社会人のTOEIC平均点は何点?偏差値や目標にすべきスコアも解説【転職】

toeic 平均点 社会人

今回は、最新の社会人のTOEIC平均点を紹介します。

 

平均点は1つの指標となります。

なぜなら、平均点を超えていれば「平均以上に英語ができます!」とアピールして、転職活動を有利に進められるからです。

テン
平均点を知ることで、求人等をみた時に「なぜこのTOEICスコアが条件になっているのか」「どの程度の英語力を求めているのか」など、さまざまなことを推測できます。
また、この記事では単に平均点を紹介するだけでなく「偏差値」も使って、より各スコアの評価をイメージしてもらいやすくしました。
目標にすべきTOEICスコアの基準についても紹介するので、ぜひ参考にしてください!
本記事の信頼性
筆者のTOEICスコアは975点(リスニング495、リーディング480)です!
筆者のTOEICスコア リスニング495 リーディング475 計975

TOEICとは

TOEICは「国際ビジネスコミュニケーション協会」が実施する英語を母語としない方を対象にした試験です。

主に「ビジネスシーンを想定した英語力」の測定を目的としており、5種類の試験があります。

  1. TOEIC®️ Listening & Reading Test
  2. TOEIC®︎ Speaking & Writing Tests
  3. TOEIC®︎ Speaking Test
  4. TOEIC®︎ Bridge Listening & Reading Tests
  5. TOEIC®︎ Bridge Speaking & Writing Tests

最も一般的で認知度が高いのは「Listening & Reading Test」で、日本では年間約200万人もの受験者がいます。

テン
そして、転職や昇進・昇格の評価など、幅広く活用されています。社会人の場合、まずは「Listening & Reading Test」を受けるのが定番です。(本記事で扱うのも「Listening & Reading Test」です。

社会人のTOEIC平均点

さて、本題に入っていきましょう。社会人のTOEIC平均点を解説していきます。

 

TOEICには「公開テスト」「IPテスト」という2つのテストがあります。

簡単に言えば、公開テストは個人申込のテスト、IPテストは団体申込のテストです。

テン
IPテストは、所属している企業・団体が主催しない限り受験できません。

 

そして、それぞれのTOEICテストの社会人の平均点は以下の通りです。(2023年度)

  • 公開テスト:639点(リスニング348点、リーディング291点)
  • IPテスト:532点(リスニング296点、リーディング236点)
テン
執筆時点で最新のデータは2023年度でした。もうすぐ2024年度のデータが手に入ると思うので、手に入り次第追記いたします。また、公開テストの区分は「社会人」ですが、IPテストの区分は「企業・団体」となっていました。よって、IPテストは「社会人のみ」を集計したデータではないことに注意してください。(とはいえ、受験者のほとんどは社会人なので、無視してもOKだと思います。)

社会人のTOEIC平均点から読み取れること

さて、2つのテストの平均点から読み取れることが2つあります。

  1. テストにかかわらず、リーディングよりリスニングの方が高いこと
  2. IPテストの平均点が公開テストより100点以上が低いこと

 

①について、リスニングの方が平均点が高いのは主に以下の2つの理由が関係していると考えます。

  1. リスニングの語彙・文法・英文のレベルが易しいから
  2. TOEICのリーディングは試験時間が短すぎて難易度が高いから
テン
②について補足すると、リーディングの試験時間は75分間です。一見長く見えるかもしれませんが、問題数は100問あります。解いてみると「時間短すぎるだろ!」と感じるはずです。試験時間内に解き終えるのはTOEIC900点以上の方くらいです。

 

続いて②について、IPテストの平均点が低いのは、

  • 受験料が安く、とりあえず申し込んだ
  • 受験が義務付けられた

という方が多く、しっかり対策する受験者の割合が低いからであると考えます。

一方で、公開テストは受験料が高いですし個人で能動的に申し込みを行うので、しっかり対策する受験者が多く平均点も高まります。

 

「公開テストの方が平均点が高い」という事実からよく勘違いされるのが、「公開テストの方が簡単」ということです。

しかし、IPテストの問題には公開テストの過去問が使われているので、原則的には公開テストとIPテストの難易度は同じです。

 

