集などをゲットできます。
TOEIC学習に必ず役立つので、ぜひ活用してください!
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TOEIC公式問題集
TOEICの実践演習をするのに特におすすめしたい問題集です。
「公式」というだけあって本番に近い難易度・形式の問題が掲載されています。
そのうえ、本番と同様のスピーカーがリスニング音声の収録を担当しているので、限りなく実践に近い形で問題演習できます。
現在、冊子・バージョンは1〜11まであり、11が最新です。
問題集としては価格が少し高いですが、本気でTOEICを勉強するなら最低1冊は持っておきたい問題集です。
TOEIC L&R TEST 初心者特急 パート1・2
TOEICリスニングのなかで比較的簡単なTOEICパート1・2を重点的に対策できる参考書です。
「初心者特急」とついているだけあって基礎事項から丁寧に解説してくれているので、英語初心者でも挫折することなくTOEICリスニング対策ができます。
TOEIC 文法問題はじめの400問
中学レベルの基本的な英文法をおさらいしながら、TOEIC Part5の文法問題と同形式の問題を使って演習できる問題集です。
本番より問題文が短く単語のレベルが低いため、挫折することなく着実にPart5のスコアを上げていけます。
また、問題量が400問と非常に多いのもポイント。
繰り返し同じ問題に触れることで、問題パターンを素早く把握し、適切な解き方を適用できるようになります。
まとめ
TOEICを初めて受ける高校生向けに、TOEICの効果的な勉強法を解説しました。
- TOEIC特有の英単語を覚える
- 英文法を勉強する
- オーバーラッピング
- ディクテーション
- 音読
- 多読
- まずはPart1・2・5・6を重点的に対策
- 実践演習
TOEICは勉強のやり方がとても重要です。
勉強のやり方を間違えると、驚くほどスコアが伸びません。
今回解説した勉強法を実践して、ぐんぐんスコアを伸ばしていきましょう!
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