今回はTOEIC580点のレベルと、580点からさらにスコアをアップさせるための勉強法・おすすめ参考書を解説します。
- TOEIC580点のレベルが知りたい
- TOEIC580点からさらにスコアをアップさせる勉強法を知りたい
という方は必見です!
筆者のTOEICスコアは975点(リスニング495、リーディング480)です!(大学3年時取得)
![TOEICスコア リスニング495 リーディング475 計975](https://english-route.com/wp-content/uploads/2024/02/英語速読.png)
TOEIC580点のレベル
TOEIC580点は全体の上位60.8%
2022年度のTOEIC公開テストスコア取得者の割合は以下の通りです。
(TOEIC Program DATA & ANALYSISより筆者作成)
よって、580点は上位53.6%〜63.9%の間のスコアだと考えられます。
ただ、このデータには1年に何度もTOEICを受験している人も含まれています。
つまり、ダブルカウント(それ以上の重複カウントの場合もある)されているということです。
よって、次は重複カウントを省くために、個別の試験の状況も確認してみましょう。
TOEIC公式が発表している「第351回 平均スコア・スコア分布 詳細」によると、
- 点数が595点未満の人は全体の下位44.7%
- 点数が545点未満の人は全体の下位33.9%
- 点数が495点未満の人は全体の下位24.0%
です。よって、TOEIC580点は上位55.3%〜66.1%の間のスコアだと考えられます。
先ほどの数値(上位53.6%〜63.9%)と平均すると、TOEIC580点は上位54.5%〜65.0%となります。
TOEICのスコアは5点刻みなので、540点から590点までの点数の種類は以下の11通りです。
- 540点(上位65.0%)
- 545点
- 550点
- 555点
- 560点
- 565点
- 570点
- 575点
- 580点
- 585点
- 590点(上位54.5%)
それぞれのスコアに均等に受験者が分布しているとすれば、各スコア間の差は1.05%(=(65.0%-54.5%)/10)になります。
よって、580点は56.6%(=65.0%-1.05%×8)です。
TOEIC580点は平均点より少しだけ低く偏差値48
「TOEIC Program DATA & ANALYSIS」によると、全体の受験者のTOEIC平均スコアは608点(公開テスト)です。
過去のTOEIC統計より、スコアが約17点ダウンすると、偏差値が1下がる計算になります。
よって、TOEIC580点は偏差値およそ48です。(公開テストの平均点より計算)
平均点より少しだけ低いですね。
TOEICの問題には相性がある(=スコアにブレがある)ので、複数回受験すれば平均点を超えることもあるでしょう。
TOEIC580点は公式の3段階のリスニング力評価で上から2番目のレベル
平均的に、リスニングとリーディングは40〜50点ほど差がつくことが多いです。
よって、TOEIC580点の場合、リスニング320点前後、リーディング260点前後になるでしょう。
「Score Descriptor Table」によると、TOEICリスニング320点は3段階中真ん中の評価で、以下のような特徴が認められます。
- 短い会話で語彙が難しくない時は話の趣旨・目的・文脈が推測できることがある
- 情報の繰り返しや言い換えがあるときは長い会話を理解できる
- 間接的な応答や予測が難しい会話は会話の理解が困難である
- 広い範囲にわたって情報を関連づける必要があるときは会話を理解できない
TOEIC580点は公式の4段階のリーディング力評価で下から2番目のレベル
また、リーディング260点は4段階中下から2番目の評価で、以下のような特徴が認められます。
- 限られた長さの文章では簡単な推測ができる
- 文中と問題の表現が同じであれば事実に基づく情報に関する問題に正答できる
- 言い換えがある場合は推測が困難
- ふたつ以上の文章にわたる情報を関連づけることができない
- 難しい語彙や例外的な意味、複雑な文法構造が理解できない
TOEIC580点は公式の5段階のコミュニケーション能力評価で上から3番目のレベル
「PROFICIENCY SCALE」によると、TOEIC580点はA〜Eの5段階評価のうち、C評価(470点以上)です。
C評価は「日常生活のニーズを充足し、限定された範囲内では業務上のコミュニケーションができる」レベルで、以下の特徴を備えています。