また、「公開テストを受けた方がスコアが上がる」という勘違いもよくあります。

テン
しかしTOEICはスコア採点に独自の統計処理を採用しており、同じ英語力であれば公開テスト・IPテストのどちらを受けても同じようなスコアが出るようになっています。「公開テストの方がスコアが出やすい」ということはありません。もしそんなことが起きたら、スコアの信頼性は失われてしまうでしょう。

 

より詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

TOEIC IPテストの難易度|公開テストより簡単って本当?975点が解説

社会人のTOEICスコア別偏差値

過去のTOEIC統計から、スコアが約17点アップすると偏差値が1上がり、約17点ダウンすると偏差値が1下がることがわかります。

この事実に基づいて、偏差値を計算しました。

公開テストを基準にした場合

「偏差値50=社会人のTOEIC公開テスト平均点=639点」とすると、スコア別の偏差値は以下のようになります。

TOEICスコア偏差値
990点(満点)70.6
979点70
894点65
809点60
724点55
639点50
554点45
469点40
384点35
299点30
214点25
129点20
44点15
10点(最低点)13
テン
TOEICは5点刻みなので実際に取得することはできませんが、計算上TOEIC809点で偏差値60になります。めちゃくちゃ高いですね。

IPテストを基準にした場合

「偏差値50=社会人のTOEIC IPテスト平均点=532点」とすると、スコア別の偏差値は以下のようになります。

TOEICスコア偏差値
990点(満点)76.9
957点75
872点70
787点65
702点60
617点55
532点50
447点45
362点40
277点35
192点30
107点25
22点20
10点(最低点)19.3
テン
TOEICは5点刻みなので実際に取得することはできませんが、計算上TOEIC702点で偏差値60になります。こちらもかなり高いですね。

社会人のTOEIC平均点は大学生より高い

TOEICの主な受験者は社会人と大学生です。

そして、社会人のTOEIC平均点は大学生のTOEIC平均点より高いです。

属性TOEIC公開テスト平均点TOEIC IPテスト平均点
社会人639点532点
大学生596点471点
テン
大学生だと受験からそれほど時間が経っていないためスコアが高くなりそうなんですが、そんなことはないんですね。社会人の方がしっかり勉強しているということでしょうか?

 

社会人の職種別TOEIC平均点

ここからはさらにデータを深掘りしていきます。

まずは社会人の職種別TOEIC平均点を見てみましょう。

テン
職種別平均点のデータは公開テスト・IPテストの両方で公開されています。ただ、2つのデータを混ぜてお話しするとややこしくなると思いますので、今回は受験者が多い(※)IPテストのデータを紹介します。

※社会人のIPテスト受験者数:400,480人、社会人の公開テスト受験者数:297,422人

 

参考:社会人全体のIPテスト平均点は532点

職種平均点リスニング平均点リーディング平均点受験者数
経営628点341点286点4014人
総務518点291点227点5545人
経理597点324点273点8803人
人事559点310点250点8047人
企画599点330点270点16117人
海外689点382点306点6129人
購買554点307点246点5671人
事務534点301点232点26054人
営業548点304点244点46753人
技術499点279点220点103028人
製造424点243点181点22830人
研究598点322点277点21901人
現場作業494点285点209点11270人
広報633点348点209点1365人
マーケティング618点340点285点6445人
SE527点291点237点38585人
法務651点348点303点2912人
財務606点327点280点3084人
教育603点333点270点4411人

 

平均点TOP3の業種は以下です。

  1. 海外:689点
  2. 法務:651点
  3. 広報:618点
テン
海外部門はやはり高いですね。

 

また、受験者数TOP3の業種は以下です。

  1. 技術:103,028人(499点)
  2. 営業:46,753人(548点)
  3. 事務:26,054人(534点)

社会人の役職別TOEIC平均点

次は社会人の役職別TOEIC平均点を見てみましょう。

テン
役職別平均点のデータも公開テスト・IPテストの両方で公開されています。ただ、2つのデータを混ぜてお話しするとややこしくなると思いますので、今回も受験者が多いIPテストのデータを紹介します。

 

