今回は「TOEIC IPテスト」の対策方法を徹底解説します。
- TOEIC IPテストってどんなテスト?
- TOEIC IPテストの対策は何から始めるべき?
- TOEIC IPテストのスコアを効率的に伸ばす方法は?
と疑問に思っている方は必見です!
筆者のTOEICスコアは975点(リスニング495点、リーディング480点)です!
TOEIC IPテストとは?
TOEIC IPテストは、公開テストのように個人で申し込みを行うのではなく、会社・大学などの団体単位で申し込みを行う試験です。
公開テストでは指定された試験会場で受験する一方で、IPテストでは基本的に申し込みをした団体の建物が試験会場になることが多いです。
TOEIC IPテストの問題形式は公開テストと同様で、リスニング約45分間、リーディング75分間の合計約120分。
問題数はリスニング・リーディングそれぞれ100問ずつ(合計200問)で、満点はそれぞれ495点(合計990点)です。
TOEIC IPテストを受験するメリット
以下の表はIPテストと公開テストの特徴を比較したものです。
IPテスト | 公開テスト | |
主催者 | 大学・企業・塾などの団体 | 公式の団体 |
受験会場 | 各団体による(通いなれた教室などが多い) | 指定の場所 |
申し込み | 所属団体 | 個人 |
試験方式 | 対面・オンライン | 対面のみ |
試験実施時間 | 各団体による | 午前:10:20〜12:20 午後:15:00〜17:00 |
試験日 | 各団体による | 毎月1回程度(午前午後実施) 土曜日か日曜日 |
試験問題 | 過去問 | 最新の問題 |
受験料(税込) | 4,230円(団体によって異なる場合もある) | 7,810円 |
テスト結果の通知 | 対面は約5営業日、オンラインは試験直後 | 3週間後 |
公式認定証 | なし(代わりにスコアレポートが届く) | あり(受験後30日以内に届く) |
履歴書等へのスコア記載 | 可能 | 可能 |
表で見てもいまいち違いわからないかもしれないので、ここからはTOEIC IPテストを受験するメリットを具体的に解説します!
受験料がリーズナブル
公開テストの受験料は7,810円ですが、 IPテストは基本的に4,230円で受けられます。
受験料が3,500円ほど低くなっているので、お金に余裕がない大学生でも受けやすいのがポイントです。
都合に合わせて気軽に受験できる
公開テストは日程が決まっている一方、IPテストは主催する団体が都合に合わせて受験日を設定します。
また、通い慣れた大学の教室などで受験できるので、わざわざ遠い試験会場に行く必要はありません。
オンラインの場合は試験時間が短い
所属団体によっては、TOEIC IPテストをオンラインでも受験できる場合があります。
通常のテストの場合、リスニングとリーディングの問題数はそれぞれ100問ずつ、試験時間は合計約2時間です。
それに対して、オンラインのテストの場合、問題数はそれぞれ50問ずつ、試験時間は約1時間です。
さらに、IPテストのオンライン受験なら、自宅でも受験できます。
しかも、指定された日時の中であれば、24時間いつでも受験可能です。
なお、オンラインのIPテストの対策方法は、通常のIPテストと同じです。
記事後半の「TOEIC IPテストの勉強法」をご覧ください。
申し込みが簡単
公開テストはWEB上で自分で申し込みの手続きを進めることが必要ですが、IPテストは簡単な書類を提出すれば後は団体が申し込みの手続きを行なってくれます。
また、顔写真の用意が不要なので、わざわざお金をかけて証明写真を撮りに行く必要もありません。
スコアがすぐに分かる
公開テストでスコアを確認できるのは、はやくても試験日から17日後です。
一方、IPテストでは試験日から約5営業日経過すればスコアを確認できます。また、オンラインのIPテストなら、試験直後にスコアを確認可能です。
履歴書にスコアを書ける
TOEIC IPテストのスコアは、公開テストと同様、履歴書に記載できます。
スコアの有効性に違いはありません。
TOEIC IPテストを受験するデメリット
TOEIC IPテストは非常にメリットが大きい受験制度です。
しかし、以下のようなデメリットがあるので注意してください。
- 公式認定証が発行されない
- オンラインの場合は受験環境を整えることが必要
公式認定証が発行されない
公開テストでは、スコアを証明するために「公式認定証」が発行されます。
一方、IPテストでは、「スコアレポート」が発行されます。
どちらもスコアの有効性に違いはなく、基本的には就活や転職等で履歴書に記載できます。
しかし、企業によっては「公式認定証の原本・コピー」を求めてくることがあります。
その場合、IPテストの受験結果を使うことができないので注意が必要です。
オンラインの場合は受験環境を整えることが必要
オンラインのIPテストを受験するためには、パソコンやタブレットが必要です。
