今回はTOEIC300点のレベルと、300点からスコアを伸ばす勉強法・おすすめ参考書を解説します。
厳しいことを言うと、TOEIC300点はかなり低いスコアです。しかし、順序立てて勉強を進めれば、着実にスコアはアップしていきます。
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TOEIC300点のレベル
まずはTOEIC300点のレベルを解説します。
全体の下位3.52%のスコアで偏差値32
TOEIC300点は上位96.48%=下位3.52%のスコアです。
「TOEIC Program DATA & ANALYSIS」によると、全体の受験者のTOEIC公開テスト平均スコアは608点です。
過去のTOEIC統計より、スコアが約17点ダウンすると、偏差値が1下がる計算になります。
よって、TOEIC300点は偏差値およそ32です。
正答率35%程度
平均的に、リスニングとリーディングは50点ほど差がつきます。
よって、TOEIC300点の場合、リスニング175点前後、リーディング125点前後になることが多いです。
中学レベルの英語ができていない
TOEIC300点の英語力を一言で表すと「中学レベルの英語ができていないレベル」です。中学で勉強するような基本的な英単語を覚えておらず、英文法についてもほとんど理解できていません。
リスニングでは、”table”や”wall”のような一般的によく知られている単語であれば断片的に聞き取ることができるかもしれません。しかし、文章が長くなったり、簡単な英単語が使われなかったりした場合には、内容の理解度が極端に下がります。
リーディングについては、Part5やPart6に出てくるような簡単な文法問題すら満足に解けないでしょう。長文問題になると、正答率は一層下がります。
コミュニケーション能力について、公式資料の「PROFICIENCY SCALE」によると、TOEIC300点はA〜Eの5段階評価のうちD評価(220点以上)になります。
具体的には、ゆっくり話してもらったり繰り返し言ってもらったりすれば簡単な会話が理解できます。また、天気や趣味など、身近な話題であれば応答可能であり、相手が特別な配慮をしてくれれば多少の意思疎通が取れます。
ただ、ビジネスシーンでの電話対応や会議などで自由にコミュニケーションを取ることはできません。そのため、就職・転職活動の際にTOEIC300点というスコアを履歴書等に記載してしまうと、全く評価されないどころかマイナス評価になる可能性さえあります。
英検4級〜5級レベル
TOEICと英検は試験の形式が大きく異なるので単純に比較することはできませんが、TOEIC300点は「英検4級〜5級」に相当します。
「英検4級」=「中学中級程度」、「英検5級」=「中学初級程度」です。
TOEIC300点の評価
ここからはTOEIC300点の評価を以下の4つの視点から解説します。
- 大学・大学院
- 就職・転職
- 昇進・昇格
- 年収
大学・大学院で活用できない
一部の大学・学部では、一定以上のTOEICスコアを取ることで英語試験が免除されたり、単位が認定されたりすることがあります。
基準となるスコアは大学・学部により異なりますが、そのような優遇制度を受けるには500点程度は必要になることが多いです。
よって、TOEIC300点は大学ではほとんど活用できないと言えるでしょう。
また、大学院ともなると、やはりさらに高いスコアが求められます。
たとえば地方国立大学の大学院ではおおむね600点程度、旧帝大の大学院ではおおむね700点程度が最低条件となっている場合が多いです。
よって、TOEIC300点は大学院でもほとんど活用できないと言えるでしょう。
就活や転職で使えない、履歴書に書くべきではない
TOEIC活用状況と求められるスコア
上画像より、新卒採用では545点、中途採用では620点が要件・参考とされる平均的なTOEICスコアの基準となっていることがわかります。
よって、TOEIC300点だと、就職活動や転職活動で活用することはほぼできないと言っていいでしょう。
就職・転職活動を有利に進めたいなら、最低でもTOEIC600点以上を目指しましょう。
また、TOEIC700点以上取れれば、一般的な企業であれば英語力で他の候補者と大きく差をつけられます。
昇進・昇格に関する評価で不利になる可能性がある
TOEIC活用状況と求められるスコア
英語活用実態調査2019によると、昇進・昇格では500点以上のスコアが基準になっていることがわかります。
よって、TOEIC300点だと、所属する企業によっては昇進・昇格の際に不利になる場合があります。
昇進・昇格でTOEICを活用したいなら、最低500点、できれば600点以上を目指して勉強しましょう。
TOEICハイスコアと比べて年収が低い
ここまで解説してきたように、TOEICは就職・転職や昇進・昇格の評価でよく活用されています。
