TOEIC満点の割合は?何人いる?意味ないと言われる理由も徹底解説

TOEIC 満点 割合 何人 意味ない

日本だけでなく、世界で広く認知されている英語資格試験「TOEIC」。多くの企業が就職や転職の際にTOEICスコアを参考にしています。

 

では、TOEICで満点を取った場合には就職・転職活動において、企業からどのように評価されるのでしょうか。

ということで今回は、TOEIC満点のすごさについて解説します!

本記事の信頼性
筆者のTOEICスコアは975点(リスニング495点、リーディング480点)です!
筆者のTOEICスコア リスニング495 リーディング475 計975

TOEIC満点は何点?スコア範囲と採点方法

TOEICのスコア範囲は5点刻みで10点〜990点、つまり満点は990点です。

 

「TOEICの問題数はリスニング・リーディング合わせて200問だから、1問5点として1000点満点にすればいいんじゃないの?」と思ったかもしれません。

TOEICがそのような採点方法を取っていない理由は、試験の難易度によってスコアを変動させないためです。

 

というのも、TOEICでは毎回異なる問題が出題されます。

毎回同じ難易度に上手く調整できれば良いのですが、そんなことは不可能です。

 

ここで、もし1問5点というような採点方法が採用されていた場合はどうなるでしょうか。

簡単な問題が多かった回を受ける方が、難しい問題が多かった回を受けるより点数が高くなるはずです。

 

これでは英語力を適切に示せているとは言えません。

よって、統計的な処理を施し、試験の難易度による差を調整し、英語力を反映したスコアが算出されるようになっているというわけです。

TOEIC満点の割合は?何人いるの?

では、TOEICで満点を取る人は何人いるのでしょうか。

結論からいうと、1度の試験で満点を取る人数はおおむね100人以下です。

 

TOEICでは正式な満点の人数を公表していません。

ということで、ここからはTOEIC公式のデータをもとに満点取得者の人数と割合を予想してみます。

 

2022年度のTOEIC公開テストスコア取得者の割合は以下の通りです。

TOEICスコア取得者の割合 890点は上位4.2% 840点は上位9.1%

TOEIC Program DATA & ANALYSISより筆者作成)

この図から、895点以上が上位4.2%だとわかります。

ただ、以上のデータからは900点以上の詳細が読み取れません。

 

よって、次は「TOEIC平均スコア・分布詳細」より、リスニング・リーディングのスコア分布を見てみましょう。

TOEIC 第531回 リスニングとリーディングのスコア分布 295点〜470点 この表から、リスニングで470点以上取った人は1431人、リーディングで470点以上取った人は381人だとわかります。

当然、TOEIC満点を取るにはリスニング・リーディングそれぞれで満点を取ることが必要なので、満点を取った人の人数は381人以下だと言えます。

 

リーディング470点以上の点数の種類は、470点、475点、480点、485点、490点、495点の6通りです。

381人がこれらのスコアに均等に分布しているとすると、各スコアの取得者の人数はおよそ63〜64人(≒381÷6)となります。

 

さらに、普通に考えて495点を取るのは470点より難しいです。

また、リーディングで満点取れたとしても、リスニングで満点を取れなかった人もいるでしょう。

 

よって、495点を取った人の数が均等に分布している時の2分の1と仮定すれば、満点取得者の数は32人程度になります。

そして、この試験の受験者数は31014人なので、満点取得者の割合は0.1%程度となります。

 

この割合を元に、年間のTOEIC満点取得者の数についても考えてみましょう。

 

TOEIC Program受験者数」によると、2023年度のTOEIC受験者数は公開テスト・IPテスト合わせて1922000人です。

よって、満点取得者は1922人となります。

テン
これはあくまで仮定の数字です。実際にどれくらい満点がいるかを正確に知ることはできません。

 

