結論:TOEIC IPの対策は公開テストとまったく同じ。やるべきは①今の実力を知る→②正しい順で基礎(語彙・文法)→③問題演習、の3ステップだけです。
「大学・会社で急にTOEIC IPテストを受けることになったけど、何から手をつければいいの…?」そう焦っている人は多いと思います。
でも安心してください。
大前提、IP専用の特別な対策なんて存在しません。IPと公開テストは、出題される問題の中身もそっくりです。
だから「IP対策」と身構える必要はなく、普通にTOEIC対策すればOK。で、対策のやり方はこの記事に書いています。
筆者のTOEICスコアは975点(リスニング495、リーディング480)です!

【結論】TOEIC IP対策は公開テストと同じ|やることは3ステップ
結論:TOEIC IPの対策は、公開テストとまったく同じでOKです。「IP専用の勉強法」というものは存在しません。
冒頭でもお伝えしましたが、ここは超大事なのでもう一度はっきり言います。
IPだから特別なことをやる、という発想は必要ありません。
なぜ同じでいいのか。理由はシンプルで、出てくる問題の中身が公開テストとまったく変わらないからです。
リスニングもリーディングも、Partの構成も、問われる英語力も、IPと公開テストで違いはありません。
違うのは申込のしかたや受験する場所、結果の出方といった”試験の周り”の部分だけ。
中身が変わらない以上、対策を変える理由がないんですよね。
「でもIPって公開テストより簡単なんでしょ?」とか「そもそもIPと公開テストって何が違うの?」と気になる人もいると思います。
難易度の話はTOEIC IPテストは簡単?難しい?の記事で、IPと公開テストの細かい違いはTOEIC IPテストとは何かの記事でそれぞれ詳しく解説しているので、そっちを読んでみてください。
ここでは「TOEIC対策」に全集中します。
TOEIC IP対策でやることは3ステップだけ
やることはたった3つです。この記事も、この流れに沿って進んでいきます。
- STEP1:今の実力を知る
まずは自分の現在地(今のスコア)を正確に把握します。ここがズレると、この先の勉強が全部ムダになりかねません。やり方はこのあとすぐ次の章で説明します。 - STEP2:正しい順番で基礎を固める(語彙→文法)
TOEICは「順番」が9割です。いきなり問題演習に飛びつくのではなく、語彙→文法の順で土台を作ります。勉強法の方向性と、そこで使うおすすめの参考書については、それぞれ専用の章で紹介します。 - STEP3:問題演習で仕上げる
基礎ができたら、模試や問題集でアウトプットして本番に慣れます。模試・過去問をどう扱うか、さらにスコア帯別の進め方は記事の後半でまとめました。
「IPは過去問の組み合わせ」って本当?過去問は手に入る?
IP対策を調べていると、「IPは過去問の使い回しだから過去問を解けば有利」という話を見かけます。これ、半分は本当で、半分は誤解です。
たしかにIPは、過去に公開テストで使われた問題を複数回ぶん組み合わせて作られています。
でも、「特定の1回分がそっくりそのまま出る」わけではありません。だから「この回が出る」とヤマを張るのは正直ムダなんです。
しかも、公開テストの過去問そのものは一般には入手できません。
じゃあ何で演習すればいいのか。代わりになる教材と、過去問・模試の詳しい扱いは、後半の「模試・問題演習・過去問はどうする?」の章でまとめて解説します。
それでは、最初のステップ「今の実力を知る」から見ていきましょう。
TOEIC IP対策で最初にやること|今の実力を知る
結論:対策の第一歩は、今のスコアを正確に知ることです。ここを飛ばすと、せっかくの勉強がまるごとムダになりかねません。
STEP1は「今の実力を知る」。地味ですが、ここが対策のすべての土台になります。