TOEICでハイスコアを取れば就職・転職や昇進・昇格で有利になるため、年収が上がると言えるでしょう。
では、TOEIC300点とTOEICハイスコアの方ではどれほど年収に差が出るのでしょうか。
出典:日経転職版
上のグラフは、日経転職版会員の年代&TOEICスコア別の平均年収を表しています。
そして、TOEIC300点は「〜499点」、つまり青色(各年代の一番下の棒)に含まれます。
たとえば20代のグラフをみてみると、499点以下のスコア保持者の平均年収は410万円です。
一方、500〜599点のスコア保持者の平均年収は440万円なので、30万もの差がついていることになります。
よって、TOEIC300点のままだと将来的に受け取れる賃金が低くなる可能性が高いと言えます。
TOEIC300点の方が抱える問題点
TOEIC300点の方の課題は3つあります。
- 中学レベルの英単語・英文法がわからない
- 英語に触れる機会がない
- 英語を勉強する習慣がない
中学レベルの英単語・英文法がわからない
TOEIC300点は、中学校で英語の勉強をほとんどしていないのと同じレベルです。
中学校で勉強するような英単語・英文法は、どんな英文にも頻出です。そのため、中学レベルの英語が身についていなければ、英文は絶対に読めないし聞けません。
英語に触れる機会がない
TOEIC300点の方は英語に触れる機会が圧倒的に少ないです。
英語に触れる機会とは、英語でコミュニケーションを取る事だけでなく、洋楽を聴いたり、英語音声・字幕で海外ドラマ・英語を観たりすることも含まれます。
英語に触れる機会がないと、「英語」そのものに対して抵抗感を感じます。
また、英語を読む体力や集中力がなくなるので、TOEICの試験で最後まで集中できなくなります。
ただ英語を勉強するだけでなく、日常的に意識的に英語に触れることがTOEICスコアアップのために重要です。
英語を勉強する習慣がない
TOEIC300点の方は英語の勉強時間が圧倒的に少ないです。
どんなに効率の良い方法で勉強しても、勉強時間が少なければ英語力は伸びません。
TOEIC300点からでもスコアは上がる。600点を目指そう
ここまでTOEIC300点のレベルを解説してきました。300点は平均よりかなり低いスコアなので、ショックに感じた方は多いかもしれません。
しかし、安心してください。冒頭でも言いましたが、正しい順序で勉強すれば、着実にスコアは伸びていきます。
TOEIC300点からスコアを伸ばす勉強法
ここからはTOEIC300点から400点、500点、600点へとスコアを伸ばす勉強法を解説します!
中学レベルの英単語を覚える
まずは単語学習です。英単語が分からなければ英文は読めませんし、聞けません。
TOEIC300点の人は、まず中学レベルの英単語を覚えていきましょう。
英単語を覚える原則は反復です。何度も繰り返し英単語を目にすることで、だんだんと英単語が長期記憶に定着します。
では具体的に1日にどのくらいの英単語に目を通せば良いかというと、目安は50〜100単語です。
単語帳の50〜100単語を1サイクルとして、毎日5回以上目を通していきましょう。
このサイクルを数日間回し続けて、8割の英単語の意味がパッと思いつくようになったら、次のサイクルに移行してください。
そして、単語帳の最後の英単語まで終わったら、また最初に戻って同じようにサイクルを回していきましょう。
英文法を勉強する
英単語と並行して行なってほしいのが英文法です。
英文法の理解度が低いとリスニングの聞き取りの精度が落ちるので、正答率が下がります。また、リーディングでは読解スピードと精度が落ちるので、正答率がガクッと下がります。
現状TOEIC300点の方は、中学レベルの英文法がまだ理解できていません。
焦らず、be動詞や基本5文型からじっくりしっかり勉強していきましょう。
簡単な長文で英語に慣れる
TOEIC300点の方は、英語に対する抵抗感があるはずです。その状態でTOEICの問題を解くと、分量に圧倒されて挫折してしまう可能性があります。
よって、TOEICの勉強に入る前に、簡単な長文を使って英語に慣れるフェーズを挟みましょう。
長文の使い方は以下の通りです。
- 黙読
- 自分なりに英文を訳す
- 解答の訳と自分の訳を見比べて修正する
- 音声を聞く
- 音読する
⑤の音読は、リーディング・リスニングの両方を同時に対策できる勉強法です。
音読を繰り返すことで英語の音を正しく理解できるほか、英語の語順に慣れて英文を前から理解できるようになるので速読力もアップします。
TOEICについて知る
中学英語をある程度勉強できたら、本格的なTOEIC対策に入っていきます。
まずは「TOEICの試験がどのようなものか」についての知識を身につけましょう。
とりあえずおさえておくべき知識は以下の通りです。
- 試験時間
- 問題数