とはいえ、TOEIC満点は間違いなく希少であるのは確かです。

TOEIC満点のすごさ

すでにTOEIC満点のすごさを身に沁みて感じているかも知れませんが、ここからはまた異なる視点からTOEIC満点のすごさを解説します。

TOEIC満点はリスニングで5問ミス以内

試験の難易度により異なりますが、5問ミス以内におさえればTOEICリスニングで満点を取れる可能性があります。

TOEIC満点はリーディングで1〜2問ミス以内

一方リーディングでは、1〜2問ミス以内に抑えることが必要です。

テン
リーディングのハイスコア取得者の数がリスニングのハイスコア取得者の数より少ない理由ですね。

TOEIC満点はCEFR C1

CEFR(セファール)とは、外国語の習熟度や運用能力をはかる国際的な指標です。

  1. C2
  2. C1
  3. B2
  4. B1
  5. A2
  6. A1

の6段階評価で、C2が最も高いレベルです。

 

CEFRとTOEICスコアの対照表

参照元:各試験団体のデータによるCEFRとの対照表

 

上表によると、TOEIC満点の990点はC1程度になります。

そしてBRITISH COUNCILの「CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)」によると、C1の評価は以下の通りです。

  • 熟達した言語使用者
  • さまざまな種類の高度な内容のかなり長い文章を理解し、含意を把握できる
  • 流暢に、また自然に自己表現できる
  • 社会生活を営むため、また学問上や職業上の目的で、言葉を柔軟かつ効果的に用いることができる
  • 腹圧な話題について明確で、しっかりとした構成の詳細な文章を作ることができる

TOEIC満点は英検1級相当

英検は、公益財団法人日本英語協会が実施する英語4技能の検定試験で、TOEICと並んで日本では広く認知されています。

検定は7段階に分かれており、TOEICとは異なり合否(受かったか落ちたか)が判定されます。

  1. 英検1級(大学上級程度)
  2. 英検準1級(大学中級程度)
  3. 英検2級(高校卒業程度)
  4. 英検準2級(高校中級程度)
  5. 英検3級(中学卒業程度)
  6. 英検4級(中学中級程度)
  7. 英検5級(中学初級程度)

TOEICと英検は問題の形式が違うので完璧な換算ではありませんが、TOEIC満点の990点は英検1級に相当すると言われています。

TOEIC満点はIELTS 7.0〜8.0

IELTSはイギリス、アメリカ、オーストラリアなどの140カ国以上の教育機関、国際機関、政府機関で採用されている世界的に認められた英語運用能力試験です。

 

4つのスキルごとに1から9まで0.5刻みで点数がつけられます。

また、4つのスキルを総合的に評価した「オーバーオールバンドスコア」も、同様に点数がつけられます。

 

TOEICとIELTSは問題の形式が違うので完璧な換算ではありませんが、TOEIC満点は「IELTS 7.0〜8.0」に相当すると言われています。

参考までに、「IELTS 7.0」の評価は以下の通りです。(出典:idp IELTS

  • 優秀なユーザー
  • 不正確さや不適切さがみられ、状況によっては誤解が生じる可能性もあるが英語を使いこなす能力を有する
  • 複雑な言葉遣いにも概ね対応でき、詳細な論理を理解できる

TOEIC満点はTOEFL iBT 95〜120点

TOEFL iBTはアカデミックな英語力をはかる世界的に認められた英語能力測定試験です。

世界160カ国、12,500以上の大学・大学院等で活用されています。

 

スコアは4技能それぞれ0〜30点で評価され、合計の満点は120点です。

 

TOEICとTOEFL iBTは問題の形式が違うので完璧な換算ではありませんが、TOEIC満点は「TOEFL iBT 95〜120点」に相当すると言われています。

参考までに「TOEFL iBT Requirements of the Top 100 Universities in the United States」によると、アメリカのトップレベルの大学院に進学するためにはTOEFL iBT80点〜100点が最低条件になっていることが多いです。

TOEIC満点を取るのに必要な勉強時間

下表はTOEICスコアアップに必要な勉強時間の目安を表しています。

TOEIC スコアアップにかかる勉強時間の目安 Prediction of English Proficiency Progress(1985)より作成

Oxford University Pressが引用した
Prediction of English Proficiency Progress(1985)」から筆者作成

