「Part3の音声が始まると、何を聞けばいいのかわからなくなる」
「先読みが間に合わなくて、毎回3問とも落とす」
先に結論をまとめて書いちゃいますね。
- 大前提:Part1・2で「音が取れる」状態を作ってからPart3へ(目安はリスニング250点)
- Part3は39問(13セット×3問・Q32〜Q70)でリスニング最多
- 勝負は先読み。練習は60秒から始めて、最終的に25〜30秒へ
- 設問は3タイプ(全体/ピンポイント/図表連動)。タイプで先読みの読み方を変える
- 解答は会話が流れている間に決め切る。設問音声の時間はマーク+次の先読みに使う
Part3は、リスニング100問のうち39問を占める最大のパートです。
ただし、Part1・2の音が取れていることが前提になります。そこができていれば、Part3は伸ばしやすいパートです。
ただ、最初にお伝えしておきたいことがあります。
Part3で点が取れない原因は、多くの場合「聞き取れないこと」ではありません。
「何を聞けばいいか決まっていない状態で音声が流れ始めること」が原因です。だから先読みが効きます。
とはいえ、Part1・2でまったく音が取れない段階でPart3に取り組むのは早いです。順序は後ほど詳しく説明しますが、まずは短い音声で「英語の音が言葉として聞こえる」状態を作るのが先になります。
筆者のTOEICスコアは975点(リスニング495点・リーディング480点)です。独学・留学経験なしで、最初のリスニングスコアは200点くらいでした。そこから満点まで伸ばした過程と、100人以上を指導した経験をもとに解説します。

TOEIC Part3とは?問題数・形式【会話問題39問】
まずはPart3の基本情報を確認しましょう。
IIBC公式サイトの「テストの形式と構成」によると、Part3は2人または3人の人物による会話を1度だけ聞き、設問に4択で答える形式です。
| 項目 | 内容 |
| 問題数 | 39問(Q32〜Q70) |
| 構成 | 13セット×各3問 |
| 話者 | 2人または3人 |
| 選択肢 | 4択(A/B/C/D) |
| 設問・選択肢 | 問題用紙に印刷されている(会話のスクリプトは印刷なし) |
リスニングセクションは約45分で100問。内訳はPart1が6問、Part2が25問、Part3が39問、Part4が30問です。Part3だけで17〜18分ほどかかる計算になります。
つまり、Part3だけでリスニングの4割を占めます。Part1とPart2を合わせても31問なので、Part3のほうが多いことになります。
1セットの時間配分を知っておく
Part3は、音声の流れ方が決まっています。ここを知っているかどうかで、先読みの計画が立てられるかが変わります。
なおIIBCは音声の秒数を公表していません。以下は当サイトが公式問題集で計測した目安です。
| タイミング | 長さ | この間にやること |
| 会話の音声 | 30〜40秒 | 解答を決める(マークはまだ) |
| 設問1つ分の音声 | 約5秒 | マークを塗る |
| 解答用の空白 | 約8秒 | マーク+次のセットの先読み |
| 図表問題の空白 | 約12秒 | 同上(少し余裕がある) |
1セットあたり、会話から解答までおよそ70〜80秒です。
ここで重要なのが、設問の音声(5秒×3)と解答の空白(8秒×3)を合わせた約40秒が、実は「マークと次の先読み」に使える時間だということです。
この40秒をどう使うかが、Part3の勝負どころになります。
【前提】Part3の前に、Part1・2で「音」を取れるようにする
Part3は39問と最多なので、真っ先に対策したくなります。でも順序を間違えると遠回りになります。
なぜPart1・2が先なのか
理由はシンプルで、Part1・2は「短い音声で音を取る練習」ができるからです。
Part1は1文、Part2は1往復の短いやり取りです。ここで聞き取れない音があれば、その場で止めて確認できます。
一方でPart3は30〜40秒の会話です。音が取れない状態でPart3を解いても、「何を言っているかわからないまま40秒が過ぎる」という時間になってしまいます。
ただし「Part3を後回しにしていい」わけではない
誤解しないでほしいのが、Part1・2ばかりやり続けるのも間違いだということです。
Part1は6問、Part2は25問。合計31問に対して、Part3は39問です。問題数で見れば、Part3のほうが多い。
目安はこうです。
