TOEICで0点は取れない!なぜ最低点が10点なのかを975点が解説

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TOEICは「国際ビジネスコミュニケーション協会」が実施する英語を母語としない方を対象にした試験です。

主に「ビジネスシーン・日常英会話を想定した英語力」の測定を目的としており、全部で5種類の試験があります。

  1. TOEIC®︎ Listening & Reading Test
  2. TOEIC®︎ Speaking & Writing Test
  3. TOEIC®︎ Speaking Test
  4. TOEIC®︎ Bridge Listening & Reading Test
  5. TOEIC®︎ Bridge Speaking & Writing Test

最も一般的で認知度が高いのは「Listening & Reading Test」で、日本では年間約200万人もの受験者がいます。

テン
そして、就活や転職、昇進・昇格の評価など、幅広く活用されています。

 

さて、そんなTOEICですが、一部のテストでは「0点」を取ることはできないんです。

それぞれのテストの最低点は以下の通りです。

  1. TOEIC®︎ Listening & Reading Test:10点(Listening 5点、Reading 5点)
  2. TOEIC®︎ Speaking & Writing Test:0点
  3. TOEIC®︎ Speaking Test:0点
  4. TOEIC®︎ Bridge Listening & Reading Test:30点(Listening 15点、Reading 15点)
  5. TOEIC®︎ Bridge Speaking & Writing Test:30点(Speaking 15点、Writing 15点)
テン
TOEICのSpeaking・Writingテストでは「0点」が存在しているものの、他のテストには「0点」がありません。

 

ということで今回は「なぜTOEICの中には最低点が0点ではないテストがあるのか」というテーマでお話ししてみようと思います。

本記事の信頼性
筆者のTOEICスコアは975点(リスニング495点、リーディング480点)です!
筆者のTOEICスコア リスニング495 リーディング475 計975

TOEIC Listening & Readingで0点は取れない

TOEIC Listening & Readingは、TOEICの中で最も認知度が高く、最も幅広く活用されているスコアです。

一般的に「TOEIC」といえば、TOEIC Listening & Readingのことを指します。

 

冒頭でお話ししたように、このTOEIC Listening & Readingのテストでは0点は取れません。

TOEIC Speaking & Writingなら0点を取れる

一方で、スピーキングとライティングの能力を測るTOEIC Speaking & Writingの最低点は0点です。

  • Speakingで何も話さなかったら0点
  • Writingで何も書かなかったら0点

ということになります。

テン
実際に検証した方がいるのかはわかりません。が、2014年12月15日のテストでは、実際にWritingの最低点が0点でした。また、2024年の8月18日のテストでは、Speaking・Writingともに、最低点が0点でした。

 

ちなみに、TOEIC Speaking & Writingで0点だった場合の評価は以下のようになります。

・Speaking=0点(〜30点)の評価
スピーキングのかなりの部分で回答なし。ディレクションや設問を理解するのに必要なリスニング・リーディング力が欠けている。
・Writing=0点(〜30点)の評価
ライティングのかなりの部分で回答なし。ディレクションや設問を理解するのに必要なリーディング力が欠けている。

なお、スピーキングについては「Pronunciation(発音)」と「Intonation and Stress (イントネーションとアクセント)」という評価項目もあります。

それぞれ3段階で評価され、0点の場合は一番下のLOWになるでしょう。

テン
具体的には「発音が全体的にわかりにくい」「イントネーションとアクセントが、ほとんどの場合効果的ではない」という評価です。

TOEIC Bridgeで0点は取れない

TOEIC Bridgeというのは、一言で言えば「易しいTOEIC」です。

TOEIC Bridgeは、まだTOEICに挑戦するには英語力が十分でない英語初心者が安心して受験できるよう、易しい問題でテストが構成されています。

テン
1979年にTOEICが誕生しました。その後、ビジネスシーンに馴染みのない小中高生や英語初心者のために、2001年にTOEIC Bridgeが誕生しました。

 

TOEIC Bridgeには2つのテストがあります。

  1. TOEIC®︎ Bridge Listening & Reading Test(2001年誕生)
  2. TOEIC®︎ Bridge Speaking & Writing Test(2019年導入)

そして、それぞれの最低点は以下のとおりです。

  1. TOEIC®︎ Bridge Listening & Reading Test:30点(Listening 15点、Reading 15点)
  2. TOEIC®︎ Bridge Speaking & Writing Test:30点(Speaking 15点、Writing 15点)
テン
TOEICはListening & Readingの最低点は0点ではありませんでしたが、Speaking & Writingの最低点は0点でした。一方、TOEIC BridgeではListening & Reading、Speaking & Wrtingともに最低点は0点ではありません。