この表から、850点から950点に上げるのにかかる勉強時間の目安は325時間程度だとわかります。

よって、現在のスコアが850点の場合、満点を取るには325時間以上の勉強が必要だということになります。

 

ただし、これはあくまで目安の勉強時間です。

また、950点を取れる方の中には、実力的に満点を取れる方もいるでしょう。

テン
つまり、数回受けて相性の良い問題に当たれば満点を取れるということです。

 

よって、ここで紹介した勉強時間はあくまで参考程度にしておきましょう。

TOEIC満点が意味ないと言われる理由

「TOEIC満点は意味ない」と言われることがあります。

その理由は3つあります。

  1. 就職や転職の際にはスピーキングやライティングの能力が求められるから
  2. 860点or945点以上は英語力の評価に差があまりないから
  3. 英語力ではなくTOEIC力を高めているだけだから

就職や転職の際にはスピーキングやライティングの能力が求められるから

TOEIC満点だからといって、英語がペラペラ話せるわけではありません。

また、ライティングのスキルの高さが保証されるわけでもありません。

 

もちろん、TOEIC満点を取れるなら、普通よりは英語力が高いです。

よって、スピーキングやライティングの訓練をしていない人の中では、TOEIC満点は英語が話せる/書ける部類に入るでしょう。

 

しかし、ネイティブや帰国子女はもちろん、4技能を総合力に測る英検・TOEFL・IELTSのハイスコア(英検は1級)取得者と比べると、スピーキングやライティングの能力は劣る場合が多いです。

特に外資系企業などへの就職・転職の際には「英語4技能が当然身についている」という前提で選考が行われることが多いため、TOEIC満点を取っても意味がないと言われます。

テン
より実践的なスキルが求めらるということですね。

860点or945点以上は英語力の評価に差があまりないから

TOEICのスコアにはいくつかの基準があります。

その中でもハイスコアの基準となっているスコアが2つあります。

  1. 860点
  2. 945点

860点は公式のコミュニケーションレベル評価「PROFICIENCY SCALE」における最高評価(A評価)です。

そして、945点は文部科学省「各試験団体のデータによるCEFRとの対照表」で示されている、TOEICで取得できる最高のCEFR(CEFR C1)です。

 

多くの企業・団体は、860点や945点を英語力の最高評価の基準として採用しています。

したがって、満点を取ったとしても、860点や945点の人と英語力の評価としては変わらないことが多いです。

テン
このことから、「990点を目指すのはコスパの観点から意味がない」と言われることがあります。

英語力ではなくTOEIC力を高めているだけだから

TOEIC満点の990点を取るには、英語力というよりTOEIC力を高めることが必要だという指摘もあります。

つまり、英語力が高いからTOEIC満点を取れるのではなく、「テクニック」や「慣れ」などが関連する「TOEIC力」が高いからTOEIC満点を取れるということです。

テン
私の場合、900点以上からは、勉強しても「英語力」が伸びているという実感が正直言ってあまり沸きませんでした。

 

実際、英語力が絶対的に高いネイティブの方が、対策なしでTOEICを受けても満点を取れないことはよくあります。

TOEIC満点を取るメリット

「TOEIC満点は意味ない」という意見があるのは事実です。

しかし、TOEIC満点を取るメリットがないわけではありません。

 

ということで、ここからはTOEIC満点を取るメリットを解説します。

就職活動や転職活動で断然有利になる&幅が広がる

TOEICの活用状況と要件・参考とされるTOEICスコア

TOEIC活用状況と求められるスコア

上画像から、新卒採用では平均545点、中途採用では平均620点のスコアが要件・参考とされています。

 

当然、TOEIC満点の990点はそれらの値より遥かに高いスコアです。

一般的な企業であれば、英語力は間違いなくトップ評価になるので、他の候補者と差別化して選考を断然有利に進められるでしょう。

 