- スコア
- Part別の問題の内容と問題数
- TOEICのメイン題材
TOEICの試験時間についてですが、リスニング約45分間、リーディング75分間の合計約120分です。
問題数・スコアはリスニング・リーディングそれぞれ100問・495点ずつ、合計200問・990点です。
TOEICにはPart1〜7まであって、リスニングはPart1〜4、リーディングはPart5〜7です。
それぞれのPartの問題内容と問題数は以下の通りです。
Part | 問題とその内容 | 問題数 |
Part1 | 写真描写問題:写真を最も適切に描写する選択肢を選ぶ | 6問 |
Part2 | 応答問題:問いに対する適切に応答している選択肢を選ぶ | 25問 |
Part3 | 会話問題:2〜3人の会話の内容が問われる | 39問 |
Part4 | 説明文問題:留守番電話などについての内容が問われる | 30問 |
Part5 | 短文穴埋め問題:短文の空所に当てはまる選択肢を選ぶ | 30問 |
Part6 | 長文穴埋め問題:長文の空所に当てはまる選択肢を選ぶ | 16問 |
Part7 | 長文読解問題:長文の内容に関する内容が問われる | 54問 |
TOEICによく出る題材は「ビジネス」です。リスニングでは社員への連絡事項や会社合併など、リーディングではビジネスメールや文書などが問題に出題されます。
ただし、「ビジネスの知識がゴリゴリ問われる」みたいなことはありません。
TOEIC特有の英単語を覚える
さて、TOEICについての知識はこれくらいおさえておけばOKです。
ここからは実際の勉強方法についてお話しします。
まずはTOEIC特化の英単語帳を使って、TOEIC特有の英単語を覚えましょう。
「どのくらいの英単語を覚えるべきか」は目標スコアにより異なりますが、たとえば600点を目指すなら5,000語程度は必要です。
覚えるべき単語の量が多くて大変に感じるかもしれませんが、単語を暗記することなくTOEICスコアアップは不可能なので、ここは踏ん張りましょう。
一つ良いことを言っておくと、現状TOEIC300点の場合、英単語を覚えるだけでも驚くほど英語が読みやすく/聞き取りやすくなります。
そして、スコアがどんどんアップするので、勉強のモチベーションアップにつながります。
逆にTOEIC700点とかハイスコアになってくると、英単語を覚えることは必須ですが、「英単語を覚えるだけ」では全然スコアは伸びません。
他の要素(リスニング力など)の重要性が高まってくるからです。
Part1・2・5・6を重点的に対策する
ここからはよりTOEICに特化したお話をしていきます。
TOEICにはPart1〜7までありますが、Partごとに難易度は大きく変わります。簡単なのはPart1・2・5・6、難しいのはPart3・4・7です。
現状TOEIC300点の方は、まずは簡単なPart1・2・5・6を重点的に対策しましょう。そして、安定して600点取れるようになったら、Part3・4・7の対策を始めてください。
Part1対策
Part1対策では、Part1の頻出英単語を覚えることが効果的です。
「TOEIC銀のフレーズ」の「パート1重要語50」を覚えましょう。
Part2対策
Part2対策では、問題演習を繰り返すことが効果的です。
問題パターンを身体に染み込ませる気持ちで、問題演習しましょう。
Part5・6対策
Part5対策も、問題演習を繰り返すことが効果的です。問題パターンを身体に染み込ませる気持ちで、問題演習しましょう。
ちなみに、Part5を対策すれば、自ずとPart6もできるようになります。よって、特別Part6を対策する必要はありません。
実践演習でPart6を解いて問題の形式に慣れておけばOKです。
実践演習
TOEICは形式が特殊な試験です。そのため、実践的に問題を解いて形式に慣れることがスコアアップのために重要です。
なお、TOEIC600点に到達するまでは試験時間を気にする必要はありません。
試験時間を気にして焦って問題を解くより、1問1問丁寧に解いた方が演習効果は高まります。
実践演習が終わった後は復習を欠かさず行ってください。
ただし、すべてのPartを復習する必要はありません。すべて復習すると負担が大きすぎてモチベ低下につながるからです。
復習する際に意識してほしいポイントは4つあります。
- わからない英単語を調べる
- わからない英文法を調べる
- リスニングで聞き取れない英文は聞き取れるようになるまで聞き直す
- リーディングでスラスラ読めない英文はスラスラ読めるようになるまで読み直す
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TOEIC300点からスコアを上げるためにおすすめの参考書・教材
ここからはTOEIC300点の方におすすめの参考書や教材を紹介します!