スマートフォンでは受験できません。
さらに、受験のために以下のような準備が必要です。
- タブレットを使用する場合には専用のアプリをダウンロード
- Windowsの場合は「Google Chrome」または「Microsoft Edge」をインストール
- Macの場合は「Google Chrome」をインストール
- インターネット接続を安定させる
- ヘッドフォンやイヤホンを用意する
TOEIC IPテストの平均点
公式が出してる「TOEIC Program DATA & ANALYSIS」によると、TOEIC IPテストの平均点は以下の通りです。
学年 | 平均スコア(リスニング,リーディング) | 受験者数 |
2022 | 493点(277点,219点) | 1,000,926人 |
2021 | 498点(279点,219点) | 1,010,779人 |
2020 | 502点(282点,221点) | 854,301人 |
また、
- 社会人の536点(リスニング298点、リーディング238点)
- 大学生のTOEIC IPテストの平均点は474点(リスニング266点、リーディング209点)
となっています。
TOEIC IPテストで目指すべきスコア
IPテストで目指すべきスコアは600点以上です。
600点以上あれば、履歴書などに記載して英語力をアピールできます。
また、700点以上あれば、就職活動や転職活動においてほかの候補者と英語力で差別化できます。
よって、就活・転職を有利に進められるでしょう。
TOEIC IPテストと公開テストで対策方法は変わるのか
TOEIC IPテストを受験しようと考えている方の中で、「IPテストと公開テストで対策方法が変わるの?」と疑問に持つ方は多いのではないでしょうか。
結論を先に言うと、TOEIC IPテストと公開テストで対策方法は一切変わりません。
IPテストと公開テストで異なるのは試験の申し込みや実施方法など「試験の周りに関すること」だけあり、問題形式は同じだからです。
強いて言えば、公開テストでは毎回最新の問題が出題される一方で、TOEIC IPテストの問題は過去問を利用しています。
よって、過去に公開テストを受験したときに出題された問題が、これから受けるIPテストで出題される可能性はあります。
TOEIC IPテストの対策法・勉強法
さて、ここからはTOEIC IPテストの対策法を解説します!
TOEICについて知る
TOEICの勉強を始める前に、TOEICについての知識を身につけておきましょう。
まず、TOEICの試験時間についてですが、リスニング約45分間、リーディング75分間の合計約120分です。
問題数・スコアはリスニング・リーディングそれぞれ100問・495点ずつ、合計200問・990点です。
TOEICにはPart1〜7まであって、リスニングはPart1〜4、リーディングはPart5〜7です。
それぞれのPartの問題内容と問題数は以下の通りです。
Part | 問題とその内容 | 問題数 |
Part1 | 写真描写問題:写真を最も適切に描写する選択肢を選ぶ | 6問 |
Part2 | 応答問題:問いに対する適切に応答している選択肢を選ぶ | 25問 |
Part3 | 会話問題:2〜3人の会話の内容が問われる | 39問 |
Part4 | 説明文問題:留守番電話などについての内容が問われる | 30問 |
Part5 | 短文穴埋め問題:短文の空所に当てはまる選択肢を選ぶ | 30問 |
Part6 | 長文穴埋め問題:長文の空所に当てはまる選択肢を選ぶ | 16問 |
Part7 | 長文読解問題:長文の内容に関する内容が問われる | 54問 |
TOEICの題材は「ビジネスシーン」です。
リスニングでは社員への連絡事項や会社合併など、リーディングではビジネスメールや文書などが問題に出題されます。
語彙力を鍛える
さて、TOEICについての知識はこれくらいおさえておけばOKです。
ここからは実際の勉強法についてお話しします。
まずは英単語を覚えてください。英単語を覚えることなくTOEICのスコアを上げるのは不可能です。
語彙力を鍛えるには、以下を実践しましょう。
- TOEIC特化の英単語帳を使って英単語を覚える
- 問題演習でわからなかった英単語を調べてノートにまとめ、定期的に見返す(700点以上の場合)
また、英単語を覚えるコツが4つあります。
- 発音する
- 反復する(1度に多くの英単語に目を通すことを繰り返す)
- 毎日寝る前に暗記する
- 1冊しっかり覚える
これをやるだけで英単語の暗記効率はグッと向上します。
英文法を勉強する
英文法は、英単語と並んで重要な英語の基礎です。
英文法の理解度が低ければ、リスニングの聞き取りの精度が落ちるので、正答率が下がります。
リーディングについても、英文を読むスピードと読解の精度が落ちるので、全体のスコアがガクッと落ち込みます。