「いやいや、今の自分のレベルなんて知らなくてもとにかく勉強すればいいでしょ」と思うかもしれません。
でも、ぶっちゃけこれが一番危ない発想です。
なぜ最初に「今のスコア」を知る必要があるのか
理由はシンプルで、今のスコアによって、やるべき勉強がガラッと変わるからです。
たとえば、教材選び一つとっても今の実力で正解が変わります。
レベルが高すぎる教材を選ぶと、解説を読んでも何が書いてあるか分からず「学べない」状態になります。
逆に簡単すぎる教材だと、できることの確認ばかりで時間を浪費し、伸びている実感がなくて「挫折」します。
どちらも、自分のレベルを知らないまま教材を選んだ人がハマる落とし穴です。
スコアを把握する方法はいくつかあります。
- TOEICを実際に受験する(1日潰れる&スコアがわかるまで時間がかかるのでおすすめしない)
- TOEICの模試を解く(めちゃくちゃ疲れる&〇〇〇点というスコアではなく、〇〇〇点〜□□□点と幅のあるスコアしか診断できない)
- アプリを使う(楽だから推奨)
この中でも特におすすめなのがアプリの利用です。なぜかというと、無料で使えるものもありますし、圧倒的に楽でかつ精度も高いからです。
出てきたスコアは「平均と比べる」より「次の一手」に使う
診断でスコアが出たら、それを「対策の出発点」として使います。大事なのは、出た数字に一喜一憂することではありません。
「平均と比べて自分は高いのか低いのか」が気になる気持ちも分かりますが、対策の段階ではそこに深入りしなくてOKです。
平均は、あくまで他人の数字。
あなたがやるべきことは、平均との差を眺めることではなく、今の自分のスコア帯に合った勉強を、正しい順番で始めることです。
なお、平均点や自分の立ち位置(上位何%か)をきちんと知りたい人は、TOEIC IPの平均点の記事でデータをまとめています。
今の実力が分かったら、次はいよいよ具体的な勉強法に入っていきましょう。
TOEIC IPのスコアを上げる対策・勉強法
結論:勉強は”順番”が9割。語彙→文法→技能(リスニング/リーディング)の順でやるだけで、伸び方が別物になります。
現在地が分かったら、いよいよ中身の勉強です。
でもここで多くの人がいきなり問題集を解き始めて、つまずきます。ぶっちゃけ、つまずく原因は勉強の「量」ではなく順番なんですよね。
TOEICで伸び悩む人のほとんどは「頑張ってない」わけじゃありません。やる順序を間違えているだけなんです。
家を建てるとき、土台もないのにいきなり屋根を乗せませんよね。
英語学習もまったく同じで
- 土台(語彙)
- 骨組み(文法)
- 仕上げ(技能演習)
という流れを守るのが最短になります。
だからこの章では「何を・どの順番で・なぜやるのか」という方向性を、はっきりお伝えします。
この流れさえ守れば、勉強の効果はびっくりするほど変わります。
まずは語彙
最初にやるべきは単語です。語彙が足りないと、文法も読解もリスニングも全部空回りします。
「単語は地味だし退屈だから、いきなり問題演習で実戦感覚を…」という気持ち、めちゃくちゃ分かります。でも、これが一番遠回りなんですよね。
なぜ語彙が最優先なのか。単語を知らないと、そもそも英文の意味が分からないからです。
考えてみてください。知らない単語が1文に3つも4つもあったら、その文は何回読んでも意味が取れません。
文法の解説を読んでも例文の単語が分からない。リスニングで聞き取れても意味が浮かばない。
しかも嬉しいことに、TOEICは出る単語がかなり決まっています。ビジネスや日常のシーンに偏っているので、ピンポイントで覚えれば一気にスコアに直結します。
ここが、範囲が広い英検や大学受験英語との大きな違いです。
使う教材は以下2つがおすすすめです。
- TOEIC受験者の定番である『金のフレーズ』(通称・金フレ)
- まだ基礎が不安な人は『銀のフレーズ』(銀フレ)
