TOEIC 900点は人により評価が大きく分かれるスコアです。
つまり、「すごい」「人生変わる」と言う人もいれば、「大したことない」「TOEIC900点取れても英語は話せない」という人もいます。
しかし、一般的には「TOEIC 900点」とは間違いなくハイスコアです。
ということで今回は、TOEIC900点のすごさやTOEIC900点を取る勉強法を解説します!
筆者のTOEICスコアは975点(リスニング495点、リーディング480点)です!
TOEIC900点のすごさを7つの視点から解説
さっそく、TOEIC900点のすごさを以下の6つの視点から解説します!
- 何問ミス以内か
- 上位何%か
- 偏差値はどれくらいか
- どんな大学の学生が取るスコアなのか
- 公式の英語力評価だとどれくらいのレベルか
- 公式のコミュニケーション力評価ではどれくらいのレベルか
- CEFRはどれくらいか
TOEIC900点は約17問ミス以内
上表は、TOEICリスニングとリーディングの素点とスコアの換算表です。
たとえば、リスニングの素点が81〜85点の間だったら、370点〜450点を取る可能性があるということです。
また、「TOEIC Program DATA & ANALYSIS」によると、過去3年間の受験者全体の平均スコアは以下です。
年度 | リスニング | リーディング | 合計点 |
2022 | 331 | 277 | 608 |
2021 | 331 | 279 | 611 |
2020 | 337 | 282 | 620 |
このデータから、リスニングとリーディングの平均点を比較すると、リスニングの方が50点ほど高いことがわかります。
よって、TOEIC900点の平均的な点数構成は、リスニング475点、リーディング425点と言えます。
リスニング475点を取るための正答率はおよそ93%、リーディング425点を取るための正答率はおよそ90%です。
よって、TOEIC900点を取るには、総合で約17問ミス以内に抑える必要があるでしょう。
TOEIC900点は全体の上位4.0%
2022年度のTOEIC公開テストスコア取得者の割合は以下の通りです。
(TOEIC Program DATA & ANALYSISより筆者作成)
この図から、895点以上が上位4.2%だとわかります。
ただ、以上のデータからは900点以上の詳細が正確に読み取れません。
よって、次は「TOEIC平均スコア・分布詳細」より、リスニング・リーディングのスコア分布を見てみましょう。
上右表に注目すると、リーディング470点以上は全体の下位98.8%、つまり上位1.2%だとわかります。
そしてリーディング470点の場合、リスニングは満点の495点となることが多いので、合計965点が上位1.2%のスコアだとみなせます。
TOEICのスコアは5点刻みなので、895点から965点までの点数の種類は以下の15通りです。
- 895点(上位4.2%)
- 900点
- 905点
- 910点
- 915点
- 920点
- 925点
- 930点
- 935点
- 940点
- 945点
- 950点
- 955点
- 960点
- 965点(上位1.2%)
それぞれのスコアに均等に受験者が分布しているとすれば、各スコア間の差は0.214%(≒(4.2%-1.2%)/14)になります。
よって、900点は上位3.99%程度(≒4.2%-0.214%×1)だと言えるでしょう。
TOEIC900点は偏差値67で旧帝大や早慶、医学部レベル
全体の受験者のTOEIC公開テストの平均スコアは608点(2022年度)です。
過去の統計から、TOEICのスコアが17点アップすると偏差値が1上がる計算になります。
よって、TOEIC900点は偏差値67程度になります。
大学に換算すると、東京大学や京都大学などの旧帝国大学や早稲田大学・慶應大学、多数の医学部レベルです。
TOEIC900点は英語力トップクラスの大学/学部/学科レベル
マイベストプロ神戸によると、大学/学部/学科別のTOEIC平均点は以下の通りです。
以上の大学には帰国子女など英語力が高い学生が多く在籍しています。
そして900点以上だと、東京外国語大学や国際教養大学など、英語力トップクラスの大学・学部・学科の学生と同等のレベルです。
TOEIC900点は公式の英語力評価でリスニング・リーディングともにトップ評価
TOEIC900点の場合、リスニング475点前後、リーディング425点前後になるでしょう。