 

TOEICの最低点と最高点

さて、ここで5つのTOEICテストの最低点と最高点をまとめておきましょう。

テスト最低点最高点
TOEIC®︎ Listening & Reading Test10点(Listening 5点、Reading 5点)990点(Listening 495点、Reading 495点)
TOEIC®︎ Speaking & Writing Test0点(Speaking 0点、Writing 0点)400点(Speaking 200点、Writing 200点)
TOEIC®︎ Speaking Test0点200点
TOEIC®︎ Bridge Listening & Reading Test30点(Listening 15点、Reading 15点)100点(Listening 50点、Reading 50点)
TOEIC®︎ Bridge Speaking & Writing Test30点(Speaking 15点、Writing 15点)100点(Speaking 50点、Writing 50点)

TOEIC Listening & Readingの最低点はなぜ10点なのか

ここからの話では、「TOEIC」=「TOEIC Listening & Reading」を指します。

普通のテストなら

  • テスト用紙に氏名を記入しない
  • テスト用紙に何も記入しない
  • 全問(わざと)間違える

などの方法により、0点を取ることが可能です。

 

しかし、知名度が高い「TOEIC Listening & Reading」では、仮に正答数が0問でも0点にはなりません。

リスニング5点、リーディング5点、合計10点を取ることになります。

 

「なぜ最低点が10点に設定されているのか」については、公式から明確な説明があるわけではありません。

テン
ただし、一般的には「点数配分の仕組み」が関係していると言われています。

TOEIC Listening & Readingの点数配分の仕組み

TOEICスコアの計算方法について、すべてが公表されているわけではありません。

よって、現わかっている点数配分の仕組みを紹介します。

「1問5点」は間違い

「TOEICの配点は1問5点」と聞いたことがある方は多いかもしれません。

しかし、これは実際には正確ではありません。

 

TOEICにはリスニング100問、リーディング100問で、合計200問あります。

もし「1問5点」という配点を適用すると、満点は1000点となります。しかし、TOEICの満点は990点です。

テン
よって、1問5点で計算するのは間違いということです。

 

「いや、シンプルに1問5点で満点1000点でいいじゃん!キリも良いし。」と思いますよね。

TOEICがそのような採点方法を取っていない理由は、試験の難易度によってスコアを変動させないためです。

実際には統計処理を施してスコアを計算する

というのも、TOEICでは毎回異なる問題が出題されます。

毎回同じ難易度に上手く調整できれば良いのですが、そんなことは不可能です。

 

ここで、もし1問5点というような採点方法が採用されていた場合はどうなるでしょうか。

簡単な問題が多かった回を受ける方が、難しい問題が多かった回を受けるより点数が高くなるはずです。

テン
これでは英語力を適切に示せているとは言えませんね。もしTOEICがそんな試験なんだとしたら、今頃資格としての価値は無くなっているはずです。

 

そこで、TOEICでは「統計的な処理」を施すことで、いつ受験しても平等なスコアが出るようにスコアが調整されます。

最低スコアが10点になっているのも、「この統計処理の過程で、最低スコアを10点に調整した方が都合が良い」ということに起因していると考えられます。

 

ちなみに、統計的な処理の詳細は分かりませんが、正答率がスバ抜けて低い問題は間違えてもスコアに影響がないということがわかっています。

 

実際、TOEICリスニングでは、100問中95問以上取れば満点を狙える可能性があります。

また、TOEICリーディングでは、100問中98〜99問以上で満点を狙える可能性があります。

テン
正答率100%でなくとも、満点を取れるということですね。ちなみに、リスニングの方が満点になる基準が圧倒的に緩いので、満点取得者の割合が高いです。

 

TOEIC Listening & Readingで最低点の10点を取る人の割合

2023年度の公開テスト全体を通じて、TOEIC Listening & Readingで10点〜40点を取る人の割合は0.02%です。

「10点を取る人の数」は明確には公表されていません。

 

ただし、個別の受験回を見てみると、どれくらいの人が最低点の10点をとっているのかなんとなく想像できます。

 

たとえば、2024年12月21日(午後)の場合、受験者数は16,826人。そのうち、最低点の10点を取ったのは1人でした。

ちなみに、リスニング最低点の5点を取ったのは2人、リーディング最低点の5点を取ったのは10人いたようです。

 

2024年12月21日(午後)の回の数字で計算してみると、最低点を取る人の割合は1/16826≒0.0059%となります。

 