さらに、TOEICのリーディングセクションには英文法問題が多数出題されるので、確実に理解することが大切です。
英文法を勉強するときは、インプットとアウトプットのバランスが大切です。
インプットだけだと英文法の理解は深まりきりません。
アウトプットすることで、英文法をしっかり理解できます。また、問題を解くときにすぐ必要な英文法の知識を思い出しやすくなります。
毎日英語に触れる
英語に対する抵抗感をなくすために、毎日英語に触れることを習慣にしましょう。
おすすめのリスニング教材はTEDという番組です。
TEDがおすすめな理由は5つあります。
- YouTubeで無料で気軽に視聴できる
- 英語が聞き取りやすい
- 話が面白い
- 英語字幕を表示できる(人気の番組は日本語字幕もある)
- 速度を調整できる
返り読み対策としてスラッシュリーディング
返り読みというのは、英文を一度最後まで目を通した後、後ろから日本語に訳していくことです。
返り読みをしてしまうと、
- リーディングでは読解スピードが遅くなる
- リスニングは内容が理解できなくなる
など、たくさんの弊害が出てきます。
返り読み対策には、意味のまとまりごとにスラッシュを入れる「スラッシュリーディング」が効果的です。
例えば、以下のように行います。
スラッシュの入れ方は1つではありません。慣れないうちはスラッシュは多くなるはずです。
しかし、練習するうちにより多くの範囲を1つのまとまりとして理解できるようになるので、スラッシュは少なくなっていきます。
そして最終的には、スラッシュを入れずとも英文を前から理解できるようになります。
ディクテーション
ディクテーションは、音声のスピードについていくために効果的なリスニング練習法です。
以下の手順で進めます。
- リスニング教材・素材を選ぶ
- 全文を聞く
- 音声を1文ごとに区切って止めながら聞いた内容を書き取る(書き取れるまで音声は何度再生し直してもOK)
- 再度全文を聞いて、意味を意識しながら書き取った内容をチェック
- スクリプトを見て間違いがないかチェック
- 間違いがあった場合は聞き取れるようになるまで聞き直す
シャドーイング
シャドーイングは、音声認識を自然とできるようになるために効果的なリスニング練習法です。
シャドーイングは以下の手順で進めます。
- 一度全文を聞く(意味を理解しながら)
- スクリプトを確認する
- スクリプトを確認しながら、音声を流して聞き取りと同時に発音する
- ③を最低3回繰り返す
- スクリプトを見ずに、音声を流して聞き取りと同時に発音する
- ⑤を最低3回繰り返す
シャドーイングの教材には、ディクテーションと同様にTOEIC公式問題集のPart1・2の問題を使うのがおすすめ。
慣れてきたら、より難易度の高いPart3・4の問題を使いましょう。
多読
リーディングの速読力を伸ばすために、多読を行いましょう。
おすすめの教材は「News in Levels」というWEBサイトです。
「News in Levels」は英語学習者向けのニュースサイトで、同じ内容のニュースをLevel1・Level2・Level3の3つのレベルで読めます。
ニュースのテーマはエクササイズや歴史、スポーツや自然、娯楽などさまざま。ボリュームもそれほど多くないので、毎日の多読のために利用するのがおすすめです。
もちろん、途中で「読みにくいな」「面白くないな」と感じたら教材を変えてOKです。
子ども向けの洋書はユーモアに溢れていてクスッと笑えるストーリーが多いですよ。
まずはPart1・2・5・6を対策する
TOEICにはPart1〜7までありますが、Partごとに難易度は大きく変わります。
簡単なのはPart1・2・5・6、難しいのはPart3・4・7です。
TOEIC400点から700点を目指すなら、まずは簡単なPart1・2・5・6を重点的に対策しましょう。
600点を安定して取れるようになったらPart3・4・7の対策を始める
そして、TOEIC600点を安定して取れるようになったら、Part1・2・5・6と並行して、Part3・4・7の対策を始めましょう。
リスニングが得意ならPart3・4を、リーディングが得意ならPart7を重点的に対策するのがおすすめです。
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実践演習する
TOEICは形式が特殊な試験です。
そのうえ、試験時間が合計約120分と長いです。
- 形式に慣れる
- 体力を身につける
ために、実践的に問題演習しましょう。
問題演習には、すでに何度か紹介した「公式問題集」を使うのがおすすめです。
「公式」とついているだけあって、本番の難易度・形式に最も近い問題が掲載されています。
TOEIC IPテスト対策におすすめの参考書・教材
ここからはTOEIC IPテスト対策をするのにおすすめの参考書や教材を紹介します!