今のレベルが300〜400点台くらいなら基礎の銀フレから、500点以上なら金フレ、というのがざっくりの目安になります。
次は文法
語彙の次は文法です。文法は「理解する(インプット)」と「問題で確認する(アウトプット)」をセットで回すのが鉄則です。
語彙がある程度入ったら、次は文法に進みます。
文法と聞くと「学生時代のあの苦行か…」と身構えるかもしれませんが、TOEICで必要な文法は難しくないです。しかも範囲も決まってます。
ここで大事なことが一つあります。それは、文法は「読んで理解しただけ」では身につかないということです。
参考書を読んでフムフムと納得しても、いざ問題を解くと手が止まる。これ、本当にあるあるです。
だから文法は、「インプット(理解)」と「アウトプット(演習)」をセットで回すのが正解です。
ルールを本で理解する→問題で実際に使ってみる、という往復をするだけで、「なんとなく分かる」が「確実に解ける」に変わっていきます。
理解だけで問題を解かない人、逆に解くだけで理解を飛ばす人、どちらも伸び悩むのはこのバランスが崩れているからなんです。
インプット用の最初の1冊としては、英文法に苦手意識がある人なら『大岩のいちばんはじめの英文法』がイチオシです。
中学レベルから超やさしく解説してくれるうえ、薄くて安い。文法アレルギーがある人でも、これなら最後まで読み切れます。
技能演習
語彙と文法の土台ができたら、リスニングとリーディングを専用のトレーニングで鍛えます。ここで一気に得点が伸びます。
基礎が固まってきたら、いよいよ実戦的な技能(リスニング・リーディング)の演習に入ります。
ここで大事なのは、ただ問題を解きまくるのではなく、「能力そのものを伸ばすトレーニング」を取り入れることです。
リスニングは、シャドーイングとディクテーションという2つの手法が軸になります。
ざっくり言うと、シャドーイングは「聞こえた英語を追いかけて声に出す」練習で、英語の音とスピードに耳と口を慣らすのが狙い。
ディクテーションは「聞こえた英語を書き取る」練習で、自分がどの音を聞き取れていないかを炙り出すのに効きます。
リーディングは、スラッシュリーディング(英文を意味のかたまりで区切って前から読む練習)で「返り読み」のクセを直しつつ、多読で英語を読む絶対量を増やしていきます。
日本語に訳しながら読むクセが抜けると、Part7の長文がぐっとラクになります。
Part別演習
限られた時間で点を伸ばすなら、Part1・2・5を最優先。次にPart3・4・6、Part7は最後で構いません。
TOEICは全7Partありますが、全部を同じ熱量でやるのは非効率です。
点を取りやすいPartから先に固めるのが、最短ルートになります。おすすめの順はこうです。
- 最優先=Part1・Part2・Part5
- 次=Part3・Part4・Part6(450〜500点を超えたあたりから)
- 最後=Part7
まずはPart1・2・5。この3つは問題が短く、語彙と文法の基礎がそのまま得点に直結します。Part1・2は短い英文を聞き取れれば答えにたどり着けますし、Part5は単語と文法の知識がそのまま正解に結びつきます。
次はPart3・4・6。基礎が固まり、450〜500点が見えてきたら、会話・説明文の長めのリスニング(Part3・4)と、長文穴埋め(Part6)に重心を移します。短文で身につけた力を、少しまとまった量の英語で使えるようにする段階です。
Part7は最後です。長文読解のPart7を最後に回すのには理由があります。Part7は語彙・文法・読解スピードという”総合力”が問われるPartなので、ベースが弱いうちに手をつけても、ただ時間を浪費するだけで伸びにくいんです。
基礎と他のPartが固まってから取り組んだ方が、結果的にずっと早く伸びます。
詳しい勉強法
ただ、ここまでお見せできたのは、あくまで汎用的な勉強法のみ。