「Score Descriptor Table」によると、リスニングは375点〜495点が最高評価になり、以下の長所が認められます。
- 間接的な応答や予測が難しい会話でも文脈を理解できる
- 長い英文において幅広い語彙が使用されていても主旨を推測できる
- 構文が複雑だったり、難解な語彙が使われたり、情報が言い換えられたりしても詳細を理解できる
- 広い範囲の情報を関連づけることができる
また、リーディングは425点〜495点が最高評価になり、以下の長所が認められます。
- 言い換えがあっても文章の趣旨や目的、詳細を推測できる
- 複数の文章全体にわたる情報を関連づけることができる
- 幅広い語彙を理解しており、頻出単語の例外的な意味までわかる
- 複雑で難しい文法的な構造でも理解できる
TOEIC900点は公式のコミュニケーション力評価で最高評価
「PROFICIENCY SCALE」によると、TOEIC900点はA〜Eの5段階評価のうち、最高評価のA評価(860点以上)です。
A評価の詳細は以下の通りです。
- Non-Nativeとして十分なコミュニケーションができる
- 経験の範囲内であれば、専門外の分野でも十分に理解・表現できる
- 語彙・文法・構文を正確に把握し流暢に駆使する力を持っている
- Native Speakerとはまだ隔たりがある
TOEIC900点はCEFR B2程度
CEFR(セファール)とは、外国語の習熟度や運用能力をはかる国際的な指標です。
- C2
- C1
- B2
- B1
- A2
- A1
の6段階評価で、C2が最も高いレベルです。
文部科学省の「各試験団体のデータによるCEFRとの対照表」によると、B2程度になります。
そしてBRITISH COUNCILの「CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)」によると、B2の評価は以下の通りです。
- 自立した言語使用者
- 抽象的・具体的な話題でも文章の主要な内容を理解できる
- お互いに緊張しないで普通にやり取りできる
- 幅広い話題について、明確で詳細な文章を作れる
TOEIC900点の難易度を他資格と比較
さて、ここからは上画像を参考にしながら、TOEIC900点の難易度を比較していきます。
TOEIC900点は英検準1級相当
英検は、公益財団法人日本英語協会が実施する英語4技能の検定試験で、TOEICと並んで日本では広く認知されています。
検定は7段階に分かれており、TOEICとは異なり合否(受かったか落ちたか)が判定されます。
- 英検1級(大学上級程度)
- 英検準1級(大学中級程度)
- 英検2級(高校卒業程度)
- 英検準2級(高校中級程度)
- 英検3級(中学卒業程度)
- 英検4級(中学中級程度)
- 英検5級(中学初級程度)
TOEICと英検は問題の形式が違うので完璧な換算ではありませんが、TOEIC900点は英検準1級に相当すると言われています。
英検準1級は大学中級程度です。
TOEIC900点はIELTS 5.5〜6.5
IELTSはイギリス、アメリカ、オーストラリアなどの140カ国以上の教育機関、国際機関、政府機関で採用されている世界的に認められた英語運用能力試験です。
4つのスキルごとに1から9まで0.5刻みで点数がつけられます。
また、4つのスキルを総合的に評価した「オーバーオールバンドスコア」も、同様に点数がつけられます。
TOEICとIELTSは問題の形式が違うので完璧な換算ではありませんが、TOEIC900点は「IELTS 5.5〜6.5」に相当すると言われています。
その中間の「IELTS 6」の評価は以下の通りです。(参考:idp IELTS)
- 有能なユーザー
- 不正確さ・不適切さ・誤解もあるが概ね効果的に英語を使いこなせる
- 特に慣れた状況下では、複雑な言葉遣いを使用・理解できる
TOEIC900点はTOEFL iBT 72〜94点
TOEFL iBTはアカデミックな英語力をはかる世界的に認められた英語能力測定試験です。
世界160カ国、12,500以上の大学・大学院等で活用されています。
スコアは4技能それぞれ0〜30点で評価され、合計の満点は120点です。
TOEICとTOEFL iBTは問題の形式が違うので完璧な換算ではありませんが、TOEIC900点は「TOEFL iBT 72〜94点」に相当すると言われています。
参考までに「TOEFL iBT Requirements of the Top 100 Universities in the United States」によると、アメリカのトップレベルの大学院に進学するためにはTOEFL iBT80点〜100点が最低条件になっていることが多いです。