- リスニングが250点までは、Part1・2を優先(音を取る練習が足りていない段階)
- リスニングが250点を超えたら、Part3の先読みに本格的に取り組む(総合スコアなら400点前後が目安)
イングルートでは、リスニング250点の段階でPart3・4に力を入れるのは挫折のリスクが高いと考えています。
Part1・2の対策は「TOEIC Part1の勉強法と楽に解くコツを975点が解説【おすすめ問題集&頻出単語も】」と「TOEIC Part2の対策法とコツを975点が解説【実は一番難しいかも】」にまとめています。
Part3がPart1・2と決定的に違う3つのこと
Part3は、Part1・2とは別の競技だと考えたほうがいいくらい、性質が違います。
違い①:選択肢が4つになる
Part2は3択ですが、Part3は4択です(Part1も4択です)。
勘で当たる確率が下がるということです。地味ですが、39問あるので影響は小さくありません。
違い②:設問と選択肢が問題用紙に印刷されている
これが最大の違いです。
Part1・Part2では、問題用紙に選択肢が印刷されていません(Part1は写真だけ、Part2は「Mark your answer on your answer sheet.」の一文だけ)。だから耳だけが頼りです。
ところがPart3では、設問と選択肢が印刷されています。会話のスクリプトだけが印刷されていない、という形です。
つまり、音声が流れる前に「何を聞かれるか」を目で確認できるということ。これが次の「先読み」につながります。
違い③:先読みが必須になる
Part1・2では先読みは不要でした。読むものがないからです。
Part3では先読みが必須になります。というより、先読みをしないとほぼ勝負になりません。
理由は、脳への負荷がまったく違うからです。
先読みしていれば、音声を聞きながら「答えを確認する」だけで済みます。先読みしていないと、聞きながら「何が問われるかを推測し、内容を全部覚えておき、後から思い出す」という作業になります。後者は現実的に無理です。
Part3の設問3タイプと、先読みで拾うもの
先読みのやり方を説明する前に、何を読むのかを整理しておきます。
Part3の設問は、大きく3タイプに分かれます。タイプによって、先読みで拾うべき情報が変わります。
① 全体を問う問題【各セットの1問目に多い】
代表的な設問文は以下の通りです。
- What are the speakers mainly discussing?(話し手は主に何について話していますか)
- Where most likely are the speakers?(話し手はどこにいると考えられますか)
- Who most likely is the man?(男性は誰だと考えられますか)
会話全体のテーマ・場所・話し手の職業を問うタイプです。各セットの1問目に来ることがほとんどです。このタイプで先読みするときは、設問だけ読めば十分です。選択肢まで読む必要はありません。
そして答えは会話の冒頭1〜2文でだいたい決まります。出だしに集中してください。
② ピンポイントな情報を問う問題【最多】
代表的な設問文は以下の通りです。
- What does the woman suggest?(女性は何を提案していますか)
- What problem does the man mention?(男性はどんな問題に言及していますか)
- What will happen on Friday?(金曜日に何が起きますか)
会話の中の特定の情報を問うタイプで、Part3で最も数が多いです。先読みで拾うのは、設問の中のキーワード(動詞・名詞・固有名詞・曜日・数字)です。
「Friday」が設問にあるなら、会話で「Friday」が聞こえた瞬間に集中する。それだけで答えの場所がわかります。
このタイプの中で、1つだけ別扱いにしてほしいのが次の行動を問う設問(What will the man most likely do next?)です。
答えは会話の最後のほうに来ることがほとんどなので、他の設問と違って「終わり際に集中する」と決めておくと拾いやすくなります。
ここで注意したいのがパラフレーズ(言い換え)です。会話で聞こえた表現が、そのまま選択肢に出ることはあまりありません。
たとえば会話で「I’ll give you a call」と言っていたら、選択肢は「Make a phone call」になります。同じ意味を別の言葉で言い換えたものが正解だと意識してください。
③ 図表連動問題【後半に2〜3問】