TOEICはスコアによってやるべき勉強内容が大きく異なります。
ですので、「TOEICの点数を上げる方法|スコア別の最短ロードマップ【短期間スコアアップ】」という記事にスコア別に勉強法をまとめました。
TOEIC IP対策におすすめの参考書・問題集・教材
結論:IP対策の参考書は”単語1・文法1・演習1″の3冊を揃える。あれこれ買い揃える必要はありません。
ここまでで勉強の順番は分かったと思います。次に多くの人がぶつかるのが「で、結局どの参考書を買えばいいの?」という壁ですよね。
書店のTOEICコーナーに行くと、対策本が棚いっぱいに並んでいて、正直どれを選べばいいか分からなくなります。
僕も最初は「とりあえず分厚くて評判の良さそうなやつ」を何冊も買って、半分も使わずに本棚の肥やしにした経験があります。
だから先に結論を言っておきます。必要なのは「単語1冊・文法1冊・演習1冊」の3冊。
さっきの語彙→文法→技能という順番に、それぞれ相棒を1冊ずつ用意する。
たったこれだけで、IP対策の土台は完成します。冊数を増やすほど、どれも中途半端になって逆効果なんですよね。
参考書の選び方
具体的な本の紹介に入る前に、教材選びの大きな分かれ道を整理しておきます。
これを知らずに本屋に行くと、ほぼ確実に迷子になります。選択肢は大きく2つです。
- all-in-one型(1つで全部まかなう)=スタディサプリTOEIC
単語・文法・演習・動画講義まで、TOEIC対策に必要なものが1つのアプリに全部入っているタイプです。「何冊も買い分けるのが面倒」「自分で計画を立てるのが苦手」「スマホでサクッと進めたい」という人は、これ1本で完結できます。 - ジャンル別型(単語・文法・演習を別々の本でそろえる)
単語は単語帳、文法は文法書、というように目的別に紙の参考書をそろえるやり方です。1冊あたりが安く、自分に必要なところだけを選んで買えるのが強み。じっくり書き込みながらコストを抑えて勉強したい人はこちらが向いています。
どちらが正解ということはなく、性格と予算で選んでOKです。
この章では、まずジャンル別の鉄板教材を紹介し、最後にall-in-one教材を紹介します。
そしてもう一つ、初心者に絶対覚えておいてほしい選び方のコツがあります。
それは――初心者は「レベル別」ではなく「初心者向け」と銘打たれた本を選んでください。
IPテストは大学やバイト先で初めてTOEICを受ける人や、久しぶりに英語に触れる社会人が多い試験です。
そういう初受験の人が、いきなり「700点突破」みたいなレベル特化の本を買うと、解説が前提知識ありきで進むので、読んでも全然頭に入りません。
「初心者向け」「いちばんはじめ」「やさしい」とタイトルにあるものを選ぶ。
単語:金のフレーズ/銀のフレーズ


結論:300〜400点台なら『銀フレ』、500点以上を目指すなら『金フレ』。単語帳はこの2択でOKです。
『金のフレーズ』(金フレ)はTOEIC受験者の定番で、本番に出る頻出語がぎっしり詰まっています。
一方『銀のフレーズ』(銀フレ)は、金フレより前のレベルの基礎単語を扱った入門編。中学〜高校レベルの単語に不安がある人は、銀フレから入った方が挫折しません。
なおTOEICは出る単語がかなり決まっているので、この2冊のどちらか1冊に絞れば単語対策はとりあえずOKです。
フレーズ単位でスキマ時間にサッと回せるのも強みです。銀フレを終えた人が金フレに進むのはアリですが、いきなり2冊同時に買う必要はありません。
文法:大岩のいちばんはじめの英文法

文法が苦手なら、最初の1冊は『大岩のいちばんはじめの英文法』をおすすめします。
もともとは大学受験向けの本ですが、中学レベルから超やさしく、会話するような語り口で説明してくれるので、TOEICの土台作りにそのまま使えます。
個人的なお気に入りポイントは3つです。