TOEIC900点を取得するメリット【人生変わる?】
さて、ここからはTOEIC900点を取得するメリットを解説します。
就職活動や転職活動で圧倒的に有利になる
TOEIC活用状況と求められるスコア
英語活用実態調査2019によると、新卒採用では平均545点、中途採用では平均620点のスコアが要件・参考とされています。
TOEIC900点だとそれらより300点〜350点近く高いので、就活や転職の際にほかの候補者と英語力で大きく差別化できます。
一般的な企業であれば英語力はトップクラスの評価になるので、選考を断然有利に進められるでしょう。
昇進・昇格や海外出張・海外赴任のチャンスを得られる
TOEIC活用状況と求められるスコア
英語活用実態調査2019によると、昇進・昇格の際には平均的に約500〜600点のスコアが要件・参考とされています。
また、海外出張や海外赴任の選抜の際には、平均的に600点以上のスコアが要件・参考とされています。
900点だとそれらのスコアより遥かに高いので、昇進・昇格や海外出張・海外赴任のチャンスが増えるでしょう。
年収が高くなる
- 就職や転職を有利に進められる
- 昇進・昇格や海外出張・海外赴任のチャンスが増える
以上の結果として、年収がアップするでしょう。
実際、dodaによると、TOEICスコアと年収の相関関係は以下のとおりです。
TOEICスコア | 平均年収 |
スコアなし | 379万円 |
300点未満 | 374万円 |
300点台 | 419万円 |
400点台 | 434万円 |
500点台 | 437万円 |
600点台 | 436万円 |
700点台 | 459万円 |
800点台 | 487万円 |
900点台 | 534万円 |
TOEICスコアなしと900点台では、150万円以上の差がついています。
また、800点台と比較しても、TOEIC900点台の年収は50万円近く高いことがわかります。
大学院入試で利用できる
大学院によっては、入試の際にTOEICスコアを利用できるところもあります。
900点以上は非常に高いスコアなので、足切りラインに引っかかることはほぼないでしょう。
むしろ、英語力で高評価を得られる可能性が高いです。
TOEIC900点を取れても英語が話せるわけではない
ただし、TOEIC900点を取れるからと言って英語がペラペラ話せるわけではありません。
また、ライティングのスキルの高さが保証されるわけでもありません。
もちろん、TOEIC900点を取れるなら、普通よりは英語力が遥かに高いです。
よって、スピーキングやライティングの訓練をしていない人の中では、TOEIC900点は英語が話せる/書ける部類に入るでしょう。
しかし、ネイティブや帰国子女はもちろん、4技能を総合力に測る英検・TOEFL・IELTSのハイスコア(英検は1級)取得者と比べると、スピーキングやライティングの能力は劣る場合が多いです。
よって、本気で英語で人生を変えたいなら、TOEICだけでなく、+αで訓練することが必要になってきます。
とはいえ、将来的に英語で人生を変えるために、TOEIC900点を目指すのはとてもおすすめです。
というのも、TOEIC900点を目指す過程で、英語力が底上げされるからです。
英語力が底上げされれば、後でスピーキングやライティングの訓練をするときの学習効果が高くなるでしょう。
よって、短期間で話す/書く能力を向上させることができます。
個人的には人生が変わった
私はTOEIC975点を大学3年時に取りました。
結果、人生が変わったんじゃないかなと自分では思います。
現在私は大学院に進学するつもりですが、TOEICを活用できる院試であれば足切りに引っかかるどころか、どこでも高評価になります。
就活で多少利用したこともありますが、やっぱりウケは格別に良いです。
また、このようにTOEIC学習に関する発信を始めたのも、975点を取れたからです。
以上から、形としては特殊かもしれませんが、TOEIC900点以上を取ったことで私の人生は変わったと思っています。
TOEIC900点を取るのにかかる勉強時間
TOEIC900点を取るのにかかる勉強時間はスタートラインにより異なります。
- 400点から900点:1000〜1400時間
- 500点から900点:700〜900時間
- 600点から900点:500〜700時間
- 700点から900点:300〜500時間
- 800点から900点:200〜300時間
ただし、これはあくまで目安です。