TOEIC 出る単特急 銀のフレーズ
TOEICの定番単語帳です。書店のTOEICコーナーに行くと、必ずと言っていいほど一番目に入るところに置かれています。
銀フレには、TOEIC頻出の1000単語が掲載されています。覚えてなきゃやばい重要単語ばかりなので、確実に覚えましょう。
TOEIC 出る単特急 金のフレーズ
銀のフレーズの姉妹書で、TOEICの超定番英単語帳です。
「TOEIC学習者なら全員持っている」と言っても過言ではありません。
銀のフレーズ同様、金フレに掲載されている英単語もTOEICには頻出なので、どんどん覚えましょう。
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大岩のいちばんはじめの英文法
中学レベルの基礎から英文法を勉強できる参考書です。これ1冊あれば、TOEICに出る英文法の大部分はカバーできます。
問いかけや「〜だよね」というように会話するように解説が進んでいくので、まるで本物の授業を受けているかのような感覚でどんどん読み進められるのが魅力です。
また、大学受験用の参考書なので、TOEIC参考書より価格がリーズナブルなのもポイントです。
TOEIC公式問題集
TOEICの実践演習をするのに特におすすめしたい問題集です。
「公式」というだけあって本番に近い難易度・形式の問題が掲載されています。
そのうえ、本番と同様のスピーカーが音声の収録を担当しているので、限りなく実践に近い形で問題演習できます。
現在、冊子・バージョンは1〜11まであり、11が最新です。
問題集としては価格が少し高いですが、本気でTOEICを勉強するなら最低1冊は持っておきたい問題集です。
公式 TOEIC Listening & Reading トレーニング リスニング編
TOEIC公式が出版しているリスニングの問題集です。
以下の2冊ありますが、購入する場合はより新しい「トレーニング2」を選びましょう。
- 公式 TOEIC Listening & Reading トレーニング リスニング編(2017/6/23発売)
- 公式 TOEIC Listening & Reading トレーニング 2 リスニング編(2023/12/4発売)
公式の問題集だけあって、本番に近い形式の問題が載っているのがポイント。
問題量も「380問」(トレーニング2)と多いので、実践的に問題演習の経験をどんどん積めます。
基本的にリスニング対策は公式問題集だけでOKです。
が、問題量がそれほど多くない(100問×2セット)ので、物足りないと感じる方は一定数います。
そのような方に「公式 L&R トレーニング リスニング編」はおすすめです。
TOEIC L&R TEST 初心者特急 パート1・2
TOEICリスニングのなかで比較的簡単なTOEICパート1・2を重点的に対策できる参考書です。
「初心者特急」とついているだけあって基礎事項から丁寧に解説してくれているので、TOEIC超初心者の方でも挫折することなくTOEICリスニング対策ができます。
公式問題集のパート1・2を解いて「難しいな」と感じた場合は、こちらの参考書を使うのがおすすめです。
TOEIC L&R TEST 初心者特急 パート5
TOEICリーディングのなかで簡単なTOEICパート5を重点的に対策できる参考書です。
上で紹介した「TOEIC L&R TEST 初心者特急 パート1・2」と同シリーズで、基礎事項から丁寧に解説しているのが特徴です。
まとめ
TOEICは勉強のやり方を間違えると、スコアが思うようにアップしていきません。
今回解説した勉強法を実践して、どんどんスコアを伸ばしていきましょう!
TOEICは「国際ビジネスコミュニケーション協会」が実施する英語を母語としない方を対象にした試験です。就職活動や転職活動など、さまざまな場面で活用されています。 では、どれくらいのスコアを取れば「すごい!」[…]