代表的な設問文は「Look at the graphic. Which item will the woman order?(図を見てください。女性はどの商品を注文しますか)」です。
問題用紙に印刷された図表(地図・グラフ・クーポン・日程表・価格表など)と、会話の内容を照合して解くタイプです。Part3の後半に2〜3問出ます。
先読みでやることは1つ。図表の「見出し」と「項目名」を確認しておくことです。
数値や中身を全部読む必要はありません。「この表は価格表で、左が商品名、右が値段だな」とわかっていれば十分です。
会話では、図表に書かれていない情報のほうが読み上げられます。
たとえば価格表の問題なら、会話では値段を言わずに「予算は50ドル以下で」のように言う。だから図表側で照合する必要があるわけです。
Part3の先読み練習法【60秒→30秒の段階設計】
ここがPart3対策の本丸です。
イングルートで設けている先読み時間の最終目標は、25〜30秒です。ただしいきなりそこを狙うから挫折します。
先読みの目標時間はレベルで変える
| 段階 | 先読み時間 | やること |
| 入門 | 60秒 → 45秒 | 音声を止めてでもいいので、3問すべての設問を読み切る |
| 標準 | 45秒 → 30秒 | 設問3つ+選択肢のキーワードまで読む |
| 本番レベル | 30秒 → 25秒 | 音声を止めずに、次のセットの先読みまで回す |
最初は音声を止めて構いません。止めて60秒かけて読み、慣れたら55秒、50秒と5秒ずつ縮めていきます。
念のため補足すると、60秒・45秒は「音声を止めた練習用」の時間です。本番で先読みに使えるのは、次のセットまでの約40秒(設問音声+解答の空白)しかありません。だから最終的に25〜30秒まで縮める必要があるわけです。
これは筋トレと同じで、いきなり本番の重量を持とうとしても潰れるだけです。まず「先読みして解くとこんなに違うのか」という感覚を掴むほうが先になります。
先読みで「どこまで読むか」
時間が短くなるほど、読む範囲を絞る必要があります。優先順位はこうです。
- 設問3つ(これは絶対)
- 図表があれば、その見出しと項目名
- 選択肢のキーワード(時間が余ったら)
迷ったら「設問だけ」で構いません。設問さえ読めていれば、何を聞くべきかは決まります。
30秒で読む場合の配分の目安はこうです。
- 全体を問う設問:3〜5秒(設問だけ見れば十分)
- ピンポイント設問:5〜8秒(キーワードを1つ頭に入れる)
- 意図問題:8〜10秒(引用された発言を目に焼き付ける)
- 図表連動:10〜12秒(図表のタイトルと項目名まで見る)
- 残った時間で選択肢
選択肢まで読もうとして3問目の設問にたどり着けない、というのが一番もったいないパターンです。
最初の先読みは「Part3のDirections」から始める
リスニングセクションでは、各パートの前にDirections(問題形式の説明)が流れます。この時間をどう使うかで、Part3の入り方が変わります。
まず、よく見かける「Part1のDirections中にPart3を先読みする」という方法。イングルートではおすすめしていません。
理由は2つあります。Part1・Part2を解いているうちに内容を忘れるから。そして集中力が分散するからです。
Part1のDirectionsは写真をじっくり見る時間、Part2のDirectionsは呼吸を整えてリセットする時間に使ってください。そのほうがPart1・2の取りこぼしが減ります。
先読みを始めるのは、Part3のDirectionsが流れているタイミングです。ここで最初のセット(Q32〜34)を読みます。30秒前後あるので、慣れれば3問すべてに目を通せます。
なお、リスニング中に先のリスニング問題を先読みすること自体は、ルール上禁止されていません。安心して使ってください。
そもそも先読みが縮まらない人へ
段階的に縮めていっても、どうしても45秒より速くならない。そういう方もいます。
その場合、原因は先読みのテクニックではありません。設問を読むスピードそのものです。
Part3の設問は1問10語前後の短い英文ですが、ここで詰まるということは、知らない単語があるか、英語を語順のまま処理できていないかのどちらかです。
この場合、Part3の演習を積んでも先読みは速くなりません。単語帳と基礎文法に戻るのが最短です。遠回りに見えますが、語彙が入ると先読みは勝手に速くなります。
先読みが間に合わなかったときの割り切り
どんなに練習しても、先読みが間に合わないセットは出てきます。