参考:社会人全体のIPテスト平均点は532点

役職平均点リスニング平均点リーディング平均点受験者数
役員683点367点316点10206人
部長668点358点310点12101人
課長649点350点299点31484人
係長617点337点280点37601人
一般社員628点343点285点226261人
派遣社員653点359点295点17666人

 

平均点TOP3の役職は以下です。

  1. 役員:683点
  2. 部長:668点
  3. 派遣社員:653点

 

また、受験者数TOP3の役職は以下です。

  1. 一般社員:226,261人(628点)
  2. 係長:37,601人(617点)
  3. 課長:31,484人(649点)

社会人の社歴別TOEIC平均点

次に、社会人の社歴別TOEIC平均点(IPテスト)を見てみましょう。

参考:社会人全体のIPテスト平均点は532点

社歴平均点リスニング平均点リーディング平均点受験者数
内定者617点332点284点16278人
新入社員527点289点237点61144人
入社2〜5年目555点307点248点78701人
入社6〜10年目554点308点246点57000人
入社11年目以上506点285点221点136337人

 

平均点TOP3の社歴は以下です。

  1. 内定者:617点
  2. 入社2〜5年目:555点
  3. 入社6〜10年目:554点
テン
内定者が一番高いんですね。

 

また、受験者数TOP3の社歴は以下です。

  1. 入社11年目以上:136,337人(506点)
  2. 入社2〜5年目:78,701人(555点)
  3. 新入社員:61,144人(527点)

社会人の業種別TOEIC平均点

最後に、社会人の職種別TOEIC平均点(IPテスト)を見てみましょう。

参考:社会人全体のIPテスト平均点は532点

職種平均点リスニング平均点リーディング平均点受験者数
水産・農林569点308点261点254人
鉱業574点313点261点299人
建設465点262点204点9454人
食品600点328点272点4345人
繊維・紙500点276点223点7470人
化学551点300点251点19398人
薬品596点323点273点3751人
石油598点322点275点3467人
窯業549点303点246点3214人
鉄鋼512点281点232点8692人
非鉄金属519点286点233点7738人
機械490点274点216点25044人
電機494点276点218点94360人
造船539点292点247点5848人
車両486点276点210点32898人
精密機器516点283点233点6945人
その他製造504点286点218点9830人
商社598点327点271点8381人
小売業515点291点224点6564人
金融613点330点283点12366人
証券・保険629点336点293点3281人
不動産593点324点269点1878人
運輸570点326点244点19679人
電機・ガス624点334点289点2669人
マスメディア642点344点298点715人
サービス569点316点253点75377人
政府機関524点291点232点15977人
都道府県・市町村474点264点210点385人
公共団体598点322点276点460人
民間団体559点316点244点943人
学校624点345点279点8798人

 

平均点TOP3の業種は以下です。

  1. マスメディア:642点
  2. 証券・保険:629点
  3. 電気・ガス&学校:624点

 

また、受験者数TOP3の業種は以下です。

  1. 電機:94,360人(494点)
  2. サービス:75,377人(569点)
  3. 車両:32,898人(486点)

社会人がTOEICで目指すべきスコア

社会人がTOEICで目指すべきスコアは「650点以上」です。

社会人のTOEIC公開テストの平均点が639点なので、650点以上あれば「平均以上に英語ができます!」とアピールできます。

 

実際、dodaによると、TOEICスコアと年収の相関関係は以下のとおりです。

TOEICスコア平均年収
スコアなし379万円
300点未満374万円
300点台419万円
400点台434万円
500点台437万円
600点台436万円
700点台459万円
800点台487万円
900点台534万円

TOEICによる年収アップが、700点以上から明確に傾向としてあらわれていますね。

社会人のTOEIC勉強法

TOEICは以下の流れで勉強を進めるのが効率的です。

  1. 自分のスコアを診断する
  2. 単語を覚える(中学英単語もしくはTOEIC頻出英単語)
  3. 文法を固める(難しい英文法は対策の必要なし)
  4. 500点まではPart1・2・5に絞って対策
  5. 次はPart3・4・6を対策
  6. 長文のPart7は難しいので一番最後
  7. 定期的に実践演習して勉強の効果を測る
  8. 勉強法を改善する