- 通常会話であれば要点を理解し、応答にも支障はない
- 複雑な場面における対応や意思疎通では巧拙(上手い/下手)の差が見られる
- 基本的な文法・構文は身についている
- 表現力の不足はあるが、ともかく自己の意思を伝える語彙を備えている
TOEIC580点は英語の基礎ができているTOEIC初級者
TOEIC580点の場合、中学レベルの英語の基礎がしっかり身についています。
TOEIC特有の英単語が定着し始めており、中学レベルの英文法をしっかり理解し、問題形式にも慣れてきたTOEIC初級者と言えるでしょう。
ここからスコアをさらに伸ばすためには、記事後半に解説するように、順序立てて勉強することが重要です。
TOEIC580点はCEFRB1で英検2級レベル
CEFR(セファール)とは、外国語の習熟度や運用能力をはかる国際的な指標です。
上記の文部科学省のデータによると、TOEIC580点はCFFR B1程度に相当します。
また、英検に換算すると、TOEIC580点は英検2級(高校卒業程度)に相当します。
TOEIC580点は就活では活用できる場面があるが転職では活用できない場面が多い
(英語活用実態調査2019より引用)
上画像より、新卒採用では545点、中途採用では620点が要件・参考とされる平均的なTOEICスコアの基準となっていることがわかります。
TOEIC580点だと新卒採用で求められる平均スコアより35点高いので、就職活動でスコアを活用できる場面があるでしょう。
しかし、580点は公開テストの全受験者平均スコアである608点より低いです。
そのため、一部の企業の選考においては、スコアを履歴書に書くと「平均より英語ができない」と評価される可能性があるので注意しましょう。
また、580点は中途採用で求められる平均スコアより40点低いので、転職活動でスコアを活用できる場面も限られます。
就職・転職活動でTOEICスコアを活用したいなら、最低でもTOEIC600点以上を目指しましょう。
また、TOEIC700点以上取れれば、一般的な企業であれば英語力で他の候補者と大きく差をつけられます。
TOEIC580点からさらにスコアを伸ばす勉強法
ここからはTOEIC580点からさらにスコアを伸ばす勉強法を解説します!
TOEICについて知る
TOEICにはリスニングセクション(Part1〜4)とリーディングセクション(Part5〜7)があります。
Part1 | 写真描写問題 |
Part2 | 応答問題 |
Part3 | 会話問題 |
Part4 | 説明文問題 |
Part5 | 短文穴埋め問題 |
Part6 | 長文穴埋め問題 |
Part7 | 長文読解問題 |
それぞれのPartで、問題の特徴・傾向や対策方法は大きく異なります。
まずはその違いを知りましょう。
「TOEIC全パート攻略法+テクニック(単語帳・問題集付き)」で詳しく解説しているので、必ずご覧ください。
TOEIC特有の英単語を覚える
TOEICの英語は「ビジネスシーンを想定した英語」です。
大学受験や日常英会話とは異なる「TOEIC特有の英単語」が多く登場します。
よって、TOEIC特有の英単語を覚えることがスコアアップのために重要です。
TOEIC特有の英単語を覚えるには、TOEICに特化した英単語帳を使うのが最適です。
おすすめのTOEIC英単語帳は「金のフレーズ」です。
英単語を覚えるコツは4つあります。
- 発音する
- 反復する(1度に多くの英単語に目を通すことを繰り返す)
- 毎日寝る前に暗記する
- 1冊しっかり覚える
これをやるだけで英単語の暗記効率はグッと向上します。
英文法をしっかり理解する
英文法は、英単語と並んで重要な英語の基礎です。
英文法の理解度が低ければ英文を読むスピードが落ちますし、正しく英文を読めない可能性もあります。
また、TOEICのリーディングセクションには英文法問題が多数出題されるので、確実に理解することが大切です。
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スラッシュリーディングする
TOEIC580点以下の方は英文を「返り読み」する癖があります。
返り読みというのは、英文を一度最後まで目を通した後、後ろから日本語に訳していくことです。
返り読みをしてしまうと、
- リーディングでは読解スピードが遅くなる
- リスニングは内容が理解できなくなる
など、たくさんの弊害が出てきます。
英文を返り読みしないで前から理解できるようにするために、スラッシュリーディングをしましょう。