- 薄い
- 安い
- 語り口がやさしい
「文法書って分厚くて挫折するんだよな…」という人でも、これなら最後まで読み切れます。文法書を何冊も買う必要はありません。
演習:でる1000問(Part5・6の文法問題集)

Part5・6を安定して取りたいなら、文法問題集の決定版『でる1000問』が最強です。
Part5・6の文法問題が約1,000問収録されていて、これを回すだけで文法の得点が驚くほど安定します。
解説が非常に丁寧なので、間違えた問題も「なぜそうなるか」がしっかり腹落ちします。
最初は分厚さに圧倒されるかもしれませんが、1周終えるころには文法問題への苦手意識が消えています。
初心者が最初に買う対策本:はじめて受けるTOEIC L&Rテスト 全パート完全攻略

「TOEICが初めてで、各Partがどんな問題か分からない」人は、まずこの1冊だけ買えばOKです。
「いきなり単語帳や文法書から入るのは不安。まずTOEICがどんなテストか丸ごと知りたい」という完全初心者は、最初に『はじめて受けるTOEIC L&Rテスト 全パート完全攻略』を1冊だけ買うのはアリです。
Part1からPart7まで、各Partの出題形式と基本的な解き方が1冊にまとまっています。
立ち位置的には「単語・文法・演習」の3冊とは別枠の「ガイドブック」みたいな感じです。
「Part2って何?」「Part7ってどんな問題?」というレベルの完全初心者は、これを最初にサッと読んでおくと、勉強の地図が頭に入った状態でスタートできます。逆に、すでにTOEICの形式を知っている中級者なら飛ばしてOKです。
仕上げの総合演習:公式TOEIC問題集

仕上げの総合演習は『公式TOEIC問題集』がおすすめです。
ただし、ここで誤解されがちなのですが、これは「過去問そのもの」ではありません。TOEICの過去問は一般に手に入らないからです。
じゃあこれは何なのかというと、TOEICを作っているETSが本番とまったく同じプロセスで新しく作成した問題です。
作り手も作り方も本番と同じなので、市販教材の中で最も本番に近い演習ができるのがこの公式問題集なんです。
言うなれば、本番の音声・難易度・問題の雰囲気をそのまま味わえる、市販で唯一の教材です。
1冊にテスト2回分が入っているので、模試代わりにも使えます。
all-in-one・無料で試したい人へ:スタディサプリTOEIC

「何冊も揃えるのが面倒」「スマホで全部完結させたい」人には、スタディサプリTOEIC一択です。
単語(TEPPAN英単語)・文法講義・問題演習に加えて、プロ講師の動画講義と実戦問題(模試20回分・約4,000問)がアプリ1つに詰まっていて、これだけでTOEIC対策が完結します。
強みは「自分で計画を立てなくていい」こと。何をどの順でやるかアプリが導いてくれるので、参考書を前に何から手をつけるか固まってしまう人ほど向いています。
料金は以下の通り。長く使うほど1ヶ月あたりは安くなります。
- 月額3,278円
- 6ヶ月パック18,348円(月あたり3,058円)
- 12ヶ月パック32,736円(月あたり2,728円)。
また、無料体験もあります。いきなり課金せず、まずはこの無料体験で中身を試してみて「合う」と感じたら課金、というのが一番ムダがありません。
合わなければ解約すれば1円もかからず、ジャンル別の参考書に切り替えればいいだけなので、リスクなく試せます。
スタサプについては「スタディサプリTOEICを975点が正直レビュー!評判口コミも調査」で解説しているので、気になる方はご覧ください。
参考書がそろったら、最後の仕上げは「模試・問題演習」です。
次の章では、よく聞かれる「IPの過去問って手に入るの?」という疑問への答えとあわせて、本番に向けた演習のやり方を解説します。
TOEIC IPの問題演習・過去問はどうする?