以下に挙げるような「業務で英語を頻繁に使う企業」が求めるTOEICスコアも大幅に超えているため、キャリアの幅が広がるでしょう。

社名TOEICスコア職種
三井物産800点新卒・一般
丸紅730点中途・人事
伊藤忠オートモービル努力目標700点以上新卒・総合
双日730点中途・企画/立案
三菱商事800点中途・DX事業戦略作成
ニトリ750点入社後、グローバルトレーニー公募を希望する場合
楽天800点新卒・一般

さらに、TOEIC満点というのは、外資系企業など英語を普段から活用する企業における選考でも周りに引けを取らないスコアです。

 

ただし、面接等で英語でのコミュニケーション能力を含む実践的・実務的な英語力が問われることがあります。

その場合、TOEICスコア(L&R)だけを提出してもあまり意味がない場合もあるので注意しましょう。

昇進・昇格や海外出張・海外赴任のチャンスを得られる

昇進・昇格・海外出張・海外赴任者選抜で要件・参考とされるTOEICスコア

TOEIC活用状況と求められるスコア

昇進・昇格の際には平均的に約500〜600点のスコアが要件・参考とされています。

また、海外出張や海外赴任の選抜の際には、平均的に600点以上のスコアが要件・参考とされています。

 

TOEIC満点の990点はそれらのスコアより遥かに高いので、昇進・昇格や海外出張・海外赴任のチャンスが増えるでしょう。

年収が高くなる

  • 就職や転職を有利に進められる
  • 昇進・昇格や海外出張・海外赴任のチャンスが増える

以上の結果として、年収がアップするでしょう。

 

実際、dodaによると、TOEICスコアと年収の相関関係は以下のとおりです。

TOEICスコア平均年収
スコアなし379万円
300点未満374万円
300点台419万円
400点台434万円
500点台437万円
600点台436万円
700点台459万円
800点台487万円
900点台534万円

TOEICスコアなしと900点台では、150万円以上の差がついています。

テン
TOEICによる年収アップは700点以上から明確に傾向としてあらわれていますね。

大学院入試で活用できる

大学院によっては、入試の際にTOEICスコアを利用できるところもあります。

990点なら、日本の大学院であれば足切りに引っ掛かることはもちろんありません。

テン
「英語試験の得点に換算」「英語試験免除」というように、優遇措置の制度が導入されているところであれば、ほぼ確実に優遇措置を受けられるでしょう。

自信が身につく

TOEIC満点は、間違いなく「すごい!」と評価されます。

特に、満点を取ることの難しさや大変さを知っているTOEICを受験経験のある人からは、尊敬の念を抱かれることもあるでしょう。

 

また、自分自身でも「満点を取った」という達成感を感じるはずです。

よって、TOEIC満点を取ることで単に就職・転職活動において自己PRになるだけでなく、今後の人生にも活かされる自信が身につくでしょう。

TOEICの勉強法

TOEICは基本的に以下のように勉強を進めていきます。

  • 英単語を覚える
  • 英文法を勉強する
  • リスニング力を伸ばす
  • リーディング力を伸ばす
  • まずは簡単なPart1・2・5・6を重点的に対策する
  • 実践演習

現在の英語レベル・スコアや目標スコアにより、適切な勉強法は変わってきます。

詳しい勉強法については、以下の記事を参考にしてください。

テン
600点未満の方はTOEIC600点の記事を、600点以上800点未満の方はTOEIC800点の記事を、800点以上の方はTOEIC900点の記事を確認してください!
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まとめ

TOEIC満点は990点です。

1度の試験でTOEIC満点を取る受験者の数は正確にはわかりませんが、おおむね100人以下でしょう。

 

TOEIC990点は間違いなく高いスコアで、どこに行っても「すごいね!」と評価されます。

ただし、就職や転職等で活用したいと考えている場合は、無理に満点を目指すのはおすすめしません。

テン
時間と労力がかかりますし、一定以上のハイスコアになると英語力の評価は変わらないことがほとんどだからです。

 

ぜひ参考にしてください!

 

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