そのときは、「Q1(1問目)だけ確実に取る」に切り替えてください。
先ほど説明した通り、1問目は「全体を問う問題」であることがほとんどです。会話の冒頭に集中すれば取れます。
そして冒頭で話の大枠がつかめれば、Q2・Q3も消去法や流れで拾えることが増えます。3問とも中途半端に狙って全滅するより、確実に1問取るほうが得です。
Part3の解答サイクル【会話中に決め切る】
先読みができるようになったら、次は解答サイクルの回し方です。Part3で崩れる人は、このサイクルが定まっていません。
会話には「型」がある
先読みと並んで効くのが、Part3の会話は展開パターンが決まっていると知っておくことです。
典型的なのはこの3段構成です。
- 状況説明(誰が・どこで・何をしているか)
- 問題や依頼(トラブル・お願い・提案が出てくる)
- 解決策や次の行動(じゃあこうしよう、で終わる)
そして設問3問は、この流れとだいたい対応します。1問目が①の全体像、2問目が②の詳細、3問目が③の次の行動、という並びです。
この型が頭にあると、「今①が終わったから、次に問題が出てくるな」と予測しながら聞けます。予測できると、聞き取りの負荷が一段下がります。
ステップ1:会話が流れている間に答えを決める
Part3は「聞きながら解く」パートです。
これに対して「聞きながら解くのは上級者にしか無理」という意見もあります。半分は正しくて、先読みをしていない状態では確かに不可能です。聞きながら「何が問われるか」を推測するのは無理があります。
ただ、先読みで「何を待ち構えるか」が決まっていれば話は別です。照合するだけなので、上級者でなくてもできます。ここでも先読みが前提になります。
先読みした設問を頭に置きながら会話を聞き、答えになりそうな表現が聞こえたら、マークシートに軽く印をつけておきます(塗りつぶしはまだしません)。
会話が終わった時点で、3問とも「たぶんこれ」が決まっている状態が理想です。
ステップ2:設問の音声が流れている間にマークする
会話が終わると、設問の音声が流れ始めます。
設問は問題用紙に印刷されているので、この音声を聞く必要はありません。ここで、さっき印をつけた場所を塗りつぶします。
この「設問の音声を聞かない」という割り切りが、Part3では非常に大きいです。
ステップ3:残りの時間で次のセットを先読みする
理想は、1問目と2問目の設問・空白のあいだに3問分のマークを終わらせることです。
そうすれば、3問目の設問音声が流れている頃には、次のセットの先読みを始められます。
この状態を作れると、Part3は一気に楽になります。逆に、マークが遅れて次の先読みに入れないと、そこから雪だるま式に崩れていきます。
そしてもう1つ大事なのが、会話の途中で聞き取れない箇所があっても止まらないことです。
「今なんて言った?」と考え込んだ瞬間、その後の音声が全部飛びます。1文聞き逃しても、残りで答えが拾えることは普通にあります。わからなかった箇所は捨てて、次の情報を取りにいってください。
【実践】例題1セットで解き方を確認しよう
ここまでの内容を、実際の問題で確認してみましょう。本番と同じ「1会話+3問」の形式です(この記事のオリジナル問題です)。
まず設問3つだけを先に読んでください。そのうえで会話を読みます(本番では音声ですが、ここでは文字で確認します)。
なお今回の例題は、1問目が「全体を問う問題」ではないパターンを選んでいます。
1問目は全体問題が多いものの、IIBC公式サンプルにも1問目からピンポイント設問のセットがあるからです。「1問目は必ず全体問題」と思い込まないでください。
先に読む(先読み)
Q1. What problem does the woman mention?
(A) An order was not fully delivered.
(B) A payment was processed twice.
(C) A delivery arrived at the wrong address.
(D) Some furniture was damaged.
Q2. What will the man most likely do next?
(A) Visit a rental company
(B) Contact a supplier
(C) Reschedule a meeting
(D) Interview new employees
Q3. Why does the woman say, “The new staff start on Monday”?
