社会人は英検かTOEICのどっちを受けるべき?メリットを徹底比較

  • 2024年4月7日
  • 2024年6月28日
  • TOEIC

英語の資格試験はたくさんあります。

その中でも特に有名で、日本で広く認知されているのが「英検」と「TOEIC」です。

 

英検とTOEICは英語力を客観的に示せるという点で共通しているものの、問題の傾向は大きく異なります。

ほかにも、難易度や合否の有無、活用できる場面や評価のされ方など、さまざまな点で違いがあります。

 

ということで今回は、「社会人は英検かTOEICのどちらを受けるべきか」徹底解説します!

本記事の信頼性
筆者のTOEICスコアは975点(リスニング495点、リーディング480点)です!(大学3年時に取得)
TOEICスコア リスニング495 リーディング475 計975

英検とは

英検は「公益財団法人日本英語検定協会」が実施する、日本特有の試験です。

主に学生から一般層を対象にしており、英語4技能の能力を総合的に測ることを目的としています。

 

難易度は7段階です。

  1. 英検1級(大学上級程度)
  2. 英検準1級(大学中級程度)
  3. 英検2級(高校卒業程度)
  4. 英検準2級(高校中級程度)
  5. 英検3級(中学卒業程度)
  6. 英検4級(中学中級程度)
  7. 英検5級(中学初級程度)

TOEICとは

TOEICは「国際ビジネスコミュニケーション協会」が実施する英語を母語としない方を対象にした試験です。

主に「ビジネスシーンを想定した英語力」の測定を目的としており、5種類の試験があります。

  1. TOEIC®️ Listening & Reading Test
  2. TOEIC®︎ Speaking & Writing Tests
  3. TOEIC®︎ Speaking Test
  4. TOEIC®︎ Bridge Listening & Reading Tests
  5. TOEIC®︎ Bridge Speaking & Writing Tests

最も一般的で認知度が高く、履歴書等への記載が求められることが多いのは「Listening & Reading Test」です。

英検とTOEICを比較

受験者数

英検の公式が発表している「受験の状況」によると、2022年度の受験者数は合計で4,205,920人です。

このうち、社会人(学生以外)の受験者は523,871人です。

 

TOEICの公式が発表している「DATA & ANALYSIS 2023」によると、2022年度の日本の受験者数は合計で1,785,236人です。

このうち、社会人(学生以外)の受験者は698,495人です。

問われるスキル

英検では英語4技能、つまりリスニング・リーディング・ライディング・スピーキングの能力を測ります。

ただし、英検4級・5級の場合、スピーキングの能力を測る面接(2次試験)がありません。

 

一方、最も一般的な「TOEIC Listening & Reading Test」では、リスニングとリーディングの能力を測ります。

単語

英検で求められる語彙力は受験する級により異なります。

英検準2級〜2級レベルまではTOEICにも頻出の基本単語が多いですが、準1級以上になると英単語の難易度は格段に上がります。

 

一方、TOEICは受験者の英語力に関係なく全員が同じ問題を受験します。

英語初心者にとっては難しい英単語も含まれていることも多いです。

テン
とはいえ「ビジネスシーンを想定した英語」なので、極端に難易度の高い英単語はほとんど出てきません。

文法

TOEICのPart5・Part6には文法問題が出題されます。

一方、英検にはTOEICのような独立した文法問題が出題されることはありません。

 

ただし、どちらを受けるにしても英文を読む・聞くために文法の知識は必須です。

英文法の勉強を怠らないようにしましょう。

リーディング

TOEICのリーディングの試験時間は75分間、問題数は100問です。

試験時間の割に分量が多く、時間配分と速読力・精読力のバランスが重要になってきます。

 

一方英検の場合、問題の分量はTOEICよりは多くありません。

しかし、文章をしっかり読み込んで解釈しなければ解けない問題が多いです。

リスニング

TOEICのリスニングの試験時間は45分間で合計100問、全部で4つのパート(Part1〜Part4)に分かれています。

出題形式はそれぞれのパートで異なりますが、文章のテーマとしては日常生活を扱ったものが多いです。

 