スラッシュリーディングというのは意味のまとまりごとにスラッシュを入れる練習法です。
例えば、以下のように行います。
スラッシュの入れ方は1つではありません。
慣れないうちはスラッシュは多くなるはず。
オーバーラッピング
オーバーラッピングは、スクリプト(音声の書き起こし)を見ながら音声を流し、音声に重ねるように発音する練習法です。
- リスニング音声のスピードに慣れる
- 正しい発音がわかる
といった効果があります。
オーバーラッピングの手順は以下です。
- リスニング教材・素材を選ぶ
- 一度全文を聞いてみる
- スクリプトを確認する
- 音声を聞きながらスクリプトを黙読する
- スクリプトを見ながら音声と同時に発声する
リスニング教材・素材は難しすぎないモノを選びましょう。
おすすめの教材はTOEIC公式問題集のPart1・2、慣れてきたらPart3やPart4の長文でオーバーラッピングしていきましょう。
ディクテーション
ディクテーションは、聞こえた音声を書き取る練習法です。
- リスニング音声のスピードについていけるようになる
- 音の連結を判別できるようになる
という効果があります。
ディクテーションは以下の手順で進めます。
- 全文を聞く
- 音声を1文ごとに区切って止めながら書き取る(書き取れるまで音声は何度再生し直してもOK)
- 再度全文を聞いて、意味を意識しながら書き取った内容をチェック
- スクリプトを見て間違いがないかチェック
- 間違いがあった場合は聞き取れるようになるまで聞き直す
Part5の文法問題を解く
リーディングで最も安定して点数を取れるのはPart5の文法問題です。
まず文法問題で確実に正答できるようになることを目指しましょう。
具体的な勉強法としては、とにかく問題を解いてください。
問題を解いて、問題のパターンを覚えてしまいましょう。
おすすめの文法問題集は「TOEIC文法問題でる1000問」です。
実践演習する
TOEICは問題の形式が特殊です。
また、試験時間はリスニング約45分リーディング75分、合計で約120分とかなり長いです。
形式に慣れるため、そして120分間集中できる体力を身につけるために、実践演習を繰り返しましょう。
実践演習には、先ほどから何度も紹介しているTOEICの公式問題集を使うのがおすすめです。
TOEIC580点から短期間でスコアを上げるコツ
短期間でスコアを上げるために、以下を実践しましょう。
- 英語に触れる時間を増やす
- スキマ時間を活用する
- 定期的に自分の実力を把握する
英語に触れる時間を増やす
- 英語の本を読む
- 英語のニュースを聞く
- 映画・ドラマを英語字幕・音声で視聴してみる
- 英語で日記を書く
というように、まずは普段から英語に触れることを意識づけましょう。
- 1週間のうち1日だけ7時間英語に触れる
- 1週間毎日1時間ずつ英語に触れる
①と②は「1週間のうち英語の触れた時間が7時間」という点では同じです。
しかし、②の方が英語力が格段にアップしていきます。
スキマ時間を活用する
仕事や学業で忙しく、まとまった時間を確保できない方は多いでしょう。
その場合はスキマ時間を積極的に活用していきましょう。
- 通勤・通学の移動時間
- 休憩時間
など、日々の生活を見直すと、勉強に有効活用できそうなスキマ時間はたくさん見つかるはずです。
1日30分でもスキマ時間に勉強できれば、1ヶ月で15時間もの勉強時間になります。
スキマ時間の勉強には、スタディサプリ ENGLISH TOEICテスト対策
を活用するのがおすすめです。
定期的に自分の実力を把握する
Santaアルクのスコア診断をしたり、公式問題集を通しで解いたりして、定期的に自分の実力を把握しましょう。
この作業を通じて「今やっている勉強法が効果的かどうか」を判断できます。
効果的(スコアが伸びている)であればそのまま続ければ良いですし、効果的(スコアが伸びていない)でないなら何か改善すべきところがあるはずです。
また、自分の苦手を見つけることができるのもポイントです。
弱点を克服するように勉強すれば、自ずとスコアはアップしていきます。
TOEIC580点におすすめの参考書・教材
ここからはTOEIC580点の方におすすめの参考書・教材を紹介します。
TOEIC全パート別攻略法
4ヶ月でTOEIC975点を取った私のTOEIC研究をすべて詰め込んでいる記事です。
- 問題の傾向・形式
- スコア別の目標解答時間
- 各Partの勉強法
- 解答スピードと正答率を同時に上げる問題の解き方とテクニック
- スコアアップのコツ