(A) To explain why the chairs are needed soon
(B) To introduce a new colleague
(C) To suggest changing a start date
(D) To complain about a hiring decision
会話(本番では音声のみ)
W: Hi, Daniel. I just checked the shipment we received this morning, and there’s a problem. We ordered forty office chairs, but only twenty-five arrived.
M: That’s strange. Let me look at the order confirmation… you’re right, it says forty. I’ll call the supplier right now and find out what happened.
W: Thanks. And could you ask them when the rest will arrive? The new staff start on Monday, and they’ll need somewhere to sit.
M: Sure. If they can’t deliver by Friday, I’ll check whether the rental company down the street has any available.
先読みの段階で決めておくこと
設問3つを読んだ時点で、聞くべきポイントが3つに絞れています。
- Q1は「problem」→ トラブルの内容を待ち構える(②ピンポイント)
- Q2は「do next」→ 会話の後半で男性の行動に集中する(②の中の次の行動タイプ)
- Q3は引用符つき→ その発言の直前を聞き逃さない(意図問題)
ここまで決まっていれば、あとは待ち構えるだけです。これが先読みの効果です。
Q1の解説|②ピンポイント(トラブルの内容)
正解:(A)
女性の最初の発言に「We ordered forty office chairs, but only twenty-five arrived(40脚注文したのに25脚しか届かなかった)」とあります。
ここでパラフレーズが効いています。
会話の「40注文したのに25しか来ない」が、選択肢では「An order was not fully delivered(注文が全部は届かなかった)」と言い換えられています。
会話に出てきた数字(forty/twenty-five)は、選択肢に1つも出てきません。数字をそのまま探すのではなく、意味を取るのがポイントです。
Q2の解説|②次の行動を問う設問
正解:(B)
男性が「I’ll call the supplier right now(今すぐ業者に電話します)」と言っています。これが「次の行動」です。選択肢では「Contact a supplier」と言い換えられています。
ここで注意したいのが(A) Visit a rental companyです。会話の最後に「rental company」が出てくるので、つい選びたくなります。
でもよく聞くと「If they can’t deliver by Friday(金曜までに届かなければ)」という条件付きの話です。まだ決まった行動ではありません。
「後に出てきた情報」より「実際にこれからやると言った情報」を取る。これが次の行動タイプのコツです。
Q3の解説|意図問題
正解:(A)
意図問題は、引用された発言そのものではなく、その前後の流れで判断します。
女性は「残りがいつ届くか聞いてもらえる?」と頼んだ直後に「The new staff start on Monday(新しいスタッフが月曜から来る)」と言い、続けて「they’ll need somewhere to sit(座る場所が必要)」と付け加えています。
つまりこの発言は、「だから椅子が早く必要なんです」という理由の説明です。正解は(A)になります。
(B)の「同僚を紹介する」や(C)の「開始日の変更を提案する」は、会話のどこにも出てきません。発言の字面ではなく、なぜそれを言ったかを考えるのが意図問題です。
Part3の難所2つ【3人会話・図表連動】
Part3には、多くの人がつまずく難所が2つあります。
難所①:3人の会話
Part3は2人の会話が基本ですが、3人の会話が混ざります。
混乱しやすいのは、誰が何を言ったかを追う必要があるからです。ただ、対処法はシンプルです。
- 各セット冒頭のアナウンスで「conversation with three speakers」と流れるので、会話が始まる前に身構えられる
- 設問に the men(複数形)や the woman のように、誰の発言かが明示される(IIBC公式サンプルのNo.40が実例)
- 1セットの尺は2人会話と大きく変わらない
つまり、やりとりの回数が増えるだけで、情報量が急増するわけではありません。
意識するのは「男性が2人なのか、女性が2人なのか」だけで十分です。設問で「the men」と複数形になっていたら「男性2人の共通の話題だな」と判断できます。
3人会話の設問はこう見える
実際の設問がどう変わるか、例で確認しておきましょう。
—
2人の会話なら
What does the man suggest?(男性は何を提案していますか)
3人(男性2人+女性1人)なら
What do the men imply about the company?(男性たちは会社について何を示唆していますか)
→ 男性2人が共通して言っていることを探す
What does the woman ask the men to do?(女性は男性たちに何をするよう頼んでいますか)
→ 女性1人の発言だけを追えばいい
—
このように、設問の主語を見れば「誰の発言を追うか」が確定します。3人だからといって全員の発言を平等に追う必要はありません。
先読みの段階で「この設問は男性2人の話か、女性1人の話か」を確認しておけば、会話中に迷わなくなります。
難所②:図表連動問題
解き方は先ほど設問タイプの章で説明した通りで、先読みでは図表のタイトルと項目名だけ確認するのが基本です。
ここで追加でお伝えしたいのは、解答の空白が12秒と長めに取られているということ。他の設問より4秒多いので、慌てて照合する必要はありません。
図表問題は「難しそうに見えるだけで、時間は与えられている」タイプです。落ち着いて選択肢と図表を突き合わせてください。
図表問題を1問やってみる
言葉だけだとイメージしにくいので、実際に解いてみましょう(この記事のオリジナル問題です)。
問題用紙に印刷されている図表
| Meeting Room | Capacity |
| Room A | 6 people |
| Room B | 10 people |
| Room C | 16 people |
| Room D | 24 people |
設問
Look at the graphic. Which room will the speakers most likely use?