実際にいるとは、正直驚きました。受験料を支払い、受験会場にも来たのに、試験時に何も記載しなかったということなのでしょうか。

テン
個人的には、ちょっと勿体無いように感じてしまいます。受験料はもちろんですが、受験会場に行くのに時間もかかりますし、土曜日が半日ほど潰れるので。(もしかしたら英語強者で「わざと不正解の選択肢を選び続けた」のかもしれないですが…。)

TOEICの実践問題を解いた時の採点方法

さて、ここまでの話から、TOEICは1問5点では計算できないことがわかりました。

かといって、統計処理の方法も公開されていないので、スコアを計算したい時に困りますよね。

テン
あえて、「200問中〇〇〇問正解」と、素点でスコアを管理する方法もあります。しかし、具体的な点数があった方がわかりやすいですよね。

 

そこで役立つのが、TOEICの素点とスコアの換算表です。(以下参照)

TOEIC リスニングとリーディングの素点とスコアの換算表

上の表で素点とスコアを換算すれば、ズバッと「〇〇点」と計算することはできませんが、ある程度のスコアを予測できます。

テン
なお、TOEIC公式が出してる問題集にも付属している、信頼性の高い換算表です。ですので、安心して計算してください。

自分のTOEICスコアを10分で知る方法

「自分のスコアを知りたいけど、TOEICの模試を2時間かけて200問解くのはきつい」という方もいますよね。

テン
その気持ち、ものすごくわかります。時間がかかるのはもちろんですが、何より体力の消耗が激しいです。通しで解いた後は、もう何もやる気が起きなくなります。

 

  • 形式を把握する
  • 時間配分の感覚を身につける

ためには、本番前に1〜2回程度、2時間かけて模試を解くことは必要です。

しかし、普段からスコアの伸びを把握するために定期的に模試を解くのは、正直現実的ではありません。

 

そこでおすすめなのが「Santaアルク」というスマホアプリを利用することです。

Santaアルク スコア診断の結果と講義受講の画面

Santaアルク」の画面

Santaアルク」は無料で使えるうえ、たった12問のテストを受けるだけでスコア診断ができます。

テン
また、「Santaアルク」は「〇〇点」というように1つのスコアが出ますが、公式問題集は「△△点〜▲▲点」というように幅のあるスコアが出てきます。ですので、「結局何点なの?」と迷わされるのはあるあるです。

 

 

Santaアルク」なら、アプリダウンロードからスコア診断まで10分もかかりません。

ですので、

  • 今の自分のスコアがわからない方
  • 前に自分のスコアを測定してから2週間以上経っている方
  • 2時間かけて模試を解くのが嫌な方

は今すぐ「Santaアルク」で自分のスコアを診断してください。

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「後でやろう」と思うと、確実に忘れます。なので、今すぐ「Santaアルク」ダウンロードして、ゲーム感覚で一度スコア診断してみてください。本当に一瞬で終わるので、びっくりするはずです。

 

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TOEICの平均点

TOEICの平均スコアは以下のとおりです。(2023年度)

  • 公開テスト:612点
  • IPテスト:492点

 

IPテストというのは、大学や企業など団体で申し込みを行う試験です。

IPテストの平均スコアは、公開テストの平均スコアより100点以上低いです。その理由は主に2つあります。

  1. 受けさせられた人が多いから
  2. 受験料が比較的安くとりあえず申し込む人が多いから
テン
「公開テストの方が高いスコアが出やすい」ということはないので、勘違いしないようにしましょう。

 

 

TOEICで目指すべきスコア

TOEICで目指すべきスコアは「TOEIC600点」です。

 

TOEIC600点は履歴書に書ける最低限のスコアだと言われます。

なぜなら、前述したように公開テストの平均点がおよそ600点で、600点取れれば「平均以上に英語ができます」とアピールできるからです。

 

そして、TOEIC700点以上になると「すごい!」と評価されます。就活や転職で周りと差別化できるのも、TOEIC700点以上からでしょう。

TOEICの勉強法

TOEICの基本の勉強方針は以下のとおりです。

  • 単語を覚える(中学英単語もしくはTOEIC頻出英単語)
  • 文法を固める(難しい英文法は対策の必要なし)
  • まずはPart1・2・5に絞って対策
  • 次はPart3・4・6を対策
  • 長文のPart7は難しいので一番最後
  • 定期的に実践演習して勉強の効果を測る

ただし、以上はあくまで基本の勉強方針です。TOEICはスコアによって、やるべき勉強内容が大きく異なります。

 