結論:過去問は手に入りません。でも、公式問題集が”本番同等の模試”になるので、演習はこの2つで十分回せます。
前の章の最後で「過去問って手に入るの?」という疑問に触れました。
ここでその答えを、模試・問題演習の話とまとめて一気に解決していきます。
参考書で基礎を固めたら、最後は本番形式のアウトプット、つまり模試・演習です。
でもここで多くの人が「IP専用の模試や過去問ってどこで買えるの?」「過去問を解けば本番でそのまま出るんじゃ?」と疑問に思います。
先に結論を言うと、そういう”ラクな抜け道”は残念ながら存在しません。だからこそ、正しい代替手段と使い方を知っているかどうかで差がつきます。
「IP専用の模試・過去問」は存在しない・入手できない
まず、よくある誤解をはっきり潰しておきます。「TOEIC IP専用の模試」や「IP専用の問題集」というものは、市販されていません。
書店やネットで探しても見つからないので、探す時間がムダになる前に知っておいてください。
そして過去問そのものも、一般には入手できません。これは、TOEICを運営するIIBCが本番の問題用紙をすべて回収し、中身を公表していないからです。
だから「去年の問題を手に入れて解く」といったことは、そもそも誰にもできません。
IPが過去の公開テスト問題を組み合わせて作られているのは事実です。でも、これまで公開テストは350回以上も実施されていて、その膨大なストックから組み合わされます。
だから「この回がそっくりそのまま出る」とヤマを張るのは完全にムダなんですよね。
出る問題を当てにいくより、どんな問題が来ても解ける実力をつける方が、結局は何倍も早くスコアが伸びます。
過去問の代わりになる”実質的な模試”は1つ
「じゃあ何で演習すればいいの?」という肝心の答えは「公式問題集」です。
何度も言っている通り、公式問題集は「過去問そのもの」ではありません。TOEICを作っているETSが本番とまったく同じプロセスで新しく作った問題です。
作り手も作り方も本番と同じなので、市販教材の中で最も本番に近い模擬試験になります。1冊にテスト2回分(=模試2回分)が収録されているので、これを通しで解けば本番のリハーサルとして申し分ありません。
模試は「解いて終わり」がいちばんもったいない
教材が分かったところで、次に大事なのが「模試の正しい使い方」です。ここを飛ばしてしまう人が驚くほど多いんです。
まず頻度の目安から。模試は毎日のように解くものではありません。
普段は語彙・文法・技能の演習で力をつけて、その成果を確認する”テスト”として、ある程度まとまったタイミングで解くのが正解です。
何度も模試ばかり解いても、弱点が埋まらないまま消耗するだけになります。
そして模試を解くときは、必ず2時間通しで、本番とまったく同じ環境で解いてください。
途中で止めたり、リスニングだけ別の日に分けたり、というのはNGです。
理由は2つあります。
- 2時間集中し続ける体力・集中力そのものが本番で必要だから。
- 「時間内に解き切れるか」という時間感覚を本番前に体に入れておくため
ぶっちゃけ、TOEICは時間との戦いでもあるので、ぶっつけ本番だと最後のPart7がごっそり塗り絵(適当マーク)になります。
そして一番伝えたいのがここ。模試で大事なのは「解くこと」ではなく「解いたあと」です。
むしろ、解いている時間より復習の時間の方が長くて当たり前くらいに考えてください。
模試は解いて終わりにするのではなく、間違えた原因を掘り下げて自分の弱点を見つけ、潰すことがとにかく重要です。
TOEIC模試に関しては「TOEIC模試おすすめ8選を975点が解説|無料あり・問題集の選び方・活用法【スコア別】」もあわせてご覧ください。
模試・問題演習の方向性が見えたら、いよいよ最後は「今の自分は何から手をつければいいの?」という疑問です。
次の章では、スコア帯別の対策ロードマップを一気に解説していきます。
【スコア帯別】TOEIC IP対策ロードマップ
結論:今のスコア帯で、やることはガラッと変わります。同じ「IP対策」でも、300点台の人と700点台の人がやるべきことは別物です。
ここまでで「対策の全体像」「勉強法の順番」「参考書」「模試の扱い」と、対策の地図はひと通りそろいました。
最後に、その地図を「今のあなた」に当てはめます。
最初のステップで「今のスコアを測ってね」と言いました。
その理由は、TOEICは今のスコア帯によって、力を入れるべきポイントが大きく変わるからです。
ですのでまだ自分のスコアを測っていない人は、まず今の自分のスコアを把握してください。
そしてこの章では、スコア帯ごとに「どこに力を入れるか」という方向性をざっくりお見せします。自分の帯のところだけ読めばOKです。
〜400点:まずは中学英語の土台づくり
このゾーンは、正直に言うとTOEICの問題そのものより中学レベルの英語が抜けていることがほとんどです。
ここで焦って問題演習に走っても、土台がないので一切伸びません。
重心を置くのは基礎単語と、中学〜高校文法のやり直し。難しい教材には手を出さず、やさしいものを一周しきることを最優先にしてください。
何にエネルギーを割くかをここで間違えなければ、スコアはぐんと伸びます。焦らないで大丈夫です。
400〜595点:語彙と基礎文法で得点エンジンをつくる
基礎がある程度ある人の帯です。ここで一番エネルギーを割くべきは、頻出語彙のインプットと、基礎文法のインプット/アウトプットです。
特に語彙と文法は、Part1・2・5にそのまま直結する得点エンジンになってきます。
このゾーンは、語彙・文法を固めるだけで600点が一気に見えてきます。
逆に言うと、ここで単語と文法をサボると、この先どれだけ問題を解いても頭打ちになります。
600〜725点:本番形式の演習+弱点Partに対策を寄せる
基礎がほぼ完成し、ここからは本番形式の演習が主役になる帯です。土台ができているので、模試を解く価値がやっと出てきます。
軸足を置くのは、模試で自分の弱点Partを見つけて、そこに対策を寄せていくこと。
Part3・4のリスニングが弱いのか、Part7の読解スピードが足りないのか。人によって穴は違うので、復習で見えた弱点に力を集中させていきましょう。
730点〜:細部の精度とスピードで満点圏を詰める
すでに高得点圏です。ここからは「あと一歩で取りこぼしている細部」を詰める戦いになります。
残りの伸びしろは、一問一問の精度とスピードに凝縮されています。
僕も975点を取る最後の伸びは、ここの細部の詰めでした。やることは派手じゃありませんが、ここを丁寧にやれるかで800点台と900点台が分かれます。
この帯は「卒業した先」というより、満点圏に向けてどこまで精度を上げ切れるかの勝負です。
ただ、ここでお見せできたのは、あくまで各帯で「どこに力を入れるか」という方向性までです。
各スコア帯で「どんな順番で・1週間にどれだけ進めるか」という具体的な勉強方法を書こうと思ったら、とんでもない長さになってしまいます。
ですので、「TOEICの点数を上げる方法|スコア別の最短ロードマップ【短期間スコアアップ】」という記事にスコア別に勉強法をまとめました。
オンラインIPテストの対策で気をつけること
結論:オンラインIPも、やるべき対策は会場受験と何ひとつ変わりません。ただしCAT形式という仕組みゆえに、1つだけ意識しておきたい注意点があります。
ここまでスコア帯別の方向性をお伝えしてきましたが、最後に一つだけ補足させてください。それが「オンラインで受けるIPテスト」の話です。
大学やバイト先で受けるIPテストには、2つの形式があります。
- 会場に集まってマークシートで解く形式
- PCでオンライン受験する形式
「オンラインだと対策も変えなきゃダメなの?」と不安になる人もいるでしょう。でも、ここは断言します。
身につける英語力も、語彙→文法→技能という勉強の順番も、オンラインだからといって変える必要はありません。
ここまで読んできた対策を、そのまま進めればそれで十分です。
オンラインIPは先読みがほぼできない
ただ一つだけ、オンラインIPには知っておくべき特徴があります。それがCAT(適応型テスト)という仕組みです。
オンラインIPは全90問・約1時間で、あなたの解答状況に応じて出てくる問題が変わっていく方式になっています。
対策の観点でこれが何に効いてくるかというと、リスニングの「先読み」がしづらくなる点です。
会場のマークシート版だと、リスニングが流れている間に次の設問へ目を走らせて準備する「先読み」というテクニックが使えます。でもオンラインの画面では、この先読みに使える時間がどうしても短くなりがちなんですよね。
そしてこの先読み、スコアを安定させるためには超重要です。
だからこそ、正直言って先読みができないオンラインIPテストを受験するのは、イングルートでは推奨していません。
もう一つ、オンラインIPは時間がタイトに感じやすいのも頭に入れておきたいポイントです。
画面操作に慣れていないと、解答や画面の切り替えで地味に時間を取られます。
なお、オンラインIPの具体的な形式や時間配分、受験当日の流れといった詳細は、TOEICオンライン受験の記事で詳しくまとめています。
形式そのものをきちんと知っておきたい人は、そちらをあわせて読んでみてください。
TOEIC IP対策に関するよくある質問
ここまで読んでくれた人が、最後に引っかかりがちな疑問をまとめて解消しておきます。
対策を始める前のモヤモヤをここで解消して、安心してスタートしてください。
Q. TOEIC IPと公開テストで対策は変わりますか?
変わりません。出てくる問題の中身も形式も同じなので、対策を分ける必要はゼロです。
この記事で何度もお伝えしてきた通り、IPと公開テストは中身がそっくりです。
リスニングもリーディングも、Partの構成も、問われる英語力も同じ。違うのは申込方法や受験する場所といった”試験の周り”だけなので、「IPだから特別な勉強を」と身構える必要はありません。この記事の3ステップをそのまま進めればOKです。
ちなみに「IPは公開より簡単なんでしょ?」という疑問が残っている人は、TOEIC IPテストは簡単?難しい?の記事で解説しているので、気になる人はこちらへ。
Q. TOEIC IP対策は独学でできますか?何点まで狙えますか?
独学で十分できます。正しい順番でやれば、900点台も独学で狙えます。
スクールに通わないと無理、ということはありません。僕自身、独学で975点を取りました。
偏差値44のスタートから、留学も予備校もなしです。
大事なのは「自己流でがむしゃらにやる」ことではなく、語彙→文法→技能という正しい順番を守ることです。
この順序さえ外さなければ、独学でも高得点まで届きます。
Q. TOEIC IPの過去問は手に入りますか?
TOEIC IPの過去問(=本番で使われた問題用紙)は、一般には手に入りません。代わりに「公式問題集」で演習しましょう。
IPで出る問題は、過去の公開テスト問題を組み合わせて作られています。ただ、その問題用紙はTOEICを運営するIIBCがすべて回収・非公表にしているため、IP・公開どちらの過去問も入手できません。「去年の問題を手に入れて解く」といったことは、そもそも誰にもできないんです。
その代わりになるのが、市販の公式問題集です。
これは過去問そのものではなく、TOEICを作っているETSが本番とまったく同じプロセスで新しく作った問題なので、市販教材の中で最も本番に近い演習ができます。スマホ完結派ならスタサプの実践問題(模試20回分)も代わりになります。
Q. TOEIC IP対策に模試は何回やればいいですか?
2回程度やっておくと良いと思います。
ただし回数以上に大事なのが、解いたあとの復習です。間違えた原因を掘り下げて弱点を見つけ、基礎の勉強に戻って穴を埋める。
この循環を回すことが、模試を活かす唯一の方法です。
Q. オンラインIPの対策は普通のIPと違いますか?
対策の中身は基本的に同じです。ただ、リスニングの「先読み」がしづらい点は意識するべき。
で、この「先読みできない」という状況のせいで、オンラインIPでは自分の実力が出しづらいです。
だからイングルートでは、オンラインIPの受験をそもそも推奨していません。
まとめ:TOEIC IP対策で今日からやること
最後に、この記事の要点をギュッとまとめておきます。
くり返しになりますが、IP専用の特別な対策は要りません。公開テストと同じ勉強を、正しい順番でやるだけ。難しいことは何もないんですよね。
TOEIC IP対策で今日からやることは以下の通りです。
- 今のスコアを把握(5分で終わる)
- スコア別の正しい勉強のやり方を知る
- 正しい勉強のやり方を実践する
結論:TOEIC IPは公開テストと同じ信頼性を持つ公式のテスト。企業・大学など団体で受けるもの。 「TOEIC IPテストって何?」 「公開テストと何が違うの?」 「就活や転職で使えるの?」[…]
結論:TOEIC IPテストの平均点は全体で495点です。大学生は470点、社会人は540点。この記事では、2024年度IIBCの最新データを使って、属性別の平均点からスコア目安・換算表まで徹底的に解説します。 […]