(A) Room A (B) Room B (C) Room C (D) Room D
会話(本番では音声のみ)
M: We need to book a room for the training session next Tuesday. How many people are coming?
W: Twelve from our department, plus two guests from the head office.
M: Then the smaller rooms won’t work. Let’s take the one that fits everyone with a little space left.
正解:(C)
ここで確認してほしいのが、会話に「Room C」という言葉が一度も出てこないことです。
読み上げられるのは人数のほう(12人+2人=14人)です。そこから図表を見て、14人が入る部屋を探す。16人のRoom Cが該当します。
先読みの段階で「この表は会議室と定員だな」と把握できていれば、会話で人数が出た瞬間に照合の準備ができます。逆に図表を見ていないと、「12人」「2人」という数字を聞いても何に使うのかわかりません。
なお(D) Room Dも24人入るので物理的には収まりますが、「a little space left(少し余裕がある)」という条件に合いません。図表問題は、条件を満たす選択肢が2つ以上あるときに絞り込みの一言が入ることが多いので、最後まで聞いてください。
【レベル別】TOEIC Part3の勉強法
現在のスコア帯によって、やるべきことが変わります。
| 現在のスコア | やるべきこと |
| 〜400点 | Part1・2を優先。Part3は音声を止めて先読み60秒で形式に慣れる |
| 400〜600点 | 先読み45秒+オーバーラッピング。設問3タイプの判別を習慣化 |
| 600点以上 | 先読み30秒+3人会話・図表連動の集中対策 |
〜400点:まずPart1・2で音を取る
この段階では、Part3の演習量を増やすよりPart1・2で「音が言葉として聞こえる」状態を作るのが先です。
Part3は、形式に慣れる程度で十分です。先読みもやってみて、「設問を読んでから聞くと、こんなに違うのか」を体感できればこの段階の目的は達成できます。
400〜600点:先読み45秒とオーバーラッピング
音がある程度取れるようになったら、先読みを45秒に縮めていきます。
同時にやってほしいのがオーバーラッピングです。スクリプトを見ながら、音声と同時に声を出して読みます。
これをやると、英語特有の音の変化(単語同士がつながる・音が消える)に慣れます。
「知っている単語なのに聞き取れない」の正体はこれなので、ここを潰すと一気に聞こえるようになります。
復習の手順はこうです。
- 解いた後にスクリプトを読んで、意味が取れるか確認する
- 聞き取れなかった箇所を音声と照らし合わせる(なぜ聞こえなかったかを特定)
- その会話をオーバーラッピングで5〜10回繰り返す
- 最後にスクリプトを見ずに聞いて、意味が取れるか確認する
ディクテーション・シャドーイング・オーバーラッピングの使い分け
リスニングのトレーニングは3種類よく挙がりますが、Part3対策で優先すべきはオーバーラッピングです。
| トレーニング | やること | Part3での位置づけ |
| ディクテーション | 聞いた音声を書き取る | 精度は上がるが時間がかかりすぎる。Part1・2の短文でなら有効 |
| オーバーラッピング | スクリプトを見ながら音声と同時に読む | Part3の本命。音の変化に慣れつつ、意味も取れる |
| シャドーイング | スクリプトを見ずに音声を追いかけて言う | 負荷が高い。600点を超えてからで十分 |
Part3は30〜40秒の会話が13本あります。ディクテーションで全部書き取っていたら、1日で1セットも終わりません。
対してオーバーラッピングなら、1セットを5〜10回繰り返しても10分程度しかかかりません。回せる量が違います。