絶対にやってほしいのは「①自分のスコアを診断する」です。

結構サボってしまう方が多いのですが、これをやるのとやらないのとでは勉強の効率が格段に変わってきます。

 

というのは、TOEICは自分のレベル・スコアによって、やるべきことが大きく変わってくるからです。

 

自分のレベルより低すぎる勉強を実践しても、学べることはほとんどありません。

逆に、自分のレベルより高すぎる勉強を実践してしまうと、わからないことが多すぎて挫折します。

 

よって、まずは自分のスコアを把握することがとにかく重要です。

では、どのようにスコアを把握すれば良いのかというと「TOEICの模試を本番通り2時間かけて通しで解く」のが1つの方法です。

テン
ただ、やってみるとわかりますが、模試を通しで解くのはとっても大変です。時間がかかるのはもちろんですが、何より体力の消耗が半端じゃないです。通しで解いた後は、もう何もやる気が起きなくなります。

 

そこでおすすめなのが、「Santaアルク」というスマホアプリを利用することです。

Santaアルク スコア診断の結果と講義受講の画面

Santaアルク」の画面

 

Santaアルク」は無料で使えるうえ、たった12問のテストを受けるだけでスコア診断ができます。

模試だと2時間かかりますが、「Santaアルク」なら10分もかかりません。

テン
また、「Santaアルク」は「〇〇点」というように1つのスコアが出ますが、公式問題集は「△△点〜▲▲点」というように幅のあるスコアが出てきます。ですので、「結局何点なの?」と迷わされるのはあるあるです。

 

スコア診断をするのとしないのとでは、今後の学習効率が格段に変わります。

もしスコア診断しなければ、不適切な勉強法を実践してしまし、せっかくの時間と努力が無駄になります。

 

ですので、

  • 自分のスコアがわからない方
  • 前にスコアを測ってから2週間以上経っている方

必ず「Santaアルク」で自分のスコアを診断してください。

テン
「後でやろう」では必ず忘れるので、今すぐ「Santaアルク」をダウンロードして、ゲーム感覚で一度スコア診断してみてください。本当に一瞬で終わるのでびっくりするはずです。

 

\ 無料でスコア診断をしてみる! /
Santaアルク

 

 

Santaアルク」でのスコア診断が終わったら、実際の勉強に入っていきます。

詳しい勉強法は以下の記事で解説しているので、「Santaアルク」で診断したスコアより50点ほど高いスコアを扱っている記事を選んでください。

まとめ

社会人のTOEIC平均点を紹介しました。

  • 公開テスト:639点(リスニング348点、リーディング291点)
  • IPテスト:532点(リスニング296点、リーディング236点)

最後に1つ言っておきたいのは、以上の平均点はあくまで「TOEIC受験者の平均点」ということです。

TOEIC受験者は、普通の日本人よりはるかに英語を勉強してきた時間が長いです。

テン
よって、平均点を取ることができれば、日本の中ではかなり英語ができる部類に入ります。自信を持ちましょう!

 

関連記事

転職や昇進・昇格の基準として幅広く用いられているTOEIC。 TOEICのスコアは10点〜990点で評価されます。そのうち、「まず目指すべき」と言われるスコアはTOEIC600点です。 […]

toeic 600点 勉強時間 社会人 初心者 レベル 仕事
関連記事

TOEICは勉強の手順を間違えると、思うようにスコアがアップしません。ということで今回は、社会人向けにTOEICをゼロから対策する勉強法を解説します。 「TOEICの対策を始めたけど、何をやれば良いのかわか[…]

toeic ゼロから 始める 勉強法 スコア 参考書
関連記事

「TOEICって毎月受けるべき?それとも少し間隔を空けた方が良い?」 就職・転職や昇進・昇格のためにTOEICの勉強をしている方は多いですよね。TOEICの勉強をしていると、気になるのが適切な受験頻度です。[…]

toeic 受ける 頻度 毎月 大学生 社会人
関連記事

英語の資格試験はたくさんあります。その中でも特に有名で、日本で広く認知されているのが「英検」と「TOEIC」です。 英検とTOEICは英語力を客観的に示せるという点で共通しているものの、問題の傾向は大きく異[…]

英検 か toeic どっち 社会人 大学生