今回はTOEIC500点のレベルと、500点を取るための勉強法・おすすめ参考書を解説します。
また、500点を取るために必要な勉強時間の目安も解説します。
- TOEIC500点のレベルが知りたい
- TOEIC500点を取るための勉強法が知りたい
- TOEIC500点を取るのにかかる勉強時間が知りたい
という方は必見です!
筆者のTOEICスコアは975点(リスニング495、リーディング480)です!
TOEIC500点はやばい?レベルを解説
まずはTOEIC500点のレベルを解説します。
全体の上位72.8%で偏差値43.6、大学は「関東中流」レベル
TOEIC500点は上位約72.76%です。
また、TOEIC500点を偏差値で表すと、およそ43.6になります。
大学に換算すると、「関東中流」(関東学院大学・東京国際大学・中央学院大学・流通経済大学)という大学群に相当するようです。
地方国公立大学の学生と近いレベル
一部の地方国公立大学は所属学生のTOEIC平均点に関するデータを公表しています。
- 広島大学:496.9点
- 佐賀大学:411.7点
- 埼玉大学:477点
- 千葉大学:505.6点(大学院生280人を含む)
- 金沢大学:524点
ここから、地方国公立大学の学生の平均点は400点後半〜500点であることが推測できます。
よって、TOEIC500点は地方国公立大学の学生に近いレベルのスコアだと言えます。
正答率55%程度で90問ミス以内
平均的に、リスニングとリーディングは50点ほど差がつきます。
よって、TOEIC500点の場合、リスニング275点前後、リーディング225点前後になるでしょう。
リスニング275点・リーディング225点を取るための正答率の目安はおよそ55%です。
よって、合計90問ミス以内に抑えることができれば500点以上を取れる可能性が高いでしょう。
普通より英語ができる
TOEIC500点は、TOEIC公開テストの平均スコアより100点近く低いです。
そのため「TOEIC500点はレベルが低いんじゃないか」と思う方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。
というのは、TOEIC受験者は普段から英語をしっかり勉強しています。
つまり、TOEICの平均スコアは「普段から英語をしっかり勉強している人たちの平均点」ということです。
よって、TOEICを受験しない一般の人と比較すると、TOEIC500点は高い英語力を持っていると言えます。
具体的には、リスニングなら、間接的な応答など難しい内容を明確に理解するのは困難なものの、短い会話であれば話の趣旨をしっかり理解できます。
リーディングでも、複数の文章を関連づけることは困難に感じることがまだ多いですが、Part5・6のような短い文なら難なく理解できます。
公式の5段階のコミュニケーション能力評価で上から3番目のレベル
「PROFICIENCY SCALE」によると、TOEIC500点はA〜Eの5段階評価のうち、C評価(470点以上)です。
C評価は「日常生活のニーズを充足し、限定された範囲内では業務上のコミュニケーションができる」レベルで、以下の特徴を備えています。
- 通常会話であれば要点を理解し、応答にも支障はない
- 複雑な場面における対応や意思疎通では巧拙(上手い/下手)の差が見られる
- 基本的な文法・構文は身についている
- 表現力の不足はあるが、ともかく自己の意思を伝える語彙を備えている
CEFR A2レベルで英検準2級、IELTS4.0~5.0、TOEFL iBT42~71点に相当
CEFR(セファール)とは、外国語の習熟度や運用能力をはかる国際的な指標です。
上記の文部科学省のデータによると、TOEIC500点はCFFR A2程度に相当します。
そしてBRITISH COUNCILの「CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)」によると、A2の評価は以下の通りです。
- 基礎段階の言語使用者
- ごく基本的な個人情報・買い物・仕事など直接的な関係がある話題に関する文や表現を理解できる
- 簡単で日常的な範囲内であれば、単純で直接的な情報交換に応じることができる
TOEIC500点の評価
ここまでTOEIC500点のレベルについて解説してきましたが、実際の場面でTOEIC500点はどのように評価されるのでしょうか。
ここでは以下の3つの視点から、TOEIC500点の評価についてお話しします。
- 大学・大学院
- 就職・転職