など、「これさえ読めばTOEICのことがバッチリ理解できる!」と自信を持って言えるほど内容が充実しています。
さらに、英単語帳やTOEIC英文法解説pdf、リーディングセクションPart5の文法問題集なんかも付いています。
TOEIC 出る単特急 金のフレーズ
TOEIC600点以上を取るのに必要な英単語が1000語掲載されている英単語帳です。
以下のように英単語がレベル分けされており、目標スコアに合わせて頻出英単語を学べます。
- 600点レベル(400単語)
- 730点レベル(300単語)
- 860点レベル(200単語)
- 990点レベル(100単語)
580点の方は、まず600点レベルの英単語を確実に覚えるようにしましょう。
さらに、730点レベルの英単語まで覚えられると、一気に英文が聞き取り/読みやすくなります。
TOEIC 文法問題 でる1000問
TOEICのPart5の文法問題が1049問掲載されている問題集です。
とにかく網羅性が高いのが特徴。
Part5の文法問題の正答率と解答スピードを上げるために使ってほしい問題集です。
TOEIC公式問題集
本記事ではすでに何度も登場していますが、TOEICの実践演習をするのに特におすすめしたい問題集です。
「公式」というだけあって本番に近い難易度・形式の問題が掲載されています。
そのうえ、本番と同様のスピーカーがリスニング音声の収録を担当しているので、限りなく実践に近い形で問題演習できます。
現在、冊子・バージョンは1〜10まであり、10が最新です。
問題集としては価格が少し高いですが、本気でTOEICを勉強するなら最低1冊は持っておきたい問題集です。
TOEIC580点からスコアを伸ばすために使うべきアプリ・学習ツール
ここからはTOEICの学習効率を上げてくれる学習ツールを紹介します。
短期間でスコアを伸ばしたい方は、積極的に利用しましょう。
Santaアルク
SantaアルクはTOEIC対策をするなら必須級のアプリです。
Santaアルクがおすすめな理由は3つあります。
- 無料のレベルテストでスコアを診断できる
- AIがひとりひとりに合わせた学習カリキュラムを提案してくれる
- 無料プランでも講義・模試(30問)を受けられる
特に注目してほしいのが「①無料のレベルテストでスコアを診断できる」ことです。
たった12問のテストを受けるだけでスコア診断ができるので、定期的に自分のスコアを把握するのに非常に役立ちます。
しかも精度が95%と高いため、診断結果を信頼できるのもポイントです。
Santaアルクは、TOEICの勉強をするなら必ず使いたいアプリです。
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TOEICに関してよくある質問
公開テストとIPテストはどっちを受けるべき?
公開テストとIPテストのスコアの有効性に違いはないので、基本的にはどちらを受けても構いません。
受験料がリーズナブルなIPテストを受けるのがおすすめです。
ただ、就職や転職の際に公開テストでのみ受け取れる「公式認定証」の原本・コピーが求められる場合があります。
その場合は公開テストの受験が必要なので注意してください。
大学生はTOEICをいつまでに受けるべき?
就活を意識するなら、大学2年生から受験して、就活やインターンが始まる1〜6ヶ月前には一定以上のスコアを確保することが理想です。
また、就活で使えるスコアは600点以上ですが、TOEIC初心者がいきなり600点を取るのは難しいです。
よって、初受験では500点を目指すのがおすすめです。
TOEICを受ける理想の頻度は?
TOEICを受ける理想の頻度は毎月です。
毎月TOEICを受けるメリットは3つあります。
- TOEIC学習のモチベーションを維持しやすい
- 目標スコアを達成できる可能性が高くなる
- 試験に慣れやすい
ただ、現実的に毎月受験するのは難しいでしょう。
よって、以下を目安に受験するのがおすすめです。
- 社会人は3ヶ月に1回
- 大学生は2ヶ月に1回
- 自分の英語力チェックor英語力を維持したい方は半年に1回
まとめ
TOEIC580点のレベルと、580点からさらにスコアを伸ばすための勉強法・おすすめ参考書を解説しました。
今回解説した勉強法を実践して、ぐんぐんスコアを伸ばしていきましょう!
今回はTOEIC600点のレベルと、600点以上を取るための勉強法・おすすめ参考書を解説します。また、600点から700点/800点/900点にスコアを伸ばす勉強法についても解説します。 TOEIC60[…]