ターゲット中学英単語1800
どんな英文にも頻出の中学英単語を「英文に出る順」で覚えられる英単語帳です。
前から順番に覚えるだけで、どんどん英文を読む/聞く力が身につきます。
TOEIC 出る単特急 銀のフレーズ
TOEICの定番単語帳です。書店のTOEICコーナーに行くと、必ずと言っていいほど一番目に入るところに置かれています。
銀フレには、以下のTOEIC頻出の1000単語が掲載されています。
- 基礎の400語:TOEIC300点レベル
- 頻出の300語:TOEIC400点レベル
- 必須の200語:TOEIC500点レベル
- 発展の100語:TOEIC600点レベル
どの英単語もTOEICにはよく出るので、必ず覚えてください。
このほか、銀フレには以下の補足単語集があります。
- 設問に出る単語・表現
- パート1重要語50
- 注意すべき日常単語
- 前置詞・接続詞・接続副詞
- 部署・職業・専攻名
- 定型表現100
補足単語集に載っているのは、覚えておくとTOEICの問題を解くときに役立つ単語やフレーズです。
よって、見出し語を覚えた後は、これらの補足英単語集も覚えるようにしましょう。
大岩のいちばんはじめの英文法
中学レベルの基礎から英文法を勉強できる参考書です。
これ1冊あれば、TOEICに出る英文法の大部分はカバーできます。
英語長文レベル別問題集レベル3 標準編
英語長文がレベル別に掲載されている問題集です。英語に慣れるために使いましょう。
レベルが1〜6までありますが、使って欲しいのはレベル3です。
TOEIC L&R TEST 初心者特急 パート1・2
TOEICリスニングのなかで比較的簡単なTOEICパート1・2に特化した参考書です。
「初心者特急」とついているだけあって基礎事項から丁寧に解説してくれているので、TOEIC超初心者の方でも挫折することなくTOEICリスニング対策ができます。
TOEIC L&Rテスト 文法問題はじめの400問
この問題集には、TOEICのPart5の問題が400問掲載されています。
いきなり本番レベルの問題を解くのではなく、短くシンプルな基礎問題から解いていく構成になっているので、挫折せずに問題演習できます。
TOEIC300点からスコアを上げるのにかかる勉強時間
一般的に、TOEICのスコアを100点アップさせるには200〜300時間程度必要と言われています。
これに基づいて計算すると、TOEIC300点から目標スコアに上げるまでにかかる勉強時間の目安は以下のようになります。
- TOEIC300点から400点:200〜300時間
- TOEIC300点から500点:400〜600時間
- TOEIC300点から600点:600〜900時間
- TOEIC300点から700点:800〜1200時間
- TOEIC300点から800点:1000〜1500時間
しかし、実際にはこんなにかかりません。
というのは、「100点アップに200〜300時間」という値は、あくまで1985年の調査結果なんです。
より正確に言えば、「Saegusa, Y. (1985) Prediction of English Proficiency Progress. Musashino English and American Literature, 18: 165–185」から持ってきているデータです。
当然、1985年と現在では状況が全くと言っていいほど異なります。
TOEICの勉強法に関する情報はネットで簡単に手に入りますし、英語・TOEICの教材もたくさんあります。
よって、現在では100点アップに200〜300時間もかかりません。
まとめ
TOEICで300点は全体の下位3.5%と、かなり低いスコアです。しかし、300点からでも、今回解説したように順序立てて勉強すればスコアは着実伸ばせます。
今回はTOEIC350点のレベルと、350点からスコアを上げる勉強法・おすすめ参考書を解説します。TOEIC350点は非常に低いスコアです。しかし、順序立てて勉強を進めれば、着実にスコアはアップしていきます。 TOEIC対[…]
TOEICは「国際ビジネスコミュニケーション協会」が実施する英語を母語としない方を対象にした試験です。就職活動や転職活動など、さまざまな場面で活用されています。 では、どれくらいのスコアを取れば「すごい!」[…]