TOEICのリスニング対策方法として、シャドーイングはとても有名です。
実際にシャドーイングに挑戦したことがある方も多いのではないのでしょうか。
しかし、
- シャドーイングでスコアが上がる理由
- シャドーイングの正しい手順
を把握している方はそれほど多くありません。
そして、以上の2点を把握していなければ、シャドーイングの効果は半減します。
ということで今回は、シャドーイングでTOEICリスニングのスコアがアップする理由と、正しいシャドーイングのやり方を解説します。
シャドーイングのおすすめ教材も紹介するので、ぜひ参考にしてください!
筆者のTOEICスコアは975点(リスニング495点、リーディング480点)です!(大学3年時に取得)
![TOEICスコア リスニング495 リーディング475 計975](https://english-route.com/wp-content/uploads/2024/02/英語速読.png)
シャドーイングでTOEICスコアが上がる理由
シャドーイングは英語を聞きながら、それを真似して発音するリスニング練習法です。
もともとは「通訳訓練」のための練習法でしたが、現在では一般的な英語学習で広く取れられています。
シャドーイングでTOEICのスコアが上がる理由は2つあります。
- リスニング力が向上するから
- 音声認識が自然とできるようになるから
リスニング力が向上するから
シャドーイングでは、聞こえてきた英文を一言一句、全く同じスピードでリピートすることが求められます。
正しくリピートするためには、じっくり英語の音声に耳を傾ける、つまり英語を細部まで聞き取らなければいけません。
また、音声のリズムやイントネーション、音のつながりや強弱など「英語特有の話し方」に慣れることも必要です。
よって、シャドーイングを通じてリスニング力が向上します。
リスニング力が向上すれば聞き取れる音声が増えて問題の正答率を上げられるので、TOEICのスコアがアップします。
音声認識が自然とできるようになるから
相手の言ったことを理解するプロセスは2段階です。
- 音声認識
- 意味理解
日本語の音声を聞く場合は音声認識は自然にできます。
意味理解に集中することができるので、相手の言ったことを一度で理解できます。
しかし、英語の音声を聞く場合、練習していなければ、音声認識に脳のメモリーを割かなければなりません。
つまり、意味理解に完全に集中することができないため、相手の言ったことに対する理解度が著しく低くなってしまいます。
そこでシャドーイングの出番です。
シャドーイングでは、音声認識(インプット)と聞き取った音声を一言一句リピート(アウトプット)する作業を同時に行います。
アウトプットするためには、音声認識にばかり気を取られるわけにはいけません。
つまり、アウトプットを意識しなければならないので、自然と音声認識に集中しないようになります。
集中することなく英語の音声を自然と認識できるようになれば、意味を理解するのに集中できます。
会話の理解度が上がり、話していた内容を覚えられるようになるので、TOEICのリスニング問題の正答率がアップします。
【TOEIC】シャドーイングのやり方・手順
さて、ここからはシャドーイングの具体的なやり方を解説します。
- リスニング教材・素材を選ぶ
- 一度全文を聞いてみる
- スクリプトを確認する
- 音声を聞きながらスクリプトを黙読する
- スクリプトを見ながら音声と同時に発声する
- スクリプトを見ずに音声と同時に発声する
リスニング教材・素材を選ぶ
リスニング教材・素材は難しすぎないモノを選ぶことが大切です。
目安としては「辞書を使いながらスクリプトを読んで9割以上理解できるもの」が良いですね。
また、なるべくTOEICの問題を使った方がスコアアップに直結します。
よって、慣れるまではPart1・2の短文を、慣れてきたらPart3・4の長文を使ってシャドーイングに取り組むのがおすすめです。
一度全文を聞いてみる
教材を選んだら、英文のテーマや意味・意図をなんとなく理解しながら全文を聞いてみてください。
このとき、発声する必要はありません。
スクリプトを確認して内容を理解する
全文を聞き終わったら、スクリプトを見てみましょう。
そして、わからない英単語の意味・発音や文法の知識を調べつつ、英文の内容をしっかり理解してください。
音声を聞きながらスクリプトを黙読する
音声のスピードについていくように、スクリプトを黙読しましょう。
このとき、英文の意味と英単語の発音を意識しながら、スクリプトを目で追ってください。
最低3回以上黙読したら、次に進みましょう。
スクリプトを見ながら音声と同時に発声する
ここから、本格的なシャドーイングに入っていきます。
まず、スクリプトを見ながら音声と同時に発声しましょう。
音声のスピードにおいていかれる場合は一時停止しながら、スラスラと発声できるようになるまで繰り返してください。
スクリプトを見ずに音声と同時に発声する
最後に、スクリプトを見ずに音声と同時に発声しましょう。
このとき、ただ音を真似するのではなく、英文の意味を意識しながら発声することが重要です。
【TOEIC】シャドーイングの効果を高めるコツ
シャドーイングをするときは以下の3点を意識してください。
- 話者の話し方を徹底的に真似する
- 丁寧に行う
- レベルに合わせて音声のスピードを調整する
話者の話し方を徹底的に真似する
- リズム
- イントネーション
- 強弱
- 音のつながり・連結
など、話者の話し方を徹底的に真似しましょう。
また、ボソボソと発声するのではなく、なるべく大きな声でしっかり発声するようにしましょう。
丁寧に行う
シャドーイングは難易度が高いリスニング練習法です。
なかなかうまくできず、イライラしてついテキトーに発声したくなるかもしれません。
しかし、テキトーに発声しても効果はありません。
最大限の学習効果を得るためには、今回解説した手順に従って、ひとつひとつ丁寧に行なっていくことが大切です。
レベルに合わせて音声のスピードを調整する
シャドーイングに慣れてきたら、音声のスピードを少しずつ速くしていきましょう。
負荷はかかりますが、その分効果も高くなります。
逆に、シャドーイングにまだ慣れておらず音声についていけない場合は、スピードを遅くしましょう。
シャドーイングに使う教材はTOEIC公式問題集がおすすめ
音声とスクリプトさえあれば、どんな教材でもシャドーイングができます。
しかし、「TOEICのスコアアップ」を目的にするなら、TOEIC公式問題集を使うのがおすすめです。
「公式」というだけあって、本番の試験に近い難易度・形式のスクリプトが掲載されています。
さらに、リスニング音声の話者が公式スピーカーなので、実践的にシャドーイングできます。
シャドーイングを始めるレベル
シャドーイングは難しいリスニング練習法です。
そもそものリスニング力が低いと、シャドーイングの効果は低くなってしまいます。
目安として「TOEICリスニングで300点以上」なら、シャドーイングを始めてもOKです。
300点未満の方には、シャドーイングではなく、「ディクテーション」がおすすめです。
ディクテーションは以下の手順で進めます。
- 全文を聞く
- 音声を1文ごとに区切って止めながら書き取る(書き取れるまで音声は何度再生し直してもOK)
- 再度全文を聞いて、意味を意識しながら書き取った内容をチェック
- スクリプトを見て間違いがないかチェック
- 間違いがあった場合は聞き取れるようになるまで聞き直す
TOEICリスニング対策方法
TOEICのリスニングのスコアを伸ばすためには、以下の7点が重要です。
- TOEIC Part別の問題の攻略法を学ぶ
- 語彙力を身につける
- 中学レベルの基本英文法を完璧に理解する
- 毎日英語を聞いてリスニングに対する抵抗感を無くす
- ディクテーションやシャドーイングで根本的なリスニング力を鍛える
- 問題を正確に素早く解くテクニックを学ぶ
- 実践演習する
特に、リスニング対策を始めたら真っ先にやって欲しいのが①です。
①をやるかどうかで今後の勉強の効率・スコアの伸び方が大きく変わってきます。
TOEICリスニング対策にはオンライン英会話もおすすめ
TOEICリスニングは会話のテンポが速く、短い時間に多くの情報を処理することが必要です。
この「情報処理能力」を鍛えるには、オンライン英会話が最適です。
おすすめのオンライン英会話は「ネイティブキャンプ」です。
ネイティブキャンプは7日間無料体験もできるので、ぜひ活用してください!
まとめ
シャドーイングは以下のように進めましょう。
- リスニング教材を選ぶ
- 一度全文を聞く
- スクリプトを確認する
- 音声を聞きながらスクリプトを黙読する
- スクリプトを見ながら音声と同時に発声する
- スクリプトを見ずに音声と同時に発声する
シャドーイングを続けることで、リスニング力が向上するとともに、音声認識が自然とできるようになります。
音声の意図・意味・テーマを詳細に理解できるようになるので、TOEICのスコアがぐんぐんアップしていきます。