イングルートでは、スコア別に細かく勉強法を解説しています。

テン
先ほど紹介した「Santaアルク」で診断したスコアより、50点ほど高いスコアを目指す勉強法を採用し続けることを意識しましょう。

TOEICのスコアを伸ばすコツ

最後に、TOEICのスコアを伸ばすコツ・テクニックを解説します。

難しい問題に固執しない

TOEICには簡単な問題と難しい問題が混在しています。

各Partの前半の方には簡単な問題が出やすく、後半になるにつれて難易度の高い問題が出やすくなる傾向にあります。

 

だからと言って、後半の問題がすべて難しいというわけではありません。後半にも、すぐに解ける簡単な問題はたくさんあります。

 

後半の簡単な問題に辿り着くには、前半の難しい問題に固執して時間を使いすぎないことが重要です。

 

TOEICは「難問1問より易問3問」です。

難しい問題1問に時間を使ってなんとか正解するより、同じ時間で簡単な問題を3問解いた方がスコアは伸びます。

テン
ですので、難しい問題に固執するのはやめましょう。その方がスコアを底上げできますし、安定性も増します。

 

ただ、「難しい問題に固執しない」というのは非常に難しいです。

本番でいきなり実践するのは、自分を律する力が強い方くらいです。

 

よって、普段の問題演習で難しい問題に固執しすぎないよう癖づけておきましょう。

リーディングは塗り絵をする

リーディングの試験時間は75分間です。

一見長いように感じられるかもしれませんが、実際に解いてみると驚くほど短いことに気づくはずです。

 

基本的に「TOEICリーディングは最後まで解き終わらないもの」と認識しましょう。

テン
解き終えられるのは、せいぜいTOEIC900点以上を安定して取れる方くらいです。そのくらい、試験時間が厳しいです。

 

だからといって、問題を解き残すのはもったいないです。

なぜなら、TOEICは選択問題であり、かつ選択肢が4つしかないのでランダムに選んでも正答率が25%もあるからです。

 

特にTOEIC初心者の場合、時間内に解き終わらず、解答用紙の後半が空欄だらけになりがちです。

しかし、空欄にするのではなく、試験終了前2〜3分くらいで残っている問題を塗りつぶせば、正答数は伸びます。

テン
この「試験終了前に残りの問題を塗りつぶす」という作業を「塗り絵」と言います。

 

たとえば20問解き残したとしても、塗り絵をすれば20×1/4=5問正答数を増やせます。

5問も正答数が増えれば、スコアは20〜30点くらいはアップするでしょう。

ですので、試験を解く前から「試験終了前〇〇分前になったら残りの問題を塗り絵するぞ」と決めておきましょう。

リーディングは時間配分を決めておく

ここまで解説してきた

  • 難しい問題に固執しない
  • 塗り絵する

に関連して、時間配分をあらかじめ決めておきましょう。

時間配分を決めておけば「時間を過ぎたから急ぐ」「時間が余ってるから丁寧に解く」というペース配分が上手にできるようになります。

 

TOEICリーディングには、Part5〜Part7まで3つのPartがあります。

それぞれのPartの理想の時間配分は以下のとおりです。

  • Part5:10分
  • Part6:10分
  • Part7:55分(塗り絵込み)

ただし、TOEIC600点を目指す段階とかだと、以上の時間配分で問題を解くのはかなりきついです。

ですので、「Part5・6をそれぞれ15分にする」というように、自分の状況に合わせて調整することが大切です。

テン
なお、TOEICリスニングパートは音声が勝手に流れるので、時間配分は特にありません。

まとめ

TOEICのListening & Readingでは、0点は取ることができません。

たとえ何もマークしなかったとしても、スコアは10点となります。

 

スコアが0点にならない明確な理由は示されていませんが、「点数配分の仕組み」が関連していると言われています。

TOEICでは「1問5点」というような一律配点を採用せず、試験の難易度を調整した統計処理を施してスコアを算出しています。

テン
そして、統計処理を行うときに最低点が0点じゃない方が都合が良いので、最低点は10点と設定されたのではないかと推測します。ただし、あくまで推測であることには注意してください。

 

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参考
TOEIC Speaking & Writing Tests スコアレンジ別評価一覧表

TOEIC Speaking & Writing Tests 平均スコア 詳細 2024年12月15日

TOEIC Speaking & Writing Tests 平均スコア 詳細 2024年8月18日

TOEIC Listening & Reading Tests 平均スコア 詳細 2024年12月15日