シャドーイングも効果的ですが、スクリプトなしで音を追う負荷が高く、意味を取る余裕がなくなりがちです。まずオーバーラッピングで音と意味を結びつけてから取り入れてください。
「音の変化に慣れる」とは、こういうこと
「知っている単語なのに聞き取れない」の正体は、単語同士がつながって別の音になることです。
- Look at that → ルッキャッ(kとaがつながる)
- Could you → クッジュー(dとyが混ざる)
- next week → ネクスウィーク(tの音が消える)
文字で見れば全部知っている単語です。オーバーラッピングは、この「文字と音のズレ」を口で覚えるための練習になります。
600点以上:先読み30秒と難所の集中対策
600点を超えたら、先読みを30秒まで縮めて、音声を止めずに13セットを通す練習に移ります。
あわせて、3人会話と図表連動問題を集中的に潰します。
どちらも「出たら身構える」タイプの問題なので、まとめて演習すると慣れが早いです。
公式問題集から図表問題だけを抜き出して連続で解く、といったやり方が効きます。
今のスコアがわからない場合は先に測る
ここまで読んで、「自分がどの段階かわからない」という方もいると思います。
Part3の対策は、スコア帯によってやることが全く異なります。400点未満の方が先読み30秒を目指しても挫折するだけですし、600点の方が形式確認だけで終わったら成長しません。
なので、スコアがわからない場合は先にスコアを測ってください。
スコアを把握する方法はいくつかあります。
- TOEICを実際に受験する(1日潰れる&スコアがわかるまで時間がかかるのでおすすめしない)
- TOEICの模試を解く(めちゃくちゃ疲れる&〇〇〇点というスコアではなく、〇〇〇点〜□□□点と幅のあるスコアしか診断できない)
- アプリを使う(楽だから推奨)
この中でも特におすすめなのがアプリの利用です。なぜかというと、無料で使えるものもありますし、何より圧倒的に楽でかつ精度も高いからです。
TOEIC Part3対策におすすめの教材
Part3の教材は、自分の課題に合わせて1冊だけ選ぶのが正解です。全部買う必要はありません。
課題は大きく3つに分かれます。
| 今の課題 | 選ぶ教材 | 価格(税込) |
| 形式に慣れていない | 初心者特急 パート3 | 814円 |
| 音声の速さについていけない | 鬼の変速リスニング2 | 1,430円 |
| 本番形式で数をこなしたい | 公式問題集 12 | 3,630円 |
形式に慣れていないなら「初心者特急 パート3」

神崎正哉さん・Daniel Warrinerさんの共著(朝日新聞出版・2018年4月発売・814円・224ページ)です。
新書サイズで持ち運びやすく、特急シリーズの中でも難易度は最も易しい設定。音声は無料ダウンロードとスマホアプリの両方に対応しています。
Part3をこれから始める方、まず形式に触れたい方向けです。
初心者特急シリーズに関しては「TOEIC 初心者特急シリーズを975点が徹底レビュー」もあわせてご覧ください。
音についていけないなら「鬼の変速リスニング2」

テッド寺倉さん・和泉有香さん・天満嗣雄さんの共著(アルク・2018年7月発売・1,430円・236ページ)。
特徴は再生速度を変えて聞くという練習法です。速い音声に耳を慣らしてから通常速度に戻すと、楽に聞こえやすくなります。
買うなら必ず「2」を選んでください。1は2014年版の新装版で、本編の内容は旧版と同じです。意図問題・図表問題・3人会話といった2016年の新形式に対応しているのは2のほうで、ナレーターも英米豪加の4カ国が入っています。
本番形式で数をこなすなら「公式問題集12」

IIBC発行の公式問題集です(2025年10月発売・3,630円・テスト2回分400問)。問題を作っているのは本番と同じETSなので、難易度も音声のナレーターも本番そのものです。
なお11以降はCDが付属せず、音声はダウンロードになりました。中古で古い巻を買うとCD前提のことがあるので、確認してから買ってください。
使い方は「TOEIC公式問題集の使い方を975点が解説|Part別の復習法と周回の間隔」にまとめています。
教材を買わずに全部やるなら、アプリで完結します

ここまで3冊を紹介しましたが、正直に言うとこれらを買わなくても、Part3対策はアプリだけで完結します。
イングルート公式の無料TOEIC学習アプリ「演習中毒(iPhone / Android)」には、Part3講座が23レッスン入っています。
| 上で紹介した教材 | 価格 | 演習中毒での対応 |
| 初心者特急 パート3(形式に慣れる) | 814円 | Level 1(8レッスン) |
| 鬼の変速リスニング2(速度と先読み) | 1,430円 | Level 2+先読みタイムトライアル |
| 公式問題集12(本番形式の演習) | 3,630円 | Level 3+模試6本(13セット39問形式) |
| 合計 | 5,874円 | すべて0円 |
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上から順にやるだけで、形式の理解から先読み30秒まで到達できます。
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TOEIC Part3に関するよくある質問
Q1. Part3は何問ありますか?
39問です(13セット×各3問・Q32〜Q70)。リスニング100問のうち約4割を占め、Part1(6問)とPart2(25問)を合わせた31問より多くなっています。
1セットは会話30〜40秒+設問と解答時間で、およそ70〜80秒です。
Q2. 先読みは設問だけ読めばいいですか?選択肢も読むべきですか?
時間が足りない段階では設問だけで十分です。設問さえ読めていれば、何を聞くべきかは決まります。
選択肢まで読もうとして3問目にたどり着けないのが一番もったいないパターンです。30秒で3問の設問を読めるようになってから、余った時間で選択肢のキーワードを拾ってください。
Q3. 先読みが間に合いません。どうすればいいですか?
まず、いきなり30秒で読もうとしないでください。音声を止めて60秒かけて読むところから始め、55秒・50秒と5秒ずつ縮めていくのが確実です。
本番で間に合わなかったセットは、「1問目だけ確実に取る」に切り替えてください。1問目は全体を問う問題が多いので、会話の冒頭に集中すれば拾えます。
Q4. 設問の音声は聞かなくていいのですか?
聞かなくて大丈夫です。設問と選択肢は問題用紙に印刷されているので、音声で聞く必要はありません。
この時間(設問5秒+空白8秒の計3回=約40秒)は、マークを塗る時間と、次のセットを先読みする時間に使ってください。
Q5. 3人の会話が苦手です。何か対策はありますか?
やりとりの回数は増えますが、1セットの尺は2人の会話と大きく変わりません。情報量が急増するわけではないので、必要以上に身構えないでください。
意識するのは「男性が2人か、女性が2人か」だけで十分です。設問で「the men」のように複数形になっていれば、それが判断材料になります。
Q6. Part3とPart4はどちらを先に対策すべきですか?
Part3が先です。問題数がPart3は39問、Part4は30問とPart3のほうが多く、先読みという共通の技術もPart3で身につけたほうが応用が効きます。
Part4は1人が話し続ける形式なので、会話の流れを追う必要がない分、Part3の先読みができるようになっていれば取り組みやすくなります。
まとめ
今回は、TOEIC Part3の対策を解説しました。
要点をまとめます。
- Part1・2で音が取れてからPart3へ(目安はリスニング250点)。ただしPart3は39問と最多
- Part3は39問(13セット×3問)。設問と選択肢は問題用紙に印刷されている
- 勝負は先読み。60秒→45秒→30秒と段階的に縮める
- 設問は3タイプ。全体を問う問題は冒頭、ピンポイントはキーワード、図表は見出しだけ確認
- 解答は会話中に決め切り、設問音声の間にマーク+次の先読み
Part3は、聞き取る力を上げなくてもやり方を変えるだけで点が動くパートです。
まずは今日、1セットだけでいいので「設問を先に読んでから聞く」を試してみてください。音声を止めても構いません。それだけで手応えが変わるはずです。