これから解説する勉強法を丁寧に実践すれば、これよりはるかに短い時間で900点を取れます。
TOEIC900点を取るための勉強法
TOEIC900点を取る勉強法は以下の通りです。
- 語彙力を鍛える
- ディクテーション
- シャドーイング
- 文法問題をスピード重視で解く
- Part7の情報処理能力を鍛える
- 苦手なパートをなくす
- 実践演習する
詳しくは以下の記事をご覧ください。
今回はTOEIC900点のレベルと、900点以上を取るための勉強法・おすすめ参考書を解説します。 TOEIC900点のレベルが知りたい TOEIC900点を取るための勉強法が知りたいという方は必見です!本記事の信[…]
最短でTOEIC900点を取るコツ
ここからは短期間でTOEIC900点を取るコツ・意識してほしいポイントを解説します。
スキマ時間はアプリで勉強
- 通勤・通学の移動時間
- 休憩時間
など、日々の生活を見直すと、勉強に有効活用できそうなスキマ時間はたくさん見つかるはずです。
1日30分でもスキマ時間に勉強できれば、1ヶ月で15時間もの勉強時間になります。
スキマ時間の勉強には「スタディサプリTOEIC」を活用するのがおすすめです。
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定期的に自分の実力を把握する
定期的に公式問題集を解いて自分の実力を把握しましょう。
目的は2つあります。
- 「今やっている勉強法が効果的かどうか」を判断すること
- 自分の苦手パート/単元を見つけること
①について、スコアが伸びているなら今やっている勉強法は効果的ということなので、そのまま続ければOKです。
一方で、スコアが伸びていないなら今やっている勉強法は効果的でないため、「何か改善すべきだ」とわかります。
②について、TOEICのスコアを効率的に伸ばすには苦手パート/単元を克服することが効果的です。
そして苦手パート/単元を把握するには、実践演習を通じて「どのパート/単元の正答率が低いのか」を確認するのが最も確実です。
- 公式問題集を持っていない
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TOEICに関してよくある質問
TOEICは何点からすごいと評価される?
一般的な企業の場合、就職・転職や昇進・昇格の際の評価では600点が1つの基準となります。
よって、それより100点高い700点取れれば、すごいと評価されるでしょう。
また、800点あれば外資系など国際関係の企業への就職が選択肢の1つになります。
公開テストとIPテストはどっちを受けるべき?
公開テストとIPテストのスコアの有効性に違いはないので、基本的にはどちらを受けても構いません。
受験料がリーズナブルなIPテストを受けるのがおすすめです。
ただ、就職や転職の際に公開テストでのみ受け取れる「公式認定証」の原本・コピーが求められる場合があります。
その場合は公開テストの受験が必要なので注意してください。
大学生はTOEICをいつまでに受けるべき?
就活を意識するなら、大学2年生から受験して、就活やインターンが始まる1〜6ヶ月前には一定以上のスコアを確保することが理想です。
また、就活で使えるスコアは600点以上ですが、TOEIC初心者がいきなり600点を取るのは難しいです。
よって、初受験では500点を目指すのがおすすめです。
TOEICを受ける理想の頻度は?
TOEICを受ける理想の頻度は毎月です。
毎月TOEICを受けるメリットは3つあります。
- TOEIC学習のモチベーションを維持しやすい
- 目標スコアを達成できる可能性が高くなる
- 試験に慣れやすい
ただ、現実的に毎月受験するのは難しいでしょう。
よって、以下を目安に受験するのがおすすめです。
- 社会人は3ヶ月に1回
- 大学生は2ヶ月に1回
- 自分の英語力チェックor英語力を維持したい方は半年に1回
まとめ
TOEIC900点のすごさを7つの視点から解説しました。
- 約17問ミス以内
- 上位4.0%
- 偏差値67
- 英語力トップクラスの大学/学部/学科の学生と同程度
- 公式によるとリスニング・リーディングはトップ評価
- 公式によるとコミュニケーション力もトップ評価
- CEFR B2程度
今回はTOEIC950点のレベルや、950点を取るための勉強法・おすすめ参考書を解説します! TOEIC950点ってどれくらいすごいの? 就職活動や転職活動ではどれくらい有利になる? TOEIC950点を取るにはどう勉[…]