一方、英検のリスニングはTOEICほど分量は多くありません。

ただし、TOEICより幅広いトピックから出題されるため、幅広い語彙や背景知識を身につけることが必要です。

合否の有無

英検には合否があります。

合格ラインを突破すれば「英検〇〇級」というように履歴書等に記載できます。

 

一方、TOEICには合否がありません。

スコアで英語力を測ります。

開催国

英検は日本でのみ開催されています。

一方、TOEICは世界160カ国で開催されています。

活用シーン

英検は主に大学受験で活用されます。

おおむね2級以上で、入試における内申点の加点や試験免除などが認められています。

 

TOEICは主に転職活動や昇進・昇格の評価で活用されます。

おおむね600点以上のスコアがあれば、転職や昇進・昇格で有利になるでしょう。

テン
また、最近では大学受験におけるTOEICの活用も促進されているようです。「TOEIC Program 大学入学試験における活用状況【2022年度】」によると、TOEIC L&Rを活用している大学は236校あります。

試験の実施頻度

英検の実施頻度は年間3回です。

一次試験でリーディング・ライティング・リスニングの3技能を測り、一次試験を通過した人は二次試験でスピーキングの能力を測ります。

 

一方、TOEICの実施頻度は年間12日程度です。

1日に午前・午後の2回の試験があるので、年間で合計24回ほど実施されることになります。

試験の内容

英検はリスニング・リーディングがマーク形式、ライティングは記述形式、スピーキングは試験管との面接形式です。

一方、TOEICはすべてマーク形式の試験です。

難易度

英検とTOEICは試験の形式や問題の内容が異なるので一概に比較することはできません。

しかし、一般には以下のようにTOEICスコアと英検の級を換算できると言われています。

TOEICスコア英検
945点以上1級
780点〜940点準1級
550点〜780点2級
400点〜550点準2級
300点〜400点3級
300点未満4〜5級
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なお、個人的には英検の方が対策するのが難しいと感じました(準1級以上の場合)。語彙のレベルがTOEICで求められるレベルよりはるかに高いうえ、ライティング・スピーキングの対策が必要だからです。

 

受験料

英検の受験料は以下です。(2024年度)

受験料(税込)
1級12,500円
準1級10,500円
2級9,100円
準2級8,500円
3級6,900円
4級4,700円
5級4,100円

 

一方、TOEICの受験料は7,810円です。(公開テスト)

団体受験のIPテストの場合、受験料は4,230円になります。(団体により異なる場合がある)

社会人が英検を受験するメリット

社会人が英検を受験するメリットは2つあります。

  1. 英語でのコミュニケーション能力をアピールできる
  2. 合否があるから終わりが見える

英語でのコミュニケーション能力をアピールできる

TOEICと違い、英検では4技能の総合力を測ります。

つまり、英検を受験すればライティングやスピーキングの能力を客観的にアピールできます。

合否があるから終わりが見える

英検は「1級」「準1級」というように級が分かれており、一定以上のスコアを取れば合格となります。

つまり、「合格」すれば終わりです。

 

一方、TOEICには合否がなく、英語力をスコアで数値化します。

そしてスコアが高ければ高いほど良い評価を得られるようになります。

テン
そのため、「やめどき」を失う可能性があります。よって、TOEICを受験する場合は目標スコアを設定することが重要です。

社会人がTOEICを受験するメリット

社会人がTOEICを受験するメリットは4つあります。

  1. 昇進・昇格や海外出張・海外赴任のチャンスを得られる
  2. 転職活動を有利に進められる
  3. 年収がアップする
  4. ほかの英語資格と比べて対策しやすい

昇進・昇格や海外出張・海外赴任のチャンスを得られる

昇進ん・昇格・海外出張等に必要なTOEICスコア 英語活用実態調査2019

英語活用実態調査2019より引用)

上図から、 昇進や昇格の評価にTOEICスコアを活用している企業が一定数あることがわかります。

また、海外出張や海外赴任の選抜にTOEICスコアを活用している企業も多いようです。

テン
ほかに、報奨金や資格手当などを設定しているところもあります。

転職活動を有利に進められる

企業・団体が採用時に求めるTOEICスコア 英語活用実態調査2019

英語活用実態調査2019より引用)

上図から、60%以上の企業が、英語を使用する部署の中途採用においてTOEICスコアを「要件にしている」「参考にしている」「新たに要件・参考とする可能性がある」と回答しています。

 

よって、TOEICで一定以上のスコアを取れば、転職活動を有利に進められます。

テン
逆に、TOEICを受験しなければ、TOEICを求める企業への転職活動で不利になるとも言えます。

年収がアップする

  • 昇進・昇格や海外出張・海外赴任のチャンスが増える
  • 転職を有利に進められる

以上の結果として、年収がアップします。

 

実際、dodaによると、TOEICスコアと年収の相関関係は以下のとおりです。

TOEICスコア平均年収
スコアなし379万円
300点未満374万円
300点台419万円
400点台434万円
500点台437万円
600点台436万円
700点台459万円
800点台487万円
900点台534万円

TOEICによる年収アップが、700点以上から明確に傾向としてあらわれていますね。

ほかの英語資格と比べて対策しやすい

  • 試験はリスニングとリーディングのみ
  • 開催頻度が高い(年12日)
  • 受験料がリーズナブル(公開テストで7,810円)

等の理由により、TOEICは仕事で忙しい社会人でも、比較的対策・受験しやすいです。

社会人は英検かTOEICのどっちを受けるべき?→TOEICを受けるのがおすすめ

ここまでTOEICと英検を比較してきました。

それぞれに特徴がありますが、以下の4点より、社会人はTOEICを受けるのがおすすめです。

  1. TOEICの方が活用できる場面が多い
  2. リスニングとリーディングだけなので比較的対策しやすい
  3. 受験料がリーズナブル
  4. 開催頻度が高く受験しやすい

社会人がTOEICで目指すべきスコア

一般的に、TOEICで600点以上のスコアを取れば、履歴書等に記載して英語力をアピールできます。

そのため、まずは600点を目標にするのがおすすめです。

 

さらに730点以上までスコアを上げられると公式のコミュニケーション能力評価「PROFICIENCY SCALE」でB評価になります。

英語力がさらに一段階高く評価されるため、転職活動などををさらに有利に進められるでしょう。

 

外資系企業等への転職活動を考えている場合は最低でも800点以上は欲しいところです。

 

さらに860点以上を取れれば、公式のコミュニケーション能力評価「PROFICIENCY SCALE」で最高評価のA評価になります。

よって、外資系企業等における選考においても自信を持って英語力をアピールできるでしょう。

社会人がTOEIC対策を始めたらまずやるべきこと

TOEICをゼロから対策する場合に最初にやるべきことは6つあります。

  1. TOEICについて知る
  2. 今の英語レベルを把握する
  3. 目標スコアを設定する
  4. スケジュールを立てる
  5. 教材を用意する
  6. 勉強時間を確保する

特に、①は重要です。

 

勉強を始める前に、問題形式や傾向など、対策方法など、TOEICについてしっかり理解しておきましょう。

これをやるのとやらないのとでは、今後の勉強の効率、つまりスコアの伸び方が大きく変わります。

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TOEIC全パート攻略法+テクニック(単語帳・問題集付き)で解説しているので、必ずご覧ください。

まとめ

社会人はTOEICを受験するのがおすすめです。

その理由は4つあります。

  1. TOEICの方が活用できる場面が多い
  2. リスニングとリーディングだけなので比較的対策しやすい
  3. 受験料がリーズナブル
  4. 開催頻度が高く受験しやすい
テン
ぜひ参考にしてください!

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