- 昇進・昇格
TOEIC500点は大学では活用できるが大学院では活用できない
一部の大学・学部では、一定以上のTOEICスコアを取ることで英語試験が免除されたり、単位が認定されたりすることがあります。
基準となるスコアは大学・学部により異なりますが、そのような優遇制度を受けるには500点程度が条件になることが多いです。
よって、大学での単位認定等を目指す場合はとりあえずTOEIC500点を目指すのが良いでしょう。
一方で、大学院になるとTOEIC500点というのはやや低いスコアです。
たとえば地方国立大学の大学院ではおおむね600点程度、旧帝大の大学院ではおおむね700点程度が最低条件として求められます。
よって、TOEIC500点を踏み台に、最終的には600点・700点というハイスコアを目指していきましょう。
TOEIC500点は就活・転職で活用できる場面が限られる
TOEIC活用状況と求められるスコア
英語活用実態調査2019によると、新卒採用では545点、中途採用では620点が要件・参考とされる平均的なTOEICスコアの基準となっていることがわかります。
また、TOEIC公開テストの平均点は608点です。
500点は公開テストの平均点スコアより、また、新卒採用で求められる平均スコアより低いです。
就職活動や転職活動で活用できる場面は限られるでしょう。
就職・転職活動で活用したいなら、TOEIC500点は踏み台しにして、最終的にはTOEIC600点以上を目指しましょう。
500点取れれば、600点に上げるのは簡単です。
TOEIC500点だと昇進・昇格に関する評価で不利になる可能性がある
TOEIC活用状況と求められるスコア
英語活用実態調査2019によると、昇進・昇格では最低でも平均515点以上が求められています。
よって、TOEIC500点だと昇進・昇格の際に不利になることがあります。
やはり、TOEIC500点を踏み台に、最終的には600点・700点以上を目指していきましょう。
TOEIC500点を取るための勉強法
ここからはTOEIC500点を取るための勉強法を解説します!
▼動画でも詳しく解説しています▼
TOEICについて知る
TOEICの勉強を始める前に、TOEICについての知識を身につけておきましょう。
まず、TOEICの試験時間についてですが、リスニング約45分間、リーディング75分間の合計約120分です。
問題数・スコアはリスニング・リーディングそれぞれ100問・495点ずつ、合計200問・990点です。
TOEICにはPart1〜7まであって、リスニングはPart1〜4、リーディングはPart5〜7です。
それぞれのPartの問題内容と問題数は以下の通りです。
Part | 問題とその内容 | 問題数 |
Part1 | 写真描写問題:写真を最も適切に描写する選択肢を選ぶ | 6問 |
Part2 | 応答問題:問いに対する適切に応答している選択肢を選ぶ | 25問 |
Part3 | 会話問題:2〜3人の会話の内容が問われる | 39問 |
Part4 | 説明文問題:留守番電話などについての内容が問われる | 30問 |
Part5 | 短文穴埋め問題:短文の空所に当てはまる選択肢を選ぶ | 30問 |
Part6 | 長文穴埋め問題:長文の空所に当てはまる選択肢を選ぶ | 16問 |
Part7 | 長文読解問題:長文の内容に関する内容が問われる | 54問 |
TOEICの題材は「ビジネスシーン」です。
リスニングでは社員への連絡事項や会社合併など、リーディングではビジネスメールや文書などが問題に出題されます。
TOEIC特有の英単語を覚える
さて、TOEICについての知識はこれくらいおさえておけばOKです。
ここからは実際の勉強法についてお話しします。
まずは英単語を覚えてください。英単語を覚えることなくTOEIC500点を取るのは不可能に近いです。
TOEICの英単語対策をする際は、TOEICに特化した英単語帳を使いましょう。
前述のようにTOEICの英語は「ビジネスシーンを想定した英語」なので、大学受験等とは異なる「TOEIC特有の英単語」が多く登場するからです。
単語を覚える時に意識して欲しいのは「反復」です。
たった1度単語を学ぶだけでは翌日には忘れてしまうので、数日かけて何度も繰り返し覚えてください。
また、英単語学習は基本的に就寝前に行い、起床後に前日夜に学習した英単語を復習すると暗記効率がグッとアップするのでぜひ実践してみてください。
英文法を勉強する
英文法は軽視されがちですが、英単語と並んで重要な英語の基礎です。
英文法の理解度が低ければ、リスニングの聞き取りの精度が落ちるので、正答率が下がります。
リーディングについても、英文を読むスピードと読解の精度が落ちるので、全体のスコアがガクッと落ち込みます。
音読
音読はリーディング・リスニングの両方を同時に対策できる勉強法です。
音読を繰り返すことで英語の音を正しく理解できるほか、英語の語順に慣れて英文を前から理解できるようになるので速読力もアップします。
最初はPart1・2・5のような短い英文で音読してみましょう。
慣れてきたら、Part3・4・6・7のような長めの英文に挑戦してみてください。
「おおげさに」「なるべく大きな声で」音読すると、音読の効果がグッとアップするので、ぜひ実践してみてください。
毎日英語を聞く
さて、ここまでは英語の基礎力アップに関する勉強法を解説してきました。
ここからはリスニング・リーディングに分けて勉強法を解説します。
まずリスニングについて。
TOEICはリスニングの方がスコアを伸ばしやすいです。
そのため、500点以上を目指すなら、まずはリスニングを重点的に対策していきましょう。
TOEIC500点以下の方は「英語を聞く」ことに対して、まだ抵抗感を持っているはずです。
その抵抗感を無くすために、毎日英語を聞くことを習慣づけましょう。
おすすめのリスニング教材はTEDという番組です。
TEDがおすすめな理由は5つあります。
- YouTubeで無料で気軽に視聴できる
- 英語が聞き取りやすい
- 話が面白い
- 英語字幕を表示できる(人気の番組は日本語字幕もある)
- 速度を調整できる
オーバーラッピング
オーバーラッピングというのは、スクリプト(音声の書き起こし)を見ながら音声を流し、音声に重ねるように発音する練習法です。
- リスニング音声のスピードに慣れる
- 英語の音を判別できるようになる
といった効果があります。
オーバーラッピングの手順は以下です。
- リスニング教材・素材を選ぶ
- 一度全文を聞いてみる
- スクリプトを確認する
- 音声を聞きながらスクリプトを黙読する
- スクリプトを見ながら音声と同時に発声する
Part1・2・5・6を重点的に対策する
TOEICにはPart1〜7までありますが、Partごとに難易度は大きく変わります。
簡単なのはPart1・2・5・6、難しいのはPart3・4・7です。
現状TOEIC300点の方は、まずは簡単なPart1・2・5・6を重点的に対策しましょう。
そして、安定して600点取れるようになったら、Part3・4・7の対策を始めてください。
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実践演習する
TOEICは形式が特殊な試験です。
そのため、問題を解いて形式に慣れることがスコアアップのために重要です。
問題演習には、公式問題集を使いましょう。
「公式」とついているだけあって、本番の難易度・形式に最も近い問題が掲載されています。
最初は解答時間を気にする必要はありません。
ゆっくりと時間をかけて、辞書を用いながら問題を解いてみてください。
TOEIC500点を取れるPart別正答数の目安
TOEIC500点を目指す場合、Part別の正答数の目安は以下のとおりです。
問題数 | 正答数 | |
Part1 | 6問 | 4問 |
Part2 | 25問 | 18問 |
Part3 | 39問 | 19問 |
Part4 | 30問 | 14問 |
Part5 | 30問 | 18問 |
Part6 | 16問 | 10問 |
Part7 | 54問 | 27問 |
TOEIC500点を取るためにおすすめの参考書・教材
TOEIC参考書を選ぶときは以下の3点に注目しましょう。
- 参考書の目的・扱っている内容
- 参考書の難易度
- 参考書の出版年度・新しさ
まず「TOEIC参考書」には様々な種類があります。主要なモノは以下の通りです。
- 勉強法解説系参考書
- 実践問題集
- TOEIC英単語帳
- 英文法解説書
- リスニング対策特化
- リーディング対策特化
- パート別対策
次に難易度について、簡単すぎる参考書を使ってしまうと、学ぶことが何もなくお金が無駄になってしまいます。
逆に、今の自分のレベルより遥かに高い難易度の参考書だと、わからないことが多すぎて挫折してしまいます。
参考書を選ぶときは「今の自分のレベルと同じか、少しだけ高い難易度」のモノを選ぶことが重要です。
最後に、なるべく出版年度が新しい参考書を選びましょう。
さて、ここからはおすすめの参考書を紹介します!
TOEIC 出る単特急 銀のフレーズ
TOEICの定番単語帳です。書店のTOEICコーナーに行くと、必ずと言っていいほど一番目に入るところに置かれています。
銀フレには、以下のTOEIC頻出の1000単語が掲載されています。
- 基礎の400語:TOEIC300点レベル
- 頻出の300語:TOEIC400点レベル
- 必須の200語:TOEIC500点レベル
- 発展の100語:TOEIC600点レベル
どの英単語もTOEICにはよく出るので、必ず覚えてください。
このほか、銀フレには以下の補足単語集があります。
- 設問に出る単語・表現
- パート1重要語50
- 注意すべき日常単語
- 前置詞・接続詞・接続副詞
- 部署・職業・専攻名
- 定型表現100
補足単語集に載っているのは、覚えておくとTOEICの問題を解くときに役立つ単語やフレーズです。
よって、見出し語を覚えた後は、これらの補足英単語集も覚えるようにしましょう。
大岩のいちばんはじめの英文法
中学レベルの基礎から英文法を勉強できる参考書です。これ1冊あれば、TOEICに出る英文法の大部分はカバーできます。
問いかけや「〜だよね」というように会話するように解説が進んでいくので、まるで本物の授業を受けているかのような感覚でどんどん読み進められるのが魅力です。
また、大学受験用の参考書なので、TOEIC参考書より価格がリーズナブルなのもポイントです。
公式TOEIC Listening &Reading 問題集
「公式TOEIC Listening &Reading 問題集」は公式が出してる実践形式の問題集です。
本番のテストと同じプロセスで作成した実践問題が2セット掲載されています。
さらに、リスニングについても本番のテストと同じ公式スピーカーの音声が収録されているので、実践演習をするのに最適です。
公式問題集は、TOEICのスコアを伸ばすために必ず持っておきたい問題集です。
TOEIC L&R TEST 初心者特急 パート1・2
「TOEIC L&R TEST 初心者特急 パート1・2」は、TOEICリスニングのなかで比較的簡単なTOEICパート1・2に特化した参考書です。
「初心者特急」とついているだけあって基礎事項から丁寧に解説してくれているので、英語初心者でも挫折することなくTOEICリスニング対策ができます。
TOEIC 文法問題はじめの400問
中学レベルの基本的な英文法をおさらいしながら、TOEIC Part5の文法問題と同形式の問題を使って演習できる問題集です。
本番より問題文が短く単語のレベルが低いため、挫折することなく着実にPart5のスコアを上げていけます。
また、問題量が400問と非常に多いのもポイント。
繰り返し同じ問題に触れることで、問題パターンを素早く把握し、適切な解き方を適用できるようになります。
TOEIC500点を取るのにかかる勉強時間
他のサイトだと、TOEICのスコアを100点アップさせるには200〜300時間程度必要と言われています。
これに基づいて計算すると、TOEIC500点を取るために必要な勉強時間は以下の通りです。
- TOEIC200点から500点:600〜900時間
- TOEIC300点から500点:400〜600時間
- TOEIC400点から500点:200〜300時間
しかし、実際にはこんなにかかりません。
というのは、「100点アップに200〜300時間」という値は、あくまで1985年の調査結果なんです。
より正確に言えば、「Saegusa, Y. (1985) Prediction of English Proficiency Progress. Musashino English and American Literature, 18: 165–185」から持ってきているデータです。
当然、1985年と現在では状況が全くと言っていいほど異なります。
TOEICの勉強法に関する情報はネットで簡単に手に入りますし、英語・TOEICの教材もたくさんあります。
よって、100点アップに200〜300時間もかからないと考えるのが妥当です。
まとめ
TOEIC500点のレベルと、TOEIC500点を取るための勉強法を解説しました。
TOEIC500点は全体の上位72.8%のスコアです。偏差値で表すとおよそ43.6になります。
正答率の目安は約55%。英検で言うと準2級に相当します。
TOEIC500点を取るためには以下のように勉強を進めましょう。
- 語彙力を鍛える
- 英文法を勉強する
- 音読
- 毎日英語を聞く
- オーバーラッピング
- 毎日英語を読む
- Part1・2・5・6を対策する
- 